侮蔑
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侮蔑(ぶべつ)は、他者を侮り、蔑み、馬鹿にして、ないがしろにする行為の総称である。敵対というより一歩距離をおいて哀れんで見下げている場合は軽蔑(けいべつ)と呼ばれることが多い。軽蔑の意図が薄く敵対的意図が強い場合は侮辱(ぶじょく)と呼ばれることが多い。風刺の意図が強い場合揶揄(やゆ)とも呼ばれる。
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[編集] 侮蔑と社会
侮蔑はされた側に強い不快感を催させ、敵意を起こさせる。このため、侮蔑行為は一般的に、明示的ないし暗黙に社会的に禁止されている。このため、侮蔑行為は秩序が乱れた社会か、さもなくば相当の怒り・敵意がなければ行われることはない。
[編集] 侮蔑と法律
日本では、侮蔑行為を直接に罰する法令が二つある。
また、差別に関して強制力は低いが障害者基本法やあらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約などが公布されている。日本国憲法をはじめとして特に労働関係の法令で差別の禁止事項があり、政令や告示等でセクハラなどの職場上の地位を利用した侮蔑行為が禁止されている。これらは労働基準局による一定の強制力を持つ。
[編集] 侮蔑と社会構造
社会的弱者や侮蔑の対象となる行為をしたものが、しばしば集団的に侮蔑の対象となることがある。特定の集団が侮蔑されることにより他の層から孤立し、そのことがさらなる侮蔑を生んで侮蔑される集団が固定化され、社会階層を形成することがある。このような場合を差別階級と呼ぶ。
[編集] 職業への侮蔑
本来なら、職業によって貴賎など決まるはずもない。どの職業も、生活の糧であることには変わりない。だが、日本ではブルーカラーを中心に、特定の職業が侮蔑の対象とされることがある。
[編集] 了解の下での侮蔑的行為
何らかの目的で、両者の了解の下に侮蔑的行為が行われることがある。
- 教育的目的で失敗した人などを叱咤する場合、欠点をあげつらう場合。特に職人や体育会系の場所、あるいは家庭でよく行われる。しかし、いずれの場合にも懲罰的かつ暴力的であるため、前者は時として体罰またはセクシャルハラスメント・アカデミックハラスメント、後者は虐待として問題視され、失敗をなじるより成功を誉めたほうがよいとする意見も広がっている。
- 笑いを起こすことを目的として、一定の了解とお約束にしたがって侮蔑的ないし自嘲的に見える行為を行う場合。芸人は職業的にこの行為を行う。人によって程度は異なるが、侮蔑的表現があまりにも過剰な場合笑えずに引いてしまうこともある。
[編集] 侮蔑の動作
- あかんべえ(あっかんべー)は、舌を相手に向かって出すことで相手を侮蔑する表現である。また片方の目の下まぶたを手の指で引き下げる動作が加わることもある。日本国内において広く通用するが、やや子供っぽい印象を与える。また少なくとも英語圏でも同様の表現があり、顔文字で:-Pあるいは:P(左を上に見て、:を目に見立て、-を鼻に見立て、Pを舌を出した口に見立てる)という表現がある。
- クルクルパーは、手の人差し指だけを立てて2回ほど空中に円を描きさらにすべての指を広げる動作で、相手の知能が足りないことを示す侮辱表現である。日本国内において広く通用し、年齢にかかわらず用いられる。言語的に「クルクルパー」ないし略して「パー」とだけ言っても同様の意味になる。また形容動詞としても用いることができ(例:あいつはクルクルパーだ)、その場合、道具がうまく機能しない場合などにも用いられる(例:車がパーになった)。いずれにしても最初のクルクルは勢いよく、動作が進展しながら、やりすぎて破局を迎える(パーになる)という擬態語であり、単純な知能劣位を表現しているのではないことは高度経済成長期に出現したことで理解が可能である。社会が高度化し、熱意の裏返しで不適合を起こす生き様が各所で見受けられ、庶民的感覚でこの表現が発生したのではないかと考えられる。「正直者=馬鹿」という発想と期を一にしているとも言える。
- 歯と歯茎をむき出しにして、お前など相手にしないなどの意を込めて「いーだ」という。
- 手の甲を相手に向けて手を握り、中指のみを突き出して見せる(男性性器の意)という方法は代表的侮蔑表現である。英語圏においてはファック(fuck)と同義とみなされる。米国文化が世界に広く知られているため、世界の多くの場所で通用する。敵対的で、周囲にも極めて不愉快な感情を与える表現である。
- 手を握り、親指のみを下に向かって突き出す行為(サムダウン)は、主にヨーロッパ文化圏で「死ね」を意味する表現で、極めて敵対的な侮蔑表現である。世界の多くの場所で通用する。敵対的で、周囲にも極めて不愉快な感情を与える表現である。
- 手を握り親指のみを立て、その親指で首を横になぞる行為も、主にヨーロッパ文化圏で「死ね」を意味する。「首を掻き切ってやる」という極めて敵対的な表現である。日本では解雇を意味する場合もあるが、これは「クビにする」からの発想だと考えられる。
- 中南米では、親指と小指だけを立てて他の指を曲げ手の甲を相手側に向けるのが相手を侮蔑するポーズである。これは、ヤギの角を示していると言われる。ヤギは弱い動物であると考えられているため、勇気がなく弱い相手であることを嘲笑する意味になる。角であることを分かりやすくするため、親指と小指を立てた手を頭の後ろに持ってゆき指だけが頭の上に出るように見せることもある。
- 両手の人差し指を立てて頭の両脇につける行為は、日本では“角(つの)が生え鬼になる”―「怒っている」事を示す行為で侮蔑の意はほとんどないが、中南米ではヤギの角(臆病者)の意味になり極めて侮蔑的な行為となる。
- 親指と人差し指で小さな円を作る動作は、日本では「OK」ないしコインの比喩から「お金」を表すが、世界中の多くの地域では女性器の意味になり、特に女性に対してこの動作を見せるのは相手を売春婦扱いすることになり、侮辱的であることがある。
- 笑いが侮蔑の表現手段となることもあり、この笑いは嘲笑(する)、せせら笑う、あざけるなどとも呼ばれる。笑いが侮蔑的意味を含むかどうかは多くの場合は前後の文脈などに依存する。嘲笑を文章で表現する場合、中立的な笑いの表現を流用することが多い。日本語では文末に(笑)をつけるなどの方法で表現する。より直接的に(苦笑)(嘲笑)などと書く場合もある。インターネットスラングでは(笑)の代わりにwを用いることもあり、この場合はwを続けてwwwなどと書くことで笑いの意味を強調している。英語ではインターネットスラングとしてlol(laughing out loud)が用いられ、lolololol..と続けて書くことで表現する。
[編集] 侮蔑に用いられる言葉
言語による侮辱表現は俗に悪口とも呼ばれる。侮蔑対象のいないところで侮蔑する場合、陰口と呼ばれることもある。しばしば公の場所からは排除され、俗語となっている。
[編集] 侮辱語
- 馬鹿・阿呆・間抜け、低能は、知能が低いことや人を表す語で、そのまま侮蔑表現として通用する。また、気違い、キ印も同じ意味合いを持つが、これは精神障害者への侮辱語でもあるので、馬鹿などとは違い差別的な意味合いも強い。尚、「釣り馬鹿」「野球気違い(野球キチも同義)」など、特定の物事に関して熱狂的な人にたいしても使われる。直截的な侮蔑表現を避ける意図からか、インターネット上では基地外・既知外などとあえて誤変換させる場合も多い。
- 下手は技術が劣ることを侮蔑する言葉としてよく使われる。語尾に辞を加え下手糞、下手っぴと言われることもある。類義語として青二才、半人前などがある。
- 他の侮辱語の前に接頭語として「ど」または「どん」をつける事によって侮辱の意味を強めることがある。ど下手、ど田舎、どん百姓など。
- 「助」などをつけて人名めかすことで、その人の特徴を侮蔑する。
- 侮蔑語の後に「野郎」などをつける事によってその人そのものの侮蔑をする事がある。馬鹿野郎、インチキ野郎、糞野郎、愚か者、卑怯者、○○○野郎(○○○の中にはいろいろな言葉が入るが、大抵は「大便」や「ウンコ」、あるいは性器の俗称などが入る)など。ただし、「盗っ人」など元々人を表す侮蔑語の場合は意味の強調になる。
- 名詞に「糞」「腐れ」などを前置する。
- 「カス」や「クズ」は、「社会のためにも人のためにもならないゴミのような人間」という意味がある。「がき」や「ちび」は、相手が子供(またはそれに同類)であることを馬鹿にする表現である。また、「~ども(め)」は、侮蔑の対象となるものが複数の場合に用いられる。
- 宗教的・精神的な意味で嫌悪を表現する場合、「汚らわしい(穢らわしい)」という表現が使われる場合がある。この「汚れ」は物理的というより観念的な「穢れ」の意味である。仏教に関連して明確化した概念であり、キリスト教圏などでは同様の侮蔑で罪の概念を用いることが多い。
- 「~のくせに」「~の分際で」など、存在を全否定する。
日本語は日常会話で極端な侮蔑語を発することが少ない言語で、むしろ「大根」「こんにゃく」など婉曲な侮蔑語が多い。しかし外国語では日常会話でさえビッチ(bitch)〔風俗嬢〕、バスタード(bastard)、マザーファッカー(motherfucker)〔臆病者〕、アースホール(arsehole / asshole)などを連発する英語、セッキ(새끼、ガキ)、ケーセッキ(개새끼、犬ころ)、シッパル(씨팔、性器を指す)を連発する韓国語など極めて豊富な侮蔑語彙をもつものがある。
[編集] 侮蔑の動詞
敬語と同様に動詞に特別の助動詞を加える、別のことばを用いるなどの方法で侮蔑の侮意味合いを表現することがある。敬語とは逆に、相手を貶めるか自分を持ち上げる表現をする。
- 相手を貶める表現を使う。
- 「~やがる」「~くさる」など侮蔑の助動詞を接続する。
- 「死ぬ-くたばる」「食べる-食らう」「言う-ぬかす/ほざく/こく」など、別のことばを用いる。
- 被害妄想の感を伴う場合もあるが、相手の言動に対して「おちょくる」「なめる」「ふざける」など激しく非難する。
- 尊大語を用いる
- 「ごめんあそばせ」「~をば」など高慢な表現を用いる(女性のみ)。
[編集] 差別語
[編集] 蔑称
蔑称(べっしょう)とは、特定の人物や、特定の特徴をもつ人や物事を蔑んで(馬鹿にして、見下して)呼ぶ言葉である。特に、別に正式名称のある場合の別名をこう呼ぶ。
社会的立場が弱い人に対して使われる蔑称は差別語とされ、排除の対象になることがある。しかし、差別語の排除が過剰である場合、それを言葉狩りという蔑称で揶揄することもある。
社会的立場が平均的ないし強い人に対して使われる蔑称は揶揄として取り扱われる場合が多い。
現代では「お前」は敬称ではないが、親密な相手に使われる場合もある為蔑称とも言い難い。しかし、目上の人や全くの他人に使うと蔑称となる。
[編集] 一般的な蔑称
- 小僧は年少の僧侶ないし奉公人を指す言葉だが、現在ではもっぱら年少者に対する蔑称として用いられる。呼掛け語として用いられる場合が多い。子供に対する蔑称としては、他に餓鬼(ガキ)・砂利・こわっぱ・わっかなどがある。
- ジジイ、ババアは老年の男女を罵って呼ぶ言葉であり、基本的に蔑称である。丁寧に呼ぶ場合は「おじいさん」「おばあさん」「御老体」を使うとよい。儒教圏に含まれる国々では高齢者を侮辱することはタブーとされている。欧米のメディアにはこのように高齢者をからかう場面が多々見られるが、日本や韓国ではまずありえないといっていいだろう。TBSラジオで毒蝮三太夫が観覧に集まったお年寄りをクソジジイ・クソババア呼ばわりして笑いをとっているのは、生放送の帯番組で20年以上にわたり高齢者に対する想いを参加者と共有してきた土壌があってこそ成立する芸であり余人に真似のできない例外的蔑称用法と理解される。
- おっさん、おばはんは中年の男女を罵って呼ぶ言葉である。おじさん・おばさんが正しい言葉であるが、これらも文脈によっては蔑称となるので注意を要する(年齢、年代を指摘することが侮辱にあたることがある)。ただし、「おっさん」は関西圏を中心に、行動がおじさんくさい人に対しても使われる事が多い。また、「大阪のオバチャン」という場合は「元気がある」、「図太い」ことの代名詞になる。さらには、小中高生が20代の人をおじさん・おばさんなどと呼ぶケースさえある。
- 上記と同じ意味でオヤジ(親父ではない)もあるが、他人の中年女性を「オフクロ」とは呼ばない。「オヤジ」の語が侮蔑の意を帯びだしたのは1990年代以降のことであり、それ以前は「おっさん」が1990年代以降の「オヤジ」に相当する侮蔑表現だった。オヤジの前に侮蔑表現をつけた「変態オヤジ」などの複合語はそれ以前から侮蔑語として使われていたが、単独での使用が侮蔑表現となることはかつてはなかった。
- 自分は物事を良く知っていると錯覚したものが他者に対して、「よく勉強してください」等と言う場合、遠回しに「お前はどうせこんな事も分からない馬鹿(低脳)なんだろうが。」と言っているのと同義である。
[編集] 特定の思想・宗派に対する蔑称
- アカ(紅、Red)は共産主義者への蔑称。
- 非国民、国賊は、日本においては戦前の大日本帝国の体制に対して批判したり、非愛国主義者、変革を求める者に対する蔑称。転じて、現代でも日本の伝統的な物事を変革しようとする者(左翼・過激派等)に対する蔑称として使われることもある。
- 反日は、現代の日本において、主に保守派が、政治思想・国益観の違う者に対して、日本の国益に反するとして非難・侮蔑する際にしばしば用いられる。近年では韓国・中国・北朝鮮のことを「反日国家」と呼ぶケースが多い。
- 売国奴は私益を図るという目的から、自国を害し他国を利する者のことを指す蔑称。法的にも最大限の非難を加えられる行為とされ、売国行為により日本国への武力行使をもたらしたものに対しては外患誘致の罪に問われ、必ず死刑が適用される。
- フェミナチは、フェミニストやその共感者への侮蔑語。人工妊娠中絶をホロコーストと同一視することによって、フェミニズムとナチズムを強引に結びつけたもの。フェミ、フェミナチストとも称される。アメリカ合衆国で生まれた表現で、日本では一般に使われることは少ないが、インターネットの掲示板などでは広く使用されている。
- キリスト教徒への侮辱として耶蘇(ヤソ)と呼ぶ事があったが、近年はあまり使われない。なお、耶蘇はイエスを音訳したもの。
[編集] 集団や職業に対する蔑称
[編集] 「**屋」
- 特に本来「屋」がつかない名称の職業を「**屋」と呼ぶ場合、一般的には特定の職業を安っぽく軽んじて呼ぶ場合、ないし金銭にあざとい人への蔑称として用いられることがある。
- 「政治屋」は政治家の蔑称で、特に金権政治に対する揶揄として用いられる。
- 「ブンヤ」は新聞屋の略で、新聞記者などマスコミ人に対する蔑称である。主に戦前に用いられた。同義語としては一部のジャーナリストが使いまたインターネット上を中心に用いられる「マスゴミ」などがある。類義として「トップ屋(正社員でないフリーランスジャーナリスト)」。
- 行政書士を「代書屋(もしくは書き屋)」と蔑視する事も。書類を作成する以上の行為は法で禁じられている事から。
- 公務員やサラリーマンも大きく分類すると事務系と技術・技能系に分けられ、それぞれが「事務屋」・「技術屋」と呼ばれることがある。自身と同じ職種の者を「**屋」と呼ぶことは自嘲になるが、事務系職員が「技術屋」と相手を呼んだ場合は「視野が狭く自分の殻に閉じこもって融通が利かないため専門分野以外の知識に疎く、他の職域では使えない奴」、反対に技術・技能系職員が「事務屋」と相手を呼んだ場合は「快適な部屋の中で数値化された結果だけしか見ず、何でも規則で縛って現場の実情を何一つ知らない奴」という意味などで蔑称になる場合もある。
- 技術者(エンジニア)に対して技術屋(メカニック)と呼ぶ。これは技術者自身も使う表現だが、上記と同様に事務職員(事務屋)が使った場合侮蔑と受け取られることがある。
- 畜産農家に対し、「牛屋」・「豚屋」・「鶏屋」を用いると蔑称になることがある。ただし、その農家に対して技術指導などの目的で日常的に出入りしている獣医師や農業改良普及員が「さん付け」で用いる場合には特に蔑称になることはない。
- 先物取引業者を「豆屋」、証券会社を「株屋」、銀行・銀行員を「銀行屋」と呼んで蔑む場合もある。
- 清掃作業員が「ゴミ屋(もしくはクズ屋・バタ屋)」と呼ばれる例は多い。
- 例外的なものとして、映画関係者達が自らを「カツドウヤ」と呼ぶことがある。これは映画の旧称「活動写真」に由来するが、彼ら自身が自らの職業に誇りを持って用いる呼称であるため蔑称には当てはまらず、外部からこの呼称が使われることも殆どない。また地方整備局の河川事務所職員が自らを「川屋」、国道事務所職員が自らを「道屋」と称する事がある。
- 主にヒット曲が1曲だけで、それ以外はあまり日の目を見なかった歌手を「一発屋」と呼ぶことがある。多くのヒット曲を出していても、NHK紅白歌合戦での出場が1回だけの歌手についてもそう呼ばれる。また2曲ヒットした人を「二発屋」、売れた曲がない歌手について「無発屋」と呼ぶこともある。
[編集] 「**医者」
- ヤブ(藪)医者
- タケノコ(筍)医者 : 「ヤブにもならない」という事から、非常に酷い医者を指す
- 町医者 : 大病院(大学病院または総合病院)の医師が、中小の医院や診療所を営む開業医を蔑んで言う。ただし、開業医が自嘲して言うだけでなく、「患者の立場にたち、地域の実情に合わせた医療を目指している」という意味で、むしろ誇りを持って言う場合もある。
- 「町**」の形では他に中小企業(下請けを含む)の零細工場に対して「町工場」と呼ぶ。
- 風邪医者:ほとんどの患者が風邪であることから(内科)開業医の例えとして用いられる場合がある。
- 医師の一部には動物が人間よりも価値が低い存在と捉え、獣医師に対して蔑みの意味を込めて「**医者(「犬医者」など、**に特定の動物名が入る)」と言う者がおり、これはその道に進んだ者を「医者のなり損ない」などと侮辱した例である。しかし、現在の獣医療技術や各獣医大学の偏差値は医師のそれと比較しても何ら遜色なく、大学即ち獣医学部の人気を示す入学試験倍率においては医学部をはるかに上回るようになっている。
[編集] 職業の蔑称あれこれ
洗い場・皿洗い : いかに優れた料理人でも、最初は皿や鍋を洗う事から勤務が始まる。しかしながらこれが激務の割に低給であることから、蔑まれたり、アルバイトでもウエイターやウエイトレス(給仕)を希望する場合が多い。
給仕 : かつてはウエイター(男性)、ウエイトレス(女性)。現代は男女ともフロアスタッフまたはホールスタッフと言い換えるのが望ましい。また対象を男性の従事者に限り、ホテルやレストランにおいてボーイという表現が使われることもある。
漁夫・漁師 : 前者は「漁夫の利」という故事成語のみに残るが、後者は今でも漁業に携わる人が誇りを持って自称する場合も。
雲助 : 現代ではタクシー運転手に対する蔑称。→別項を参照。
小使いさん・用務員 : 小学校等において清掃を含む施設の保守・点検、各種物品の仕分けといった雑務を担当する技能系職員に対する蔑称。現在では「校務員」と称される例が増えている。
産婆 : 助産師(旧称助産婦)に対する蔑称。年寄りでなくとも若かろうがこう呼ばれていたようである。
- 三百代言
- 弁護士に対する別称。日本では弁護士の制度が江戸時代から存在し、彼らは代言人と呼ばれていた。一回三百文で代言を引き受けていたことから。
- 鳶職
- 気性が激しい人が多いとされ、その筋の者がサイドビジネスでやっていることが少なくないらしい。
- 泥棒
- 公務員に対する税金泥棒、サラリーマンに対する給料泥棒という蔑称がある。ただしこれは、「能力や実績に見合わない高い給料を取っている者」という意味であるため、全ての公務員やサラリーマンに該当するわけではない(一方で、当然ながらどのような職域にでも存在する)。
- 土方
- 多くの場合、土木工事あるいはそれに従事する労働者のことをさすが、しばしば単純労働者への蔑称として用いられる。派生例として、プログラマの隠語で過酷で単純な労働に従事する企業プログラマのことを頭脳土方、デジタルドカタ等と呼んでいる例がある。
- 百姓・農民
- 百姓は江戸時代以前から用いられ、農業に携わる人が誇りを持って自称する場合も多い。「お百姓さん」は侮蔑とはされないが、「百姓」や「どん百姓」は昭和に入ってから蔑称とされ、農民と言い換えられた。現代では農家または農業従事者と言い換えられることがある。
- 犬殺し
- 行政機関にて引き取られたペット動物の処分、及び野犬の捕獲に従事する動物保護センターの技能系職員に対する蔑称。
- 売女
- 売春をする女性、または貞操観念の低い女性などに対して用いられることがある蔑称。
- 企業に対する蔑称は、ネットスラングとして数多く存在する。日本語圏では同音異義語を使った侮辱が頻用される。2典Plusでの検索結果(キーワード:蔑称)
[編集] 特定の集団、個人の思想・趣向に対する蔑称
- 快活な女の子の意であるが、1990年代以降はどちらかというと尻軽女、または遊び癖のある女子の意へと変化していった。コギャルが援助交際などに手を出したことが原因か。
- 日本では不良少年・不良青年・暴走族の蔑称として用いられることが多い。もとはアメリカ東北部にすむ人、ないしアメリカ人全体の自称または他称であるが、古く暴走族のトレードマークといえば、絶壁のようにそびえ立たせたリーゼントであり(エルビス・プレスリーの影響か)、アメリカ人の象徴でもあった。これがいつごろからか暴走族以外の不良青少年に対しても使われるようになった。1980年代に連載されていた漫画「ヤンキー烈風隊」もこれに由来。ちなみに、他の呼び方に愚連隊(元は暴力団の一種を指した)、その予備軍たるガキ大将(ただしいじめっ子のほかに昔ながらの子供たちの絆を言う場合も)など。不良少女の別称はかつてはズベ公(老人語)、スケバンなど。暴走族のうち女子メンバーまたは女子のみのチームはレディースと呼ばれる。
- 関西地方においては「~やんけ」という接尾語を用いる大阪東部の河内地方に不良少年が多かったとされることから、同地域の出身者やそれに類する若者たちを「ヤンキー」と呼び始めたという説も根強く信じられている。
- ある特定の事物に熱中し、また特に社会的コミュニケーション能力に欠ける人を蔑むときに用いられる。かつてその種の若者が好んで使用した他人行儀で慇懃な二人称に由来する中森明夫の造語である。より蔑む場合は、オタ・ヲタク・ヲタという表記を用いることもある。例としては、アニメオタク(アニヲタ)、アイドルオタク、鉄道オタク(鉄ヲタ)、モーニング娘。オタク(モーヲタ)などがある。
- 上記の「オタク」とほぼ同義語として用いられる。鉄道マニア、軍事マニア、無線マニア、SMマニアなどの用法がある。しばしばオタクとマニアではどちらの方がまっとうか、コミュニケーション能力が優れているかという五十歩百歩の論争が繰り広げられる。
- 現在でも仲間内では単に「やおい好きの女性」という意味で広く使われるが、インターネット(特に2ちゃんねる系の電子掲示板関連のサイト・ブログに多い。)では侮蔑的に使われることも少なくはない。そのため、女性オタク全般あるいは男性に対して批判的、もしくは男性受けの悪い女性ネットユーザーへの蔑称としてオタク同様、誤った形でメディアでは広まっている。また、一部で「腐女子」の語は2ちゃんねるが発祥だという噂が流れているが、実際は2ちゃんねる誕生以前、一般にインターネットが普及する以前から使われていた語であり、信憑性はない。同人女も同様で、皮肉めいた含みで使われることもある。なおメディアなどで腐女子に人気があるとされる池袋の乙女ロードはやおい要素の少ない乙女ゲーム(乙女系)が由来である。本来、女性オタク全般のことは「乙女系」または単に「乙女」と呼ぶ。近年では腐女子の誤用の広まりに伴い、そうではないヘテロ好きの女性を指し「夢見乙女」と自称する女性オタクも存在する。(夢小説を参照)
- 「ファン」は、上記「オタク」「マニア」に比べて、より健全な趣味人を指すが、しばしば自分の関心事でないものにどうしてそんなに興味を示すのかと皮肉の意を込めることがある(例:「もしこのまま優勝できればファンはさぞかし喜ぶんだろうな」)。また、鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」の読者の間で、一時期、「鉄道ファンにはマナーが悪い人が多いので別な呼び方が多いのでは」という議論がなされたことがある。しかし同誌と性格は異なるが「鉄道ファン」という雑誌があることだし、一部の心無い者の行為であるとして、沈静化したとか。
- 「フリーク」は、どちらかといえばその中間的なポジションとして捉えられる場合も。
- 「**バカ」・「**キチ」
- 職業をはじめとするある特定の事物に熱中する性格や行為そのもの、もしくはそれ以外の分野の知見に乏しい人を蔑むときに用いられる言葉である。例として野球バカ、低脳馬鹿、空手バカ、釣りキチなどがある。ただし良く言えば「プロも青ざめる**の専門家」という解釈の仕方もでき、「オタク」ほどの蔑称ではない(上記侮蔑語を参照のこと)。また、阪神や中日のファンをそれぞれ「トラキチ」「ドラキチ」というが、これは自称であり、基本的に蔑称ではない。
[編集] 地域に対する蔑称
- 部落
- 「部落」自体は元々集落を意味する単語だが(東日本では現在もこの意味で使われる)、部落問題において、被差別地域を中立的表現に置き換える際「特殊部落」と名付けられたことから、九州から静岡県にかけての地域ではそれら被差別地域に対する蔑称として受け止められる。したがって、現代では地区・集落(地域共同体としては自治会・公民会)と言い替える例が多く見られる。
- 関東地方の各地域に対する蔑称
- ダ埼玉(ダサイタマ):埼玉県およびさいたま市を侮蔑する語で、「ダサい」と「埼玉」の合成語。類義語として、クサイタマがある。
- バ神奈川(バカナガワ):神奈川県を侮蔑する語で、「バカ」と「神奈川」の合成語。
- ヨコハメ・雑魚ハメ:横浜を侮辱する語。元は清水アキラが行う五木ひろしの物まねのフレーズから来ている。「雑魚」に変化したのは地元のプロ野球球団が雑魚キャラのように弱い(特に2002年・2003年において)ため。
- 千葉県に対しても、「だちば」や「いもちば」という語がある外、選挙の度に買収・饗応行為が多発し、逮捕者を多数出した事から、自嘲を込めて金権恥場という表現が使われた。
- 倒壊村:茨城県の東海村を侮蔑する語で、「東海」と「倒壊」と掛け合わせた語。
- ネット上では、茨城県がイバラ菌と侮蔑され、宇都宮市が鬱の宮と侮蔑されることもある。
- チバラギ:「ちば」と「いばらぎ」(正しくは「いばらき」だが、しばしば誤読される)の合成語で、千葉県と茨城県を揶揄する語。「ちば+いばらき+とちぎ」として栃木県を加える説もある。外に「ちば」と「イバラ菌」を合成したチバラ菌もある。
- 群馬県と埼玉県を合成したグンタマ(群玉)、更には北関東4県(と千葉県を加えることも)を一緒くたに嘲るグンタマトチバラキなどがある。
- 関東地方以外の地域を侮蔑する語
- キム沢:金沢市を侮蔑する語で、「金」を「キム」と読ませて侮蔑する語。
- 沼津食わず:沼津市を侮蔑する語で「沼津」と「飲まず食わず」の合成語。類義語に「ぬまっき」があるが、これは沼津市内に実在した某私立高校の略称が発祥と言われ、インターネット上のスラングとして使われている。なお、鉄道の沼津駅が由来であると言う説もある(→鉄道路線や駅・施設に関する俗称#な行を参照)。
- 滋賀作:滋賀県を侮蔑する語で、「滋賀」と「田吾作」の合成語。
- ヲ奈良:奈良市や奈良県を侮蔑する語で、「奈良」と「おなら」の合成語。
- 死酷:四国を侮蔑する語で、「四国」の語呂合わせで「死ぬ」と「酷い」を乗け合わせて「死酷」と侮蔑されている。
- 吸収:宮崎県知事の東国原英夫は、就任して最初の県議会で道州制について質され、「このままじゃ宮崎県は吸収合併」と駄洒落を交えて答弁したことがある。
- 海なし県にうまいもんなし(少なし):海洋国家・日本でありながら、本州中央部に8県存在する、海に面しない県の食文化に対する悪口。内陸は沿岸に比べて食文化が発達しなかったためで、特に近畿地方では、奈良県や滋賀県の食文化に対しての侮蔑に使われる(近江牛ブランドが全国区になってから、滋賀県の食文化に対しての侮蔑は少なくなったが、奈良県に対してはいまだにある)。又、海を持たず、面積の8割を山が占める山梨県では「海なし、山あり」というのが漫才ネタに使われやすい。
- お上りさん・田舎者・倒狂・東京者
- 地方から、首都である東京都区部(旧東京市)へ来た人を指して「お上りさん」「田舎者」という語が使われ、これには東京都区民の地方に対する侮蔑意識が含まれていた。逆に、都会から地方へ転入して来た人間を地元住民が蔑む言葉として「都会もん(者)」「よそもん(他所者)」などがある。
- 首都である東京都区部に対しては、「とうきょう」の音を借りた「倒狂」「頭狂」といった蔑称や、「東京者(トーキョーモン)」という侮蔑的な呼び方も存在する。
- 裏日本
- 1970年代前半まで、太平洋側の地方は表日本、日本海側の地方は裏日本と呼ばれた。これは明治以来使われて来た地理学用語であったが、太平洋側が優位な経済発展の過程で、日本海側に対する蔑称としての意味合いが強まり、新潟県選出の田中角栄が政権を握っていた時代に、表日本を太平洋側に、裏日本を日本海側に改称したため、現在では使われていない(学問上で使ったり、年配の人が使う事はある)。
- 他にも元来は純粋な地理的呼称である「裏」や「奥」・「下」といった呼称を、侮蔑的だと捉えることが少なくない(例:奥多摩など)。かつては、富士山の静岡県側が「表富士」と呼ばれたのに対し、山梨県側は「裏富士」と呼ばれたが、侮蔑的だとして、現在は「富士北麓(富士五湖)地域」や「富士山北麓」などと呼ばれる。一方で裏磐梯、奥日光、奥出雲など、秘境的なイメージを売り物にするため、これらの呼称の使用を厭わない地域も存在する。
- 山陰
- 中国地方では古くから、瀬戸内海側を山陽と、日本海側を山陰と表現してきた。元来、中国語で「南側」を「陽」、北側を「陰」と表現していたことに由来するものだが、気候などのイメージが加わって「陰」の字に否定的なイメージが持たれるようになったため、山陰2県と呼ばれる島根県と鳥取県では、山陰を「北陽」という名称に変更する運動があった。
- ズーズー弁
- 東北地方に対しても蔑称はあるが、人や地域によって区々で、全国共通の物は少ない。ただ、コントなどで東北の方言(ズーズー弁)を真似した語を発して、嘲笑の対象とすることが多い。ただし、これは江戸落語形成の過程で田舎者の役を演じる際、特定の地方を連想させないために、栃木弁や茨城弁、福島弁など、東北と関東の接点地域の方言を混ぜ合わせた、どこにも存在しない方言を作って用いて来たため、これを範としてコントなどでも常総系や東北系の方言が田舎者の象徴のように用いられていると推察される。この他、福井弁・宮崎弁などにイントネーションが殆ど無いことを逆に特徴としてポジティブに使っていこうという傾向も見られた(例:モーニング娘。の高橋愛、0930など)。
- 逆に、一部地域の若者は方言になじめなかったり、ダサいと決め付けてしまっているふしがあり、イントネーション自体は標準語からかなり遠いものの、標準語にかなり近い言葉を使う。これを年配者は「ひょうずんご」と言ってからかうことがあるようである。
- 陸の孤島
- 陸続きであるにもかかわらず、交通機関・道路網の未発達で隣接する地域から取り残されている状態を、離れ小島に例えた語である。
- 特に九州・中国地方の交通網の整備状況は大都市を中心に進められている部分があり、山陰地方は高速道路が開通して便利になったが、21世紀に入ってからも、東九州は交通の便が悪く、特に宮崎県はかつて「陸の孤島」と呼ばれたことがある。やっと東九州自動車道・九州横断自動車道(延岡線)の施工が決まったものの、全通はずっと先の話で、九州新幹線の日豊ルートはおろか日豊本線の高速化・複線化すら不要だとされ、航空便が最も便利であることから、宮崎県の交通事情に対するジレンマの表れといえなくもない。
- その他
- 北部九州では、福岡県から長崎県への通過点である佐賀県に対して偏見がまま見られる(佐賀県出身のお笑い芸人兼歌手はなわが、その名もズバリ「佐賀県」という曲で郷土に対する偏見を歌っている。
- 近畿でも、中部地方への通過点である滋賀県への偏見が見られる。滋賀県は高校野球大会では春秋ともに近畿勢で唯一優勝したことがないこと、先述のように内陸県であること、佐賀県や千葉県と聞き間違えられやすいのが原因のようである。
- 四国では、徳島県への偏見が見られる。大鳴門橋・明石海峡大橋が開通したことで、かえって関西への通過点としての色合いが強まり、阿波踊りくらいしか自慢できるものがない(むしろからかわれることも)こと、また福島県や鹿児島県の離島徳之島、山口県の都市であった徳山市(現・周南市)と聞き間違えられやすいことなどが原因のようである。
- 2000年代の中盤まで、全国的に合併特例法に基づく平成の大合併が相次ぎ、地方の中小自治体の象徴ともいうべき「大字」が廃止された事例が少なくない。しかしながら、合併ではなく自立の道を選択した自治体を中心に依然として大字が残っており、これがいわゆる田舎に対する侮蔑の対象になる場合がある。
[編集] 人種や民族に対する蔑称
以下は人種差別に関する代表的な語彙であり、ヘイトスピーチとみなされ公共の場での発言は著しく忌み嫌われる。
- 日本人に対する蔑称としてはジャップ、あるいはニップ(フィリピンで使われる)がある。もう少し広い意味でのアジア人に対してはイエローモンキー(主に欧米人が使う)ともいうが、後者は韓国人や北朝鮮人も、日本人に対する侮蔑の言葉として好んで用いる。また、「島国」なども韓国・朝鮮人の日本に対する罵倒文句としてよく使われるが、日本人には特に侮辱とは捉えられていない。
- 中国では日本・日本人を蔑するときに使う蔑称として「日本鬼子」(リーベンクイズ 日本軍が“日本鬼(リーベンクイ)”と呼ばれていた事から)や、「小日本」(シャオリーベン)が、また韓国・北朝鮮では「チョッパリ」(쪽발이、豚足野郎の意。足袋を豚の蹄に見立てた表現)や「ウェノム」(왜놈、「ウェ」は日本の古名「倭」より。よく漢字で「倭奴」と書いて「ウェノム」と振り仮名を振ることがあるが「ノム」は朝鮮語の固有語であって「奴」の訓ではない)が使われる。
- アメリカおよびアメリカ人に対する蔑称としてメリケンがある。かつては普通にアメリカを指す語として用いられていたが、現在では侮蔑的な意味合いが大きい。ヤンキーは、アメリカ東北部に住む人、ないしアメリカ人全体の自称または他称で、自称である場合は自尊的に用いられるが、アメリカ以外の国ではアメリカ人に対する尊称だったり蔑称だったりとまちまちである。グリンゴは主に中南米でアメリカ人を蔑むときに用いられる。また戦前の日本では「アメ公」「鬼畜英米」、共産党政権下の中国では「美帝鬼子」などの蔑称が政策的標語として掲げられている例もある。
- ニガーは、主にアメリカにすむ黒人に対する侮蔑語。また、黒人同士でニガーと言い合うのは兄弟という意味合いがあるため、侮蔑というよりは自嘲に近いものがあるのかもしれない。中国語のひとつ、広東語では黒人に対する侮蔑語として「黒鬼」(ハッグワイ)がある。日本では「クロンボ」がそれにあたる。
- 日本語における欧米人に対する蔑称としては「毛唐」がある。ほかにロシア人に対するロスケ(“露助”より。露助は「ロシア人」を意味する「ルースキー」の音訳で当初は蔑称ではなかった)、アメリカ人に対するアメ公、イタリア人に対するイタ公など。
- チーノは、ラテン系言語で中国人を意味する一般語彙であるが、中南米では中国人の蔑称として使用されている。また、時として東洋人全般を蔑むのにも使用される。
- チン、チャン、チョンは、中南米において東洋人全般を蔑むときに用いられる。チョン(チョン公)については日本でも、韓国・朝鮮人(特に朝鮮人)への蔑称として使われる。日本での語源は「朝鮮」を日本語読みした「チョウセン」および韓国・朝鮮語読みの「チョソン」(조선)を短縮したものという説、「総角」(총각、チョンガク。日本では「チョンガー」と発音されている)に由来するという説、「朝鮮高校」を略した「朝高(ちょうこう)」が「チョン公」に訛ったという説などがある。「チョウセンマツタケ」「チョウセンアサガオ」「チョウセンハマグリ」などは正式名だが、これらから転じて「チョウセンベンツ(マツダ・ルーチェ)」「チョウセンポルシェ(マツダ・RX-7)」など、まがいものや正統性に欠けるとの評価に基づいて接頭語として用いられることがある。
- 三国人(第三国人)は、戦後にGHQが朝鮮、台湾など日本の旧植民地を「Third Nations(決して敗戦国ではないが、戦勝国にも数えられない第3の国)」と呼んだことから生まれた呼称である。当初は自ら「三国人」と自称し、敗戦国民である日本人と差別化するために積極的に使用していた時期もあったが、戦後の混乱期に日本人との間で強い摩擦を生じていくうちに、いつしか侮蔑の意味合いが加わり、在日韓国・朝鮮人に対する蔑称として認識されるようになった。類義語にザイニチがあるが、今のところはまだ三国人ほどの侮蔑のニュアンスはないようである。
- 第二次大戦前には、朝鮮を「鮮」、朝鮮人を「鮮人」と呼び習わしていた。「内鮮一体」、「不逞鮮人」などの使い方がされ、戦後も1965年の日韓国交正常化までは、韓国、北朝鮮をそれぞれ「南鮮」「北鮮」と呼んでいた。頭文字の「朝」ではなく「鮮」を取ったのは、「朝」が「朝廷」と同じ字であるという理由で、侮蔑の意図をもって「鮮」の使用を奨励したためとされる。
[編集] 各国の慣習・思想などに対する揶揄
揶揄の当該項を参照されたい。
[編集] 特定個人から派生した蔑称
- 昔から、その当時の有名人に対して蔑称が付けられる事が多く見られる。
- 本人の名前が蔑称として使われる場合もある。
- 水死体の代名詞だが、山東京伝によれば江戸時代の力士「成瀬川土左衛門」の体格が水死体のようであったことが語源とされる。
- 覗き行為の代名詞となっているが、これは「出歯の亀吉」こと池田亀太郎が語源となっている。最近では2ちゃんねらーを中心に田代まさし(タシロ・タシーロ)が覗き・盗撮の代名詞として取り上げられた事が挙げられる。
- 立ち居振る舞いや身体的・精神的な変化をして侮蔑語が作られることもある。
- 江川る・伊良部る
スポーツ選手から来た侮蔑語には次のような言葉がある。
- 「イチロー」は、浪人生(一浪)に対する侮蔑であり、受験生の間では「滑る」「落ちる」「どこにも引っ掛からない」などと同様、忌み言葉として受験が終わるまで敬遠される。
- 「江川る」は、元東京読売巨人軍の投手・江川卓が動詞化した言葉である。「傍若無人な振る舞い」を侮蔑した言葉。
- 「伊良部る」は、元プロ野球選手の伊良部秀輝が動詞化し、偉ぶることの変形である。
- りえ痩せ
- 一時期、人気女優の宮沢りえが婚約までしていた貴乃花関(現貴乃花親方)との破局後、CDをリリースするも鳴かず飛ばずで、心労のため著しく体重が減少したことがあった。これを当時の4大女性週刊誌(週刊女性、女性自身、女性セブン、微笑〔現在は廃刊〕)が挙って採り上げ、表題でりえ痩せと称したのであった。これが他の女性有名人の激ヤセにも用いられた。そもそも激ヤセという言葉自体が立派な侮蔑語であるのだが。
- クレムリン宮殿
- 力道山が現役時代、自分の報道にとてもデリケートだった力道山サイドの態度に戦々恐々としていたマスコミが「すぐクレームをつけてくる」ということからこう呼んでいた。
- 毒蜜
[編集] 比喩による侮蔑
[編集] 価値が低いものに例える
ゴミ・クズ・カス・クソ・糞・ウンコなどは、それぞれ一般的に価値が低いとされるもので、それを他の人や物に対する代名詞として使うことで、それらへの侮蔑表現として通用する。日本では、「クズ」や「クソ」以外はあまり使われないであろう。日本語以外の言語でもほぼ同様である。例えば、Shit(英、「糞」)というのは本来の意味(排泄物、大便の意)で用いることすら慎まなければならないほど侮蔑的要素が強い卑語である。
日本語では、野菜の名前が侮蔑表現として機能することがある。たとえば足が太い人に対しての大根(もともと色白の足を褒める言葉だったが、後に太い足を侮辱する言葉になったとされる)・侮辱語の一つであるおたんこ茄子(「オタンコナス」で1つの言葉、江戸時代の花魁の符牒で「お短小茄子」=小さな男性器という侮辱から発生した、という説がある)・色白や細身の男へのモヤシ(っ子)などがある。これらの表現は子供っぽい印象を与えるが、大根のように成人女性に対しても十分に侮蔑語として通用することもあるので、乱用するべきではない。
[編集] 人間以外の動物に例える
- 犬(科)に関するもの
犬は、誰かの忠実な従者であるような人、または他者の秘密をかぎつけようとする人間を蔑むときに、比喩的に用いられる蔑称である。他に「誰かについて回る」という言葉では、後述のコバンザメや「腰巾着」などがあり、もっとストレートに寄生虫と言う場合もある。また、若者の間ではピクミンをもじった「ピクる」という言葉も存在する。
- 噛ませ犬 : 闘犬でわざとそれほど強くない犬をぶつけることから転じて、場数を踏むためだけに闘わされたり、好餌であったり、真っ先に憂き目に遭わされたりすることの意。当て馬と同義語。
- 野良犬 : 飼い犬と違い、気性が荒く不潔であることから、みずぼらしい身なりである様のたとえ。
- 負け犬 : 詳細は該当項目を参照のこと。
- 狆くしゃ : (狆がくしゃみしたような顔から)不細工な顔のたとえ。
- 狼 : 「羊の皮を被った狼」とは、大人しそうにしていながら、ある時に凶暴化したり、本性を表わしたりすることを言う。
- 一匹狼 : 一人で行動するのを好む人、または独り善がりな人。ただし、これは自嘲または褒め言葉としての性格が強いか。
- 狐 : 小ざかしい人、他人をだまそうとする人などを蔑むときに用いられる。
- 狸 : 腹の中で悪事などを考えていても言動に出さない人、ずるがしこい人を蔑むときに用いられる。
- 猿(科)に関するもの
猿は、小ざかしい人、他者のまねをする人、騒がしい人、ないし容姿が猿に似ている人を蔑むときに、比喩的に用いられる蔑称である(織田信長が豊臣秀吉に使った事で有名。秀吉が貧相だった為。ただし蔑称でなく愛称であると受け取られることが多く、実際もそうだったようである)。ただし、メガネザルについては、子供の間でのみ眼鏡をかけている人を比喩的に表現する場合に使われ、大抵は成長と共に消滅していく。黄禍論の盛んなころ東洋人に対する蔑称として(ニコライ2世やヴィルヘルム2世が多用)
- ゴリラ : 顔立ちが濃い人や、毛深い人、大柄で骨太な女性などに対して使われるが、前2つについては多少の親しみも同時に込められている場合がある。
- チンパンジー : 見てくれや行いをして、サル目の中では人間に極めて近いものの、常識人には程遠いことを侮蔑する意を込める。
- 猫(科)に関するもの
猫は、性質が極めて気まぐれであることから、転じて「気性に裏表がある、「個人主義的(調和を殊のほか重んじる日本では疎まれがち)」という意味も込められる。
- 泥棒猫 : 他人の家の食べ物を盗むことから、妻子ある男性と関係を持った女性に対し、その妻が侮蔑の意を込めて言う。
- 虎 : 酔っぱらいの別称。「虎箱」とは、警察署にある留置場の俗称だが、正確には泥酔者を保護するのは別室である。
- 馬に関するもの
馬は、顔が面長の人を「馬面」ということがある。
- 当て馬 : 対抗馬。または、「噛ませ犬」と同義語。
- 家畜に関するもの
牛 : その生態から行動、特に食べるのが遅い人、のろまな人を言う。
- 牛歩戦術 : 政治用語であるが、転じて意図的に行動を遅らせて相手をじらすこと。単に「牛歩」というと、動きが遅いことを指す。
羊 :新約聖書にある「群れから迷い出た羊」(『マタイによる福音書』18:10-14、『ルカによる福音書』15:3-7)から、主に教会で牧師が言う「迷える羊」という表現が用いられることがあるが、一般的にラジオ・TVの人生相談などで用いると侮辱となる可能性がある。
- 豚
- その生態から太っている人や汚らしい人、貪欲な人に対して使われることが多い。「豚箱」は拘置所・刑務所の俗称。
- 山羊
- 新約聖書(『マタイによる福音書』)では、ヤギを悪しきものの象徴として扱うくだりがあるなどかつて山羊は悪いものとみなされることがあった。そのため文化によっては山羊の真似をすることが侮辱行為とされる。
- 鳥類に関するもの
風見鶏 : 実際の風見鶏が風向きによって刻々とその向きを変えることから、日和見主義の人物あるいはそのような性格を指して言う蔑称。
鴨 : 楽に勝てる相手を指す。
- カモる : 俗語。いともたやすく勝つこと。「手玉に取る」と同義語。
つばめ(燕) : 「若いつばめ」は、年上の女性にかわいがられる若い男子。また、年下の夫。
鶏・チキン : 臆病者、または卑怯者の事を侮蔑する際に使う。
ハゲタカ : コンドルおよびハゲワシの俗称。死んだ動物の肉を食い漁る性質から、ハゲタカファンドとは、死に体の企業に投資する外資系投資ファンドに対する揶揄。
- 魚介類・海洋生物に関するもの
イカ臭い : 助兵衛なさま。
コバンザメ : 誰かにしょっちゅう付きまとっている人のたとえ。
ザコ : (1)弱い相手を罵る語。(2)有象無象なもののたとえ。
タコ : (1)禿げ頭の男性に対する侮蔑。「たこ入道」とも。(2)使えないこと。人や物が言うことを聞かない(使い甲斐がないの意)こと。
まぐろ(鮪) : 性行為の最中に動きたがらない女性を揶揄する。
シーラカンス : 「生きた化石」の別名を持つことから、恐ろしく時代遅れな人や物に対する揶揄。
- 虫に関するもの
蛆虫 : 単に汚らしい者に対する侮蔑。蠅の幼虫である蛆は、便所など不潔な所を好むため「男鰥夫(やもめ)に蛆が湧く(独身・単身の男性は、部屋の片づけや掃除を面倒くさがることから)」とも。
- ちなみに、天照皇大神宮教は、「蛆の乞食よ目を覚ませ」と説いているが、これは上へ上がろうとするときに他の者を踏み台にしてまで這い上がろうとすることを蛆虫に例えたといわれる。
- 蚤
- 蚤の心臓
- 臆病者、小心者のたとえ。
- 蚤の夫婦
- 妻の方が背が高い夫婦に対する揶揄。
- 蠅
- ゴキブリ同様、ちょこまか動き(飛び)回ってうっとうしいものに対する侮蔑。「小蠅」というとさらに侮辱感が高まる。
- 爬虫類・両生類に関するもの
- イモリ
- 腹部が赤いことに引っ掛けて、アカハラ(アカデミックハラスメント)主義者