超時空要塞マクロス

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超時空要塞マクロス』(ちょうじくうようさいマクロス)は、1982年10月3日から1983年6月26日まで毎日放送キーステーションとしてJNN系で放映されたSFアニメロボットアニメ。放送回数は全36話。

超時空シリーズ
通番 題名 放映期間
第1作 超時空要塞マクロス 1982年10月
~1983年6月
第2作 超時空世紀オーガス 1983年7月
~1984年4月
第3作 超時空騎団サザンクロス 1984年4月
~1984年9月

目次

[編集] 概要

本作にはSFラブコメアイドルといった様々な要素がちりばめられているが、ロボットアニメとしては『機動戦士ガンダム』以後の一大ムーブメントの影響下にあった時代の作品であり、現実の戦闘機戦車と同じように運用されるロボット兵器が多数登場するため「リアルロボットもの」作品の一つであると言える。しかし、強攻型として人型に変形する巨大な戦艦マクロスそのものもロボットと見れば「スーパーロボットもの」の要素を含んでいるとも言える。

『機動戦士ガンダム』にて人型のロボットが軍事用兵器の一つとして登場するためのSF的な理由付けが為されていたため、以後のロボットアニメにもそのような設定が求められるようになったが、本作品では人間が身長10mを超える敵対宇宙人と渡り合うためにロボットが使用されるという理由が付けられている。(河森正治によると、「ひと目見て、納得というか、あきらめてもらえる方法」として考案したそうである。)

ストーリー面では異星人とのファーストコンタクトを扱っている点や異星人を地球に招き入れたことを理由にマクロスのクルーや市民が地球を放逐される流れなど、『伝説巨神イデオン』に近いものがある。一方、一話を通してまったく主人公が出撃しない、戦闘シーンがまったくないといった回も珍しくなく、当時のロボットアニメとしてはかなり異色の存在であった。

元々は、シリアスな「G企画」を通すためのダミー(スポンサーに本命を採用させるためのあて馬)として'80年8月に考案された、パロディー色の強い肩肘張らずに見られるコミカルな作品(一部スタッフ曰く「壮大な能天気ドラマ」)だった。しかし本命よりこの「メガロード(仮題)」が採用される気配が濃厚となり、'81年8月に「スタジオぬえ最初のTV企画がドタバタじゃまずい」ということで、ラブコメにシフト、地球の存亡を賭けた戦いと、主人公達の三角関係を同等のレベルで描く、という方向性が固まった。キャラクターの恋愛面では意固地とも取れる初志貫徹がなされており、主人公は、もう一人のヒロインと結ばれて欲しいという当時のファンの強い声とは裏腹に、当初予定通りのヒロインと結ばれている。

[編集] 放映に至る経緯

広告代理店のビックウエストがアニメ企画製作スタジオスタジオぬえの企画を採用し、タカトクトイスなどのスポンサーと放送枠を獲得。ビックウエストは、当時アニメ映画の実績はあってもテレビシリーズの実績はないアニメ制作会社アートランドだけに制作を一任することに不安を感じ、実制作をタツノコプロに委託し制作させたものが本作である。タツノコプロが元請けとなり、この作品の監督を担当した石黒昇率いるアートランド、及びタツノコプロの子会社であるアニメフレンドなどが下請けという形になった。

当初「超弩級要塞マクロス」というタイトルだったが、「弩(ど)」が読めない、という理由で変更された。マクロスの形式名SDF-1=スーパー・ドレッドノートクラス・フォートレス(=超弩級要塞)も、後にDをディメンションに変更されている。また、巨大宇宙船内に市街地と生活空間があり、ここで戦闘が行われる設定は、もともとフランスとの合作アニメ『宇宙伝説ユリシーズ31』の企画時に出たアイディアだった。しかしフランス側から承認されず没となり、新企画で改めて使うことになったものである。

タツノコプロが韓国への作画の外注を多用していた事もあり製作スケジュールが大変厳しく、またぬえのデザイン指示が大変に稠密かつ手間の掛かるもの(注・一応、動画用に細部の省略されたメカの設定書もあった)であったために、作画監督による修正が間に合わないことも多々発生した。第11話では「アニメーションというよりテレビ紙芝居」と揶揄される、動画抜きの作画になり、当時のアニメファンを驚き呆れさせた。最初の再放送ではある程度修正されたが、それでもまだ動画が足りない紙芝居状態であり、後にさらに動画が追加された。(海外版のROBOTECHでは修正済みのバージョンであった。)

このTVシリーズは当初3クール放映の予定であったものが、まず'82年5月に制作側に全23話への短縮の要請が出され、それに合わせて各話が製作された。しかし、放送開始後に玩具販売などの好調で延長が決定されたため元々のストーリーでは延長された話数を埋められず、回想編的な構成が提案されるもNGとなり、その二年後のエピソードが急遽製作された。そのため1~27話と28~36話では多分に趣が異なった作品となっている。ちなみに企画中の'81年の段階では、当初全52話(1クール毎に一本総集編を入れ、実質48話に短縮)、まだ大変なので1クール減らして39話に短縮、と変化している。

1990年代からのテレビ東京系での再放送においては、オープニングアニメーションが2頭身のメカとキャラクター(いわゆるSDキャラ)によるコミカルなものに差し替えられている。これはバンダイがスポンサーとなりSDキャラのプラモデルを販売するための再放送用に新たに制作されたもので、作画はIGタツノコ(現・Production I.G)が担当している。なおこのオープニングでは主題歌も短縮されたバージョンとなっている。

[編集] 以降への影響

『マクロス』は多様なファンの人気を集めたが、これまでの『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』といった人気作と大きく異なるのは、SFもしくはアニメーション等のファン出身である若いスタッフが多く参加して視聴者層と世代感覚を共有していたことである。キャラクターデザインの美樹本晴彦とメカニックデザイン・絵コンテ・監修を担当した河森正治は、本作で脚本デビューを果たした大野木寛らと慶應義塾高等学校からの友人であり、中心となって本作の企画をまとめた。平野俊弘板野一郎ら既にキャリアのあったアニメーターにアニメファンたちの注目が集まったのも本作がきっかけである。また、山賀博之は本作が演出家としてのデビュー作であり、庵野秀明も原画を担当した。山賀と庵野が制作に参加したのは、山賀と庵野がメンバーだったダイコンフィルムの自主制作アニメに平野、板野らアートランド所属のアニメーターが協力して知り合いになっていたという経緯による。これら若いスタッフたちにチャンスを与え、力を引き出したのが虫プロ出身でアートランド社長も務める監督の石黒昇である。

『マクロス』の成功は、河森正治を監督に抜擢した劇場用映画の制作、ビックウエストによる「超時空シリーズ」の開始(『超時空世紀オーガス』『超時空騎団サザンクロス』)、コンセプトを同じくするマクロススタッフ参加によるOVA作品『メガゾーン23』を産み出した。特に『メガゾーン23』はOVA初の大ヒット作品となり、「メカと美少女」というOVAの潮流の先駈けとなった歴史的な作品である。また、この作品の「恋愛」、「和平」、「古代文明の遺産」等のテーマに強い影響を受けて、後に『機動戦艦ナデシコ』のようなマクロスのオマージュリアルロボットアニメも多数生まれている。

また、忘れてはならないのが「バルキリー」である。実在する機体(F14トムキャット)に酷似した戦闘機がロボットへ一瞬にして変形するということは革新的であり、後のロボットアニメに強い影響を与えた。マクロス放映終了から半年後に製作された『聖戦士ダンバイン』では、途中から主人公メカとなった「ビルバイン」が戦闘機型に変形可能であり、二年後に製作された元祖リアルロボットアニメの続編である『機動戦士Ζガンダム』でも、Ζガンダムが戦闘機形態に変形可能である他、同じ様な可変メカが多数登場する。「バルキリー」は、リアルロボット群に変形ブームを巻き起こした革命機と言える。

このバルキリーでの戦闘に触発されたハリウッドでは、「トップガン」という映画が制作された。内容は海軍航空隊の若者たちがF14トムキャットで空中戦を繰り広げるものである。さらにこの「トップガン」の影響を受けて、日本サンライズで「機甲戦記ドラグナー」が制作された。

そのほか、制作スタッフの若手の一部が使用していた「御宅」という二人称呼称を本作の登場人物(一条輝)に使用させたことで、この呼び方はアニメファンたちの間に広まって使われるようになり、これが後のおたくという言葉(の用法)が広まる一因になったという説もある。

「マクロス」は同じタツノコプロ制作の『超時空騎団サザンクロス』や『機甲創世記モスピーダ』と同じ世界・同じ時間軸のストーリーとして再編集した"ROBOTECH"(ロボテック)の第一シーズン "THE MACROSS SAGA" として海外放映され大人気となり、現在まで続く海外での日本アニメブームの先駆けとなった。それ以前に輸出され人気のあった『宇宙戦艦ヤマト』や『科学忍者隊ガッチャマン』はひどく再編集されストーリーが全く異なり、暴力描写やメインキャラクターの死などがカットされているのに対し、ROBOTECHでは三作品を繋げるための設定変更やキャラクターの名前以外は、ほぼそのまま翻訳され放映されている。

[編集] 商品化

本放送時はタカトクトイスがスポンサーとなって玩具を発売。プラモデルはイマイ有井製作所が共同でシリーズを展開し、さらにニチモもピタバンシリーズでスポンサー参加と言う当時としてはめずらしい形態を取った。

玩具・プラモデルいずれもかなりの大ヒットを記録、82年の年末商戦では一部商品が品薄になるほどだった。また、主人公機の色変え・一部パーツ替えによる商品が、プラモのみならず玩具でも多種展開されたのは、当時としては特筆すべき事である。

タカトクの可変バルキリーは、アメリカ海軍のF-14に似た飛行機が変形する事もあり、厚木基地配属のパイロットたちが面白がって、日本土産としてよく買い求めていたそうだ。

タカトクはこのヒットに相当気を良くし、次作である『オーガス』でもヒットを期待して強気の生産体制をとり、さらには実在に近い形状のメカが不自然さ無くロボットに変形するコンセプトをある意味受け継いだ『特装機兵ドルバック』のスポンサーも務めた。その後、ストライクバルキリー等の劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(後述)の商品も開発するも、公開直前の1984年5月25日に1回目の不渡り手形を出し事業停止、以降金型を引き継いだバンダイがから発売されることとなる。

後にAMTアーテル社よりXB-70ヴァルキリーの1/72スケールのプラモデルが市販された際、日本国内にて代理店を通じて販売されていた物は、商品化の諸権利に基づくものか、ビッグウエストのシールが張られていた。実在の機種名称が、本作品の版権侵害になったものらしい。

2000年代に入り、現用戦闘機を始めとした所謂「スケールモデル」を販売していた長谷川製作所がキャラクターモデル参入第1弾としてVF-1バルキリーのファイター形態を発売し、以降各商品が発売されている。この商品はスケールモデルメーカーらしい、現用戦闘機に近いディテールが施されている。さらに株式会社やまとが、完全変形モデルながらバルキリーの各形態をプロポーションの破綻なく再現した、完成品モデルを展開している。

[編集] 著作権

本作の著作権を巡っては紛争が起きている。

制作会社のタツノコプロが、広告代理店のビックウエストと企画のスタジオぬえを相手取り、著作権はタツノコプロにあると主張して訴訟を起こしたが、実制作を担ったことが評価されて、映画の著作物としての権利はタツノコプロが所有すると認められた。

これとは別に、本作のキャラクターデザインとメカニックデザインを巡る裁判も起きている。今度は、ビックウエストとスタジオぬえが共同して、タツノコプロを訴えるという攻守が逆転した裁判だったが、こちらはタツノコプロが敗訴し、キャラクターデザインとメカニックデザインはビックウエストとスタジオぬえの共有であるとの判決が出た。

さらにタツノコプロは、『超時空要塞マクロスII』『マクロス7』『マクロスプラス』『マクロス ダイナマイト7』『マクロス ゼロ』などについて、同社の関与のないまま類似名称の作品が制作・販売されているとして、バンダイビジュアルやビックウエストを相手取り、名称の使用差止めと賠償を求める訴訟を起こしたが、申し立ては却下された。

[編集] ストーリー

西暦1999年、突如宇宙より飛来、地球(南アタリア島)に墜落した物体が異星人宇宙戦艦らしきものであったことをきっかけに、地球統合政府が樹立されている西暦2009年が物語の出発点。

宇宙戦艦は人類によって修復され、地球統合軍の宇宙戦艦SDF-1 マクロスとして進宙式を迎えようとしていた。進宙式の式典のさなか、月軌道上(?)に出現した異星人の宇宙船らしきものを、突如マクロスの主砲が自律的に稼動、撃破してしまう。この事件が、監察軍による「ブービートラップ」である事を艦長グローバルは直感的に察知し、宇宙戦争に巻き込まれた事を自覚する。意図せず異星人との交戦状態に突入してしまったマクロスは、発進を余儀なくされる。

進宙式を見学にきていた主人公や、周辺の市街地市民など多くの民間人を巻き込むかたちで、何故か単発的な攻撃しか仕掛けてこない異星人と交戦しながらマクロスは宇宙を旅することになる。

[編集] スタッフ

[編集] 主要キャスト

[編集] 地球側

[編集] ゼントラーディ側

その他はゼントラーディの兵士達を参照。

[編集] 放映リスト

放送日は原則としてキー局の毎日放送における日付(23・24話は裏送りで放映された同時ネット局での日付。毎日放送では選抜高等学校野球大会中継のため、この2話は4月9日に放映)。第1・2話は「マクロス・スペシャル」として午後1時から連続放送、第3話より毎週日曜日午後2時放送。第28話以降は放送延長回。

サブタイトル 放送日 脚本 絵コンテ 演出
1 ブービー・トラップ 1982年10月3日 松崎健一 石黒昇 高山文彦
2 カウント・ダウン 河森正治 高山文彦・津山義三
3 スペース・フォールド 1982年10月17日 山田勝久 康村正一
4 リン・ミンメイ 1982年10月24日 石黒昇 高山文彦
5 トランス・フォーメーション 1982年10月31日 富田祐弘 康村正一
6 ダイダロス・アタック 1982年11月14日 石黒昇 高山文彦
7 バイバイ・マルス 1982年11月23日 松崎健一 山田勝久 康村正一
8 ロンゲスト・バースデー 1982年11月28日 山田太郎 圓出漫
9 ミス・マクロス 1982年12月5日 富田祐弘 山賀博之
10 ブラインド・ゲーム 1982年12月12日 松崎健一 高山文彦 吉田浩
11 ファースト・コンタクト 1982年12月19日 富田祐弘 黒河影次 高山文彦
12 ビッグ・エスケープ 1982年12月26日 秋山勝仁
13 ブルー・ウインド 1983年1月9日 松崎健一 山田勝久 田中宏之
14 グローバル・レポート 1983年1月16日 - 石黒昇
15 チャイナ・タウン 1983年1月23日 松崎健一 知吹愛弓 高山文彦
16 カンフー・ダンディ 1983年1月30日 大野木寛 康村正一
17 ファンタズム 1983年2月13日 - 黒河影次 石黒昇
18 パイン・サラダ 1983年2月20日 星山博之 石黒昇 高山文彦
19 バースト・ポイント 1983年2月27日 富田祐弘 黒河影次 秋山勝仁
20 パラダイス・ロスト 1983年3月6日 松崎健一 山田勝久 吉田浩
21 ミクロ・コスモス 1983年3月13日 大野木寛 石黒昇 笠原達也
22 ラブ・コンサート 1983年3月20日 星山博之 秋山勝仁
23 ドロップ・アウト 1983年3月27日 大野木寛 康村正一
24 グッバイ・ガール 1983年4月3日 富田祐弘 高山文彦
25 バージン・ロード 1983年4月10日 三本家泰美 吉田浩
26 メッセンジャー 1983年4月17日 松崎健一 秋山勝仁
27 愛は流れる 1983年4月24日 黒河影次 石黒昇・笠原達也
28 マイ・アルバム 1983年5月1日 星山博之 石黒昇 高山文彦
29 ロンリー・ソング 1983年5月8日 富田祐弘 康村正一
30 ビバ・マリア 1983年5月15日 大野木寛 高山文彦 笠原達也
31 サタン・ドール 1983年5月22日 富田祐弘 秋山勝仁
32 ブロークン・ハート 1983年5月29日 大野木寛 山田勝久 吉田浩
33 レイニー・ナイト 1983年6月5日 星山博之 石黒昇 笠原達也
34 プライベート・タイム 1983年6月12日 大野木寛 西森明良 秋山勝仁
35 ロマネスク 1983年6月19日 富田祐弘 高山文彦
36 やさしさサヨナラ 1983年6月26日 河森正治 康村正一

[編集] ネット局

無印=同時ネット局 ※=時差ネット局 ○=フジテレビFNS)系列 ●=日本テレビNNS)系列 ▲=系列局があったにも関らず系列外の局で放送

[編集] 関連作品

[編集] 劇場作品

  • 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
    作品世界の中では「戦勝20周年を記念して作られた記念映画」、いわゆる劇中作と位置づけられており、複数の設定が変更されている。ただしTV版、劇場版のいずれも、マクロス世界での史実に基づいた物語という事になっており、「どちらかが正史である」という訳ではない。

[編集] OVA

[編集] 小説版

  • 井上敏樹 『超時空要塞マクロス 上・中・下巻』 1983年 小学館スーパークエスト文庫

[編集] ドラマCD

[編集] ゲーム

超時空要塞マクロス (ゲーム)の項を参照。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


TBS系 日曜14時台前半
前番組 超時空要塞マクロス 次番組
森繁対談・日曜日のお客様 超時空世紀オーガス
マクロスシリーズの作品
テレビアニメ: 超時空要塞マクロス - マクロス7
OVA: Flash Back 2012 - マクロスII - マクロスプラス - マクロス ダイナマイト7 - マクロス ゼロ
劇場版: 愛・おぼえていますか - マクロスプラス MOVIE EDITION - マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!
ゲーム: VF-X2 - トゥルーラブソング
漫画: マクロス7 トラッシュ
マクロスシリーズの関連項目
関連項目: シリーズ一覧 - ゲーム作品
 

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