閏秒

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閏秒(うるうびょう:leap second)とは、原子時計に基づく協定世界時(UTC)と地球の自転に基づく世界時(UT1)とのずれが大きくならないように挿入または削除される1のことである。UTCとUT1とのずれが0.9秒以内になるように調整が行われる。

目次

[編集] 概説

UTCとUT1とのずれ

現代の時刻の1秒は原子時計によって刻まれる。原子時計の秒は、86400秒すなわち通常の場合の24時間が、体感上の1日(地球の自転周期の一つである平均太陽日)となるべく一致するように定義された。とはいえ、

  • 原子時計の刻む国際原子時(TAI)は、原子の放射の振動数によるもの
  • 地球の自転に基づく時系(UT1)は、地球の自転角によるもの

であって、両者は本質的にまったく無関係の現象に依拠している。仮に、ある時点でTAIとUT1を同期させたとしても、両者が同じ歩度を保つ保証はない。

日常生活のためには、朝に日が出て、正午ごろ南中し、夕暮れに日が沈むのが適切であろう。だからといって、地球の自転速度(UT1)を基準に時間を定義すると、1秒の長さが地球の自転の不整によって変化してしまい、学術などの分野で著しく不都合である。他方、地球の自転と無関係に、原子時計の示す時間だけを使い続けると、地球の自転の不整とのずれが累積した場合、極端な話、TAIでは昼の12時なのに世界は真夜中といった状況が発生し、適切でない。われわれは、あいまいさのない(不変に近い)1秒という単位と、日常生活のための昼夜のリズムに同期した時刻の両方を、それぞれの理由から必要としている。

現在、われわれが日常、実際に使う時刻系・協定世界時(UTC)は、基本的には、最初TAIと同期し、秒の長さは常にTAIに従うものである。しかし、それでは実際の地球の自転角が示す時刻UT1との同期が保証されない。そこで、UT1とUTCの誤差が0.9秒を越えないように、UTCではプラスまたはマイナス1秒の調整を行う。この1秒が閏秒である。(UTCとTAIは最初は同期しているが、閏秒の実施に伴って、差が生じる。)

要するに、UTCとは、原子時計の秒を刻みつつも、その実、地球の自転UT1とずれないように(原子時計との誤差が0.9秒を越えないように)地球の自転に合わせてときどき「秒針をずらす」時刻系である。UTCの1秒は常に正確であり、かつ地球の自転との誤差も時間の1秒未満に抑えられているが、その代償として、ときおり1日の長さが変化してしまう(例えば86401秒の日が存在する)。2006年現在、実施されたうるう秒はすべてプラスのうるう秒であり、結果的に、UTCとTAIの差は拡大している。これをもって「地球の自転がだんだん遅くなっている」と誤解する人がいるが、TAIの秒の定義が少し短過ぎたと言うべきだろう。もし本当に地球の自転がだんだん遅くなっているなら、閏秒の挿入頻度が増えるはずだが、そうはなっていない。つまりTAIとUT1(地球の自転)は現在のところ、それぞれほぼ一定の(しかし微妙に異なる)歩度である。なお実際に潮汐作用によって地球の自転は次第に遅くなってはいるが、10万年に1秒といったレベルであり影響は皆無である。

地球の回転についての国際観測を実施している国際地球回転事業 (IERS) が閏秒による調整をいつどのように行うか決定する。

定義上は1秒差し引く場合(負の閏秒)もあり得るが、2005年現在までに削除が行われたことはなく、挿入(正の閏秒)しか行われていない。実施される場合はUTCで6月30日12月31日に実施され、23:59:60の挿入または23:59:59の削除が行われる。日本標準時(JST)はUTCより9時間進んでいるため、日本では翌日の7月1日1月1日に08:59:60の挿入または08:59:59の削除が行われることになる。6月末または12月末の調整では間に合わない場合(誤差が0.9秒を越えてしまいそうな場合)は、第二優先として3月31日又は9月30日にも調整が行われる。

1972年6月30日(UTC, 以下同)に第1回の閏秒が実施され、これまでに合計23回、最近では2005年12月31日に行われた(日本標準時では2006年1月1日に08:59:60が挿入された)。ウィキニュース

[編集] 閏秒と閏日(閏年)

閏秒と閏日閏年)は無関係である。閏秒が、地球の自転の不整と原子時計の間の調整であるのに対して、閏日(閏年に挿入される臨時の2月29日)は、地球の公転周期と地球の自転周期が簡単な比になっていないことを調整するためのものである。長期においては、閏秒などの時間調整がなければ、正午に夜中などのズレが生ずる。閏日(閏年)がない場合には、カレンダーは12月なのに「北半球季節は真」というズレが起こりうる。

[編集] 企業の対応

NTT東日本及びNTT西日本は、時報サービス(電話番号:117番)において、閏秒実施時の100秒前から1/100秒ずつ調整し、閏秒実施時にちょうど1秒ずれるようにしている。よって、閏秒実施時に秒が挿入または削除されるようなことはない。参考: 時報サービスの概要(NTT東日本)

[編集] 過去の実施日

UTC、すべて正の閏秒。

  1. 1972年6月30日
  2. 1972年12月31日
  3. 1973年12月31日
  4. 1974年12月31日
  5. 1975年12月31日
  6. 1976年12月31日
  7. 1977年12月31日
  8. 1978年12月31日
  9. 1979年12月31日
  10. 1981年6月30日
  11. 1982年6月30日
  12. 1983年6月30日
  13. 1985年6月30日
  14. 1987年12月31日
  15. 1989年12月31日
  16. 1990年12月31日
  17. 1992年6月30日
  18. 1993年6月30日
  19. 1994年6月30日
  20. 1995年12月31日
  21. 1997年6月30日
  22. 1998年12月31日
  23. 2005年12月31日

[編集] 外部リンク

ウィキソース標準時の調整の公表についての原文があります。

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