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この項目では物体を伝わる粗密波について記述しています。漢字の音読みについては音読みをご覧ください。

(おと)とは、物理学的には物体を通して縦波として伝わる力学的エネルギーの変動のこと。 波動としての特徴(周波数波長周期振幅速度など)を持つ。

人間は聴覚によって音を感知する。そのため通常は「音」という言葉は空気中を伝わる振動のうち、人間の可聴域にあるものを指す。しかし、自然科学や工学ではより広く定義し、可聴域の外の周波数や、空気以外の気体液体固体によって伝わるものも含める。

音を伝える物質は媒質と呼ばれる。音は圧力変動の波動として伝わり、ある点での密度の変動を引き起こす。媒質中の粒子はこの波によって位置を変え、振動する。音について研究する物理学の分野は音響学と呼ばれる。

雑音という言葉は望ましくない音を指すのによく使われる。自然科学や工学では、雑音とは信号を取り出す際に邪魔になる成分のことである。

などの空気の流れは振動ではないので、それ自体は音ではない。

目次

[編集] 聴覚

詳細は聴覚を参照

音波が神経細胞の発火に変換されるまで。 (青:音波、 赤:鼓膜、 黄:蝸牛、 緑:有毛細胞、 紫:周波数スペクトル、 オレンジ:神経細胞発火)

音は聴覚を通じて知覚される。人間や多くの動物は音を聴くのにを使う。ただし、低い周波数の大きな音は体の他の部分を通じて触覚により振動として知覚される。 音は会話音楽などいろいろな形態で利用される。また、空間構造や他の動物・物の存在などの周囲の状況を把握するためにも用いられる。 例えば、コウモリ反響定位を、船舶潜水艦ソナーを用い、人間は音の聞え方で空間の情報を得る。

人間が知覚できる音の周波数(可聴域)は20 Hz から 20 kHz までである。ただしこれは年齢・性別・過去に受けた聴覚障害などによってばらつきがある。 大多数の人は10代には既に 20,000 Hz を知覚できず、年齢が上がるにしたがって高い周波数を聴く能力が衰える。 人間の会話のほとんどは 200-8,000 Hz の間で行われ、人間の耳は 1000-3,500 Hz で最も感度が高い。 聴覚の限界より周波数が高い音は超音波、低い音は低周波音と呼ばれる。

#音圧および#音圧レベルの節で後述するとおり、音の大きさはその圧力または常用対数を用いたデシベル値で表される。 人間が聴くことのできる最も小さな音はおよそ 20 µPa (音圧レベル 0 dB re 20 µPa)である。 音圧レベルが 85 dB を越える音を長期間聴きつづけると、耳鳴り難聴などの聴覚障害を引き起こすことがある。 130 dB では人間の聴覚が安全に耐えうる限界を越え、重篤な痛みや永続的障害の原因となりうる。

人間の聴覚システムの特性は心理音響とよばれ、MP3などの音声データ圧縮技術に利用されている。

[編集] 音速

詳細は音速を参照

音を伝える早さは物質によって異なり、しばしば物質の基本的な特性として示される。一般的に、音速は媒質の弾性率と密度との比の平方根に比例する。 これらの物理特性と音速とは周囲の状況によって変化する。例えば、大気などの気体中の音速は温度に依存する。 大気中の音速はおよそ 344 m/s であり、水中では 1500 m/s、鋼鉄の棒では 5000 m/s である。 音速は振幅(音の大きさ)にも僅かに依存する。これは倍音の弱い成分や音色の混合など、非線型の伝達効果のためである(を参照のこと)。

[編集] 音圧

音圧は、音波によって引き起こされる周囲からの圧力のずれである。 空気中ではマイクロフォンによって、水中ではハイドロフォンによって測定される。 SI単位系において、音圧の単位はパスカル (記号: Pa) である。 瞬間音圧は、ある点でのある瞬間の音圧である。 有効音圧は、ある時間内でinstantaneous音圧のRMSをとったものである。 音を波として記述したとき、音圧に相当するものは粒子速度である。 振幅が小さいとき、音圧と粒子速度は線形の関係にあり、両者の比が音響インピーダンスである。 音響インピーダンスは波の特徴と媒質の両方に依存する。

瞬間音圧における音の強さは音圧と粒子速度に依るため、ベクトル量である。

[編集] 音圧レベル

人間は非常に幅広い強度の音を感知できるため、音圧は常用対数を用いたデシベルで表されることが多い。

音圧レベル (sound pressure level, SPL) は Lp と記され、以下のように定義される。

<math>

L_\mathrm{p}=10\, \log_{10}\left(\frac{{p}^2}{{p_0}^2}\right) =20\, \log_{10}\left(\frac{p}{p_0}\right)\mbox{ dB} </math>

ここで p は音圧のRMSp0 は基準となる音圧である(音圧レベルを示す際には、用いた基準音圧 (re) も表記することが重要である)。

一般的な基準音圧としては、ANSI S1.1-1994 では、 大気中で 20 µPa、水中で 1 µPa と定められている。

人間のは全ての周波数に対して感度が一定ではないので、音圧レベルは人間の感覚に合うように周波数で重み付けされる事が多い。 国際電気標準会議 (IEC) はいくつかの重み付けの方法を定義している。 「A特性周波数重み付け () 」は雑音に対する感度に一致し、それによって重み付けされた音圧レベルは dBA と表記される。 「C特性周波数重み付け」はピークレベルを測定するのに用いられる。

[編集] 音圧および音圧レベルの例

音源 音圧 音圧レベル
  pascal dB re 20 µPa
痛覚の閾値 100 134
短期間で聴覚障害を起こす強度 20 およそ 120
ジェット機(距離100m) 6 - 200 110 - 140
空気動力ドリル(距離1m) / ディスコ 2 およそ 100
長期的には聴覚障害を起こす強度 0.6 およそ 90
主要な道路(距離10m) 0.2 - 0.6 80 - 90
旅客鉄道(距離10m) 0.02 - 0.2 60 - 80
一般家庭でのテレビ(距離1m) 0.02 平均 60
通常の会話(距離1m) 0.002 - 0.02 40 - 60
非常に静かな部屋 0.0002 - 0.0006 20 - 30
穏やかな風に揺れる木の葉 0.00006 10
2 kHz における聴覚の限界 0.00002 0

歴史上で最も大きな音とされているのは、1883年クラカタウの大噴火によるものであり、 160km離れた地点での音圧レベルは 180 dBだった。

[編集] 音を扱う装置

音を発生させたり扱ったりする装置として、楽器補聴器ソナー音響機器などが挙げられる。 その多くはマイクロフォンスピーカーを用いて音と電気信号とを変換している。

音を発生させる方法としては、物体をさまざまな方法で振動させてその振動を空気に伝える方法や、特定の方向のみに強い空気の流れを作り出す事で空気の振動を発生させる方法などがある。

  • 物体を振動させる方法としては、物体をこすったり(バイオリンなど)、空気の流れで振動させたり(ヒト声帯ハーモニカなど)、はじいたり(ギターなど)、物体同士をぶつけたり(打楽器ピアノなど)、電気的に物体を振動させたり(スピーカーなど)などがある。
  • 強い空気の流れから空気の振動を発生させる現象は、洞窟における風鳴りや、などにみられる。

[編集] 参考文献

[編集] 関連項目

ウィクショナリーに関する記事があります。

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