蒸気船

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

蒸気船(じょうきせん)とは、蒸気機関を用いスクリュープロペラや外輪を廻すことより推進するのことである。蒸汽船汽船ともいう。重油ボイラーで発生させた蒸気タービンを駆動する艦船(戦艦大和など)や原子炉で発生させた蒸気でタービンを駆動する原子力潜水艦なども蒸気機関で推進するが、一般的に蒸気船とは石炭燃料とする古典的な艦船のことを指す。

目次

[編集] 歴史

世界最初の実用的な蒸気船は、1783年にフランス人であるクロード・フランソワ・ドロテ・ジュフロワ・ダバンによって作られた。

1788年2月1日に、アイザック・ブリッグスとウィリアム・ロングストリートによって、蒸気船の特許は取得されている。しかし、ロバート・フルトンが、1809年2月11日に改良設計した特許を取得し、商業的に成功した。 ロバート・フルトンは、外輪式蒸気船「クラーモント号」を開発し、1807年8月17日にハドソン川で試運転に成功したことでも知られている。

初期の蒸気船は、船の側面か後ろに石炭の力によって動く外輪を持った外輪船であった。この外輪船は、穏やかな河や海岸を航行するには適していた。しかし、外海を横断するには、外輪が波によって水浸しになったり、石炭を大量に消費するため船の大部分に燃料となる石炭を積む必要があったりといった問題があり、適していなかった。その後、給炭地の整備や蒸気機関の改良などによって外海を横断できるようになった。 19世紀の大半と20世紀の前半にミシシッピー川で行われた貿易は、外輪式蒸気船によって行われた。しかし、現在も残っている船は僅かで、殆どの船はボイラーの爆発か火災で消失している。

19世紀末、チャールズ・アルジャーノン・パーソンズによって蒸気タービンが開発された。 20世紀初頭まではレシプロ式の蒸気機関が建造されてきたが、第一次大戦後タービン式が主流となる。

蒸気タービンはレシプロ式蒸気機関に比べ振動が少なく、熱効率が高く高出力という特徴がある。レシプロ式では3段膨張式があったが、タービン式であれば蒸気の膨張を最大限に利用できるので優れている。タービン式は逆回転がレシプロ式に比べて難しいので通常、逆回転は行わず、可変ピッチスクリューで対応している。 レシプロ式機関は逆回転がしやすい為、港湾等で使用されるタグボートでは末期までレシプロ式が使用されていた。

ボイラーは当初、煙管式が主流であったが、高圧化が進むにつれ水管式が主流になる。水管式は高圧化が可能であるが、スケール(水垢)の付着を防ぐ為、供給する水の品質管理が煙管式よりも厳しい。使用した蒸気は凝縮器若しくは復水器を通して再利用する

[編集] 現在

オーシャンライナーの衰退や機関のディーゼル化、ガスタービン化が進み、一見、衰退したかに思われる蒸気船だが、実は多くの分野で建造され続けている。

  • LNG輸送船:ボイルオフガス(蒸発したガス)を燃料として使用されている。
  • 原子力空母:原子炉で発生した蒸気でタービンを回転させる。
  • 原子力潜水艦:

[編集] 有名な蒸気船

  • シリウス号(アイルランド) - 1838年、初めて蒸気機関の力のみを利用して大西洋横断に成功した蒸気船である。
  • サスケハナ号・ミシシッピー号(アメリカ) - 1853年7月8日、幕府に大統領の親書を手渡すためマシュー・ペリーが率いて浦賀に入港した蒸気船である。
  • 凌風丸(日本) - 1865年田中久重が佐賀藩にて国産初の蒸気船を建造した。木造の外輪式蒸気船であった。
  • ヴェガ号スウェーデン) - 1878年学者ノルデンショルドによって史上初めてシベリア沿岸の北東航路を制覇した蒸気船。1879年日本横浜港に寄港し、世界中にセンセーションをまき起した。
  • タービニア号 (イギリス) - チャールズ・アルジャーノン・パーソンズによって開発された機関を搭載した実験船。当初、海軍に購入を働きかけたが、海軍首脳部には蒸気タービンのレシプロ式蒸気機関に対する優位性が理解されず、断られた。そこで1897年ポーツマスで行われたビクトリア女王の観艦式において突然参加してデモンストレーションを行い、蒸気タービンの優位性をアピールした。
  • タイタニック号(イギリス) - 1912年4月15日、北大西洋航路で氷山に衝突し沈没した有名な豪華客船。推進軸3軸のうち両舷の2軸を高圧蒸気によるレシプロ式蒸気エンジンで駆動し、この蒸気エンジンの排気である低圧蒸気を蒸気タービンに導き中央軸を駆動する複式蒸気機関を採用していた。

[編集] 関連項目

ことばこって?

「ことばこ」は、歴史の人物から最先端テクノロジーまで、なんでも調べられるオンライン百科事典です。ウィキペディア財団が運営を行なっているwikipedia.orgから引用をしています。

おススメサイト
トラブログ
アレどう?
アフィリエイトB