高齢化社会

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高齢化社会(こうれいかしゃかい)とは、人口構造が高齢化することで、指標としては総人口に占める高齢人口(65歳以上)の比率が高まっていくことをいう。高齢人口の増加の一方、年少人口の減少とが同時並行的に進んでおり、2つの現象を合わせて少子高齢化と呼ぶことも多い。

人口の年齢構造を分析する上で、0~14歳を年少人口、15~64歳を生産年齢人口、65歳以上を老年人口とする3区分が用いられる。

目次

[編集] 高齢化率による分類

高齢化社会という用語は、1956年の国連の報告書において、当時の欧米先進国の水準を基に、7%以上を「高齢化した(aged)」人口と呼んでいたことに由来するのではないかとされているが、必ずしも定かではない。一般的には、高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)によって以下のように分類される。

  • 高齢化社会 高齢化率7%~14%
  • 高齢社会 同14%~21%
  • 超高齢社会 同21%~

日本は1970年(昭和45年)に高齢化社会に、1994年(平成6年)に高齢社会になり、2007年(平成19年)には超高齢社会となる。

[編集] 高齢化のメカニズム

・地域の人口構成は、発展途上段階から経済成長とともに、多産多死型多産少死型少産少死型と変化し、これを人口転換という。

発展途上段階では、衛生環境が不十分で乳幼児の死亡率が高いこと、単純労働の需要が大きいため初等・中等教育を受けていない子供も労働力として期待されること、福祉環境が貧弱なため老後を子供に頼らなければならないことなどから、希望子ども数が大きい。また育児・教育環境や生活水準に比して予定子ども数も大きい。このとき人口ピラミッドは、先が尖ったきれいなピラミッド型になる。

経済成長は衛生状態の改善と医療水準の向上をもたらすため、乳幼児の死亡が減り、平均寿命が延びる。そのため人口ピラミッドは、ピラミッド型を保ったまま拡大し、人口爆発が生じる。

経済発展による社会の変化が進むと、知的労働の需要が増して子供の労働需要が減退すること、福祉環境の充実により老後の生活を社会が支えるようになることなどから、希望子ども数が減少する。また育児・教育環境や生活水準に比して予定子ども数も小さくなる。一方、平均寿命の延びは鈍化するが、中年以下の死亡率はさらに低下する。このとき年少人口の低位安定と高齢人口の増加により、人口ピラミッドはつりがね型になる。

近代以降、人口爆発を経験した先進諸国は、人口安定的と予想された少産少子社会の実現を目標としてきた。しかし1970年代に急激な合計特殊出生率低下が生じて以降、出生率人口置換水準(2.08)は回復されず少子化が起きた。年少人口は減少し続け、人口ピラミッドは口がつぼんだ壺型へと変化し、高齢化率が急上昇している。

このように、高齢化は総人口および年少人口が安定または減少する中で、高齢人口が相対的に増加していくことによって生じる。

[編集] 日本の高齢化の現状

日本の少子高齢化の原因は、出生数が減り、一方で、平均寿命が延びて高齢者が増えているためである。日本の人口構成を人口ピラミッドで見ると、第1次ベビーブームの1947年~1949年(昭和22~24年)生まれと第2次ベビーブームの1971年~1974年(昭和46年~49年)生まれの2つの世代に膨らみがあり、出生数の減少で若い世代の裾が狭まっている。また、第1次ベビーブームの人達が、もうすぐ高齢者の仲間入りをするため高齢化は進展する。

[編集] 平均寿命

平均余命とは、一定期間の(例えば1年間)における各歳のごとの死亡率が今後とも同じと仮定して、ある年齢の人が平均して後何年生きるかを表したものであり、特にゼロ歳の平均余命を平均寿命という。

平均寿命の延びの主な要因としては、乳幼児死亡率の低下、抗生物質による結核の死亡率の低下、公衆衛生の普及により生活環境が整備され伝染病による死亡率の低下、などである。また、最近の平均寿命の延びに大きく寄与しているのは、成人病、特に脳血管疾患の減少による中高年層の死亡率の改善である。

[編集] 日本の平均寿命

最新の生命表である「平成17(2005)年完全生命表」によると、平均寿命(0歳における平均余命)は、男78.56年、女85.52年で、前回(平成12年)の完全生命表と比較して、男は0.84年、女は0.92年上回った。

平均寿命の年次推移をみると、第二次世界大戦前は50年を下回っていたが、戦後初の1947年(昭和22年)の第8回生命表の平均寿命は男50.06年、女53.96年と50年を上回った。その後、約60年経過し、男は28.50年、女は31.56年延びている。65歳における平均余命は、男18.13年、女23.19年となっており、平均余命の年次推移をみると各年齢とも回を追うごとに延びている。

[編集] 三大死因

「平成18年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、2006年(平成18年)の死因順位別死亡数と全死亡者に占める割合は以下のとおりである。

悪性新生物は、一貫して上昇を続け、昭和56 年以降死因順位第1位となり、平成18年の全死亡者に占める割合は30.4%となっている。全死亡者のおよそ3人に1人は悪性新生物で死亡したことになる。心疾患は、昭和60年に脳血管疾患にかわり第2位となり、その後も死亡数・死亡率ともに上昇傾向を示している。脳血管疾患は、昭和26年に結核にかわって第1位となったが、45年をピークに低下しはじめ、56年には悪性新生物にかわり第2位に、更に、60年には心疾患にかわり第3位となりその後も死亡数・死亡率ともに低下を続けた。

近年は、インフルエンザの流行の度合いにより高齢者の死亡者数(肺炎が原因)が変化し、その結果が平均寿命や平均余命の延びに反映している。

  1. 悪性新生物 32万9198人(30.4%)
  2. 心疾患 17万2875人(15.9%)
  3. 脳血管疾患 12万8203人(11.1%)

[編集] 国際比較

「平成17(2005)年完全生命表」によると、主要国の平均寿命は以下のとおりである。

  • 日本      男78.56 女85.52 (2005年)
  • カナダ    男77.20 女82.10 (2002年)
  • アメリカ    男75.20 女80.40 (2004年)
  • フランス   男76.80 女83.80 (2005年)
  • ドイツ     男76.21 女81.78 (2003-2005)
  • アイスランド 男78.90 女82.88 (2001-2005年)
  • イタリア    男77.16 女82.84 (2003年)
  • イギリス    男76.62 女80.95 (2003-2005)

[編集] 年齢別人口

「2006年(平成18年)10月1日現在推計人口」によると、年齢3区分別の人口は、年少人口(0~14歳)は1743万5千人で前年に比べ15万人の減少、生産年齢人口(15~64歳)は8373万1千人で69万1千人の減少となっているのに対し、老年人口(65歳以上)は2660万4千人で84万3千人の増加となった。

総人口に占める割合は、年少人口が13.6%、生産年齢人口が65.5%、老年人口が20.8%となり、前年に比べ、年少人口が0.2ポイント、生産年齢人口が0.6ポイントそれぞれ低下し、老年人口が0.6ポイント上昇している。

総人口に占める割合の推移は、年少人口は、昭和50年(24.3%)から一貫して低下を続け、平成18年(13.6%)は過去最低となっている。生産年齢人口は、昭和57年(67.5%)から上昇を続けていたが、平成4年(69.8%)をピークに低下している。一方、老年人口は、昭和25年(4.9%)以降上昇が続いており,平成18年(20.8%)は過去最高となっている。

[編集] 日本の高齢化率

1935年(昭和10)の高齢化率が4.7%と最低であった。1950~1975年は出生率低下によって、それ以降は、死亡率の改善により高齢化率が上昇した。先進諸国の高齢化率を比較してみると、日本は1980年代までは下位、90年代にはほぼ中位であったが、2006年(平成18年)には20.8%となり、世界に類を見ない水準に到達している。

また、高齢化の速度について、高齢化率が7%を超えてからその倍の14%に達するまでの所要年数(倍化年数)によって比較すると、フランスが115年、スウェーデンが85年、比較的短いドイツが40年、イギリスが47年であるのに対し、日本は、1970(昭和45)年に7%を超えると、その24年後の1994(平成6)年には14%に達している。このように、日本の高齢化は、世界に例をみない速度で進行している。

[編集] 国際比較

「一般人口統計 2007年版」によると、2005年の主要国の高齢化率は以下のとおりである。

[編集] 日本の出生率

「平成18年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、平成18年の合計特殊出生率は1.32で、前年の1.26を上回った。昭和40年代は、第2次ベビーブーム期(昭和46~49年)を含め、ほぼ2.1台で推移していたが、50年に2.00を下回ってから低下傾向となり、平成18年は6年ぶりに上昇し、平成14年と同率となった。

年齢(5歳階級)別に内訳をみると、低下を続けていた20歳代が上昇に転じ、前年低下に転じた30~34歳が再び上昇したため、15~19歳と45~49歳を除く各年齢階級で上昇した。この結果、平成17年に続き、30~34歳が25~29歳を上回り、平成18年は新たに35~39歳が20~24歳を上回り、40~44歳が15~19歳を上回った。

出生順位別にみると、どの出生順位も上昇に転じており、特に低下を続けていた第3子以上は、12年ぶりに上昇に転じた。

[編集] 日本の将来人口推計

「2005年(平成17年)10月1日の国勢調査」に基づく「2055年までの将来の人口推計」が、2006年12月に公表されたが、近年の出生率低下や寿命の延びを反映して、前回の2002年推計よりも少子高齢化が一層進行し、本格的な人口減少社会になるとの見通しが示された。

[編集] 2055年の人口推計

合計特殊出生率が1.26、平均寿命が男78.53歳、女85.49歳から男83.67歳、女90.34歳へ延びると仮定すると、約50年後の2055年は高齢化率が約40%となる。現在の支え手側と支えられる側の比率が3人で1人を支える形だったのが、1.2人で1人を支える(20歳から64歳で支える)形の超高齢社会を迎える。

  • 日本の総人口は、1億2,777千万人から8,993万人弱になる。
  • 老年人口(65歳以上)は、20.2%(2,576万人)から40.5%(3,646万人)になる。
  • 生産年齢人口(15歳~64歳)は、66.1%(8,442万人)から51.1%(4,595万人)になる。
  • 年少人口(0~14歳)は、13.8%(1,759万人)から8.4%(752万人)になる。

[編集] 都道府県別推計

上記の人口推計に基づく2005年~2035年まで5年ごとの30年間の都道府県別将来推計人口は、以下のとおりである。

  • 都道府県別総人口の推移

2000年から2005年にかけて既に32道県で人口が減少しているが、その後も人口減少県の数が増え、2025年以降は全ての都道府県で人口が減少する。また、2035年時点で2005年と比べ人口が増加しているのは、東京都と沖縄県のみである。

地域ブロック別にみると、2005年に全国人口に占める割合が最も大きかったのは南関東ブロック(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)で、27.0%であるが、今後も南関東ブロックの人口シェアは増大し、2035年には29.8%に達する。

  • 年齢別人口の推移

年少人口は、2005年から2035年までの期間を通じてすべての都道府県で減少し、生産年齢人口も全般的に減少傾向にある。老年人口は2020年まで全都道府県で増加するが、2020年以降は減少県が現れ、2035年で老年人口数が多いのは、東京都、神奈川県、大阪府、埼玉県、愛知県など大都市圏に属する都府県である。

老年人口割合が30%を超える都道府県は2005年時点では1つもないが、2035年には44都道府県で老年人口割合が30%を越える。後期老年人口(75歳以上人口)は2030年まで全都道府県で増加するが、2030年以降は減少県が現れ、2035年には39道県で後期老年人口割合が20%を越える。

[編集] 人口構造の変化

新人口推計(出生中位・死亡中位)による今後の人口構造は、単純に人口規模が縮小するのではなく、少子高齢化や未婚化の進行等により、労働力世帯地域等の姿が大きく変化していくことになる。

  • 2030年頃まで

団塊世代(1947年~1949年生まれ)が後期高齢者(75歳以上)となる2030年頃までは、高齢者数が急激に増加し、特に後期高齢者数は2005年の約2倍に増加する。しかし、団塊ジュニア世代(1971年~1974年生まれ)が現役でいることから、生産年齢人口は約60%弱と大幅に減少するものの高齢化率は約30%強に留まる。

  • 2030年~2055年

団塊世代とほぼ同数となる団塊ジュニア世代が団塊世代と入れ替わり、高齢者となることから、高齢者数は概ね横ばいで推移する。一方、団塊ジュニア世代の子ども世代(1995年生まれ~)には、大きな出生数の山がないことから、2030年頃を境に現役世代の人口はさらに急激に減少する。その結果、団塊ジュニア世代が後期高齢者となる2055年には、生産年齢人口比率は約50%となり、高齢化率も約40%を超える。

[編集] 高齢化社会の課題

[編集] 労働力人口の減少

生産年齢人口の減少に伴い、労働力率が現状のままでは、今後、労働力人口も減少する。労働力人口が減少する中では、まず生産性を向上させ、成長力を強化することが必要である。技術革新資本増加により労働力人口減少の影響はある程度カバーすることは可能であるが、2030年以降の我が国の生産年齢人口の減少は相当大きくその影響は軽視できない。

  • 若者・女性・高齢者の就業促進

2030年までの人口構造を見ると、2030年における24歳以上の世代は、現在、既に生まれており、今後のこの世代の人口及びその減少傾向はほぼ確定している。したがって、この間の生産年齢人口減少の影響をカバーしていくためには、今後、すべての人の意欲と能力が最大限発揮できるような環境整備に努めることによって、若者、女性、高齢者の就業を促進し労働力人口の減少の緩和を図ることが必要である。

  • 出生数減少の緩和

2030年以降に支え手となっていく世代はこれから生まれる世代であって、今後の出生動向の変化によりその数はまだ変動する余地があるが、生産年齢人口はそれ以前と比べ急激に減少する。この急激な生産年齢人口の減少に伴う労働力人口の減少をカバーするためには、出生数の減少をできる限り緩和することが重要であり、効果的な少子化対策が必要である。

[編集] 生活状況の変化

人口構造の変化は、世帯の状況や地域の姿にも大きな影響を与えることになるため、これに対応した社会の在り方を検討していくことが必要である。また、大幅な人口減少のトレンドを変え、将来の国民の暮らしを守るという観点からの少子化対策の必要性が広く認識される必要がある。

  • 単身世帯の増加

今後、中高齢層での未婚率の上昇が著しく、2005年の50歳代女性の未婚率が6%であるのに対し、2030年では20%、2055年では24%になるとすれば、男性も同様に概ね4人に1人以上が未婚となる。離別の増加や死別も考慮に入れれば、50歳代以上の者の属する世帯のうち40%以上が「単身かつ無子世帯」となる。

  • 要支援世帯の増加

単身世帯は、世帯員相互のインフォーマルな支援が期待できないことから、相対的に失業疾病災害といった社会的リスクに弱く、社会システムによる支援がより必要になる。また、経済的に見ても、可処分所得減少の影響を受けやすい。単身世帯の増大は、介護問題を始めとした支援を要する世帯の増大や負担能力の減少など、社会全体に大きな影響を及ぼす。

  • 地域社会の変化

毎年の出生数は、2030年には約70万人、2055年には50万人弱となり、通常の地域社会において平日昼間に目にする子どもの数は少なくなり、地域社会の支え手も相当部分が高齢者になる。また、子どもの立場で考えても、「仲間と一緒に豊かに育つ」という健全な育成環境が確保されなくなり、社会全体として見ても、文化の継承者が少なくなり、未来への希望が持ちにくくなる。

[編集] 持続可能な社会保障制度

現在の社会保障給付は約70%が高齢者に充てられており、人口の高齢化による給付の増加が現役世代の負担を年々増やしているため、給付と負担のバランスの確保や世代間の不公平の是正が求められている。年金、医療、介護というのは、少子高齢化の進展で非常に大きな影響を制度設計で受けるため、持続可能な制度設計にしていく必要がある。

[編集] 関連項目

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[編集] 外部リンク

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