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(かみ)とは、狭い意味では、木材などの植物性繊維をに分散させて、脱水、乾燥の過程を経て、繊維を絡み合わせて作ったシート状のもののことである。広い意味では、繊維を(編まずに)絡ませて作ったシート状のもののことである(JISではこの定義に近い)。この定義では、繊維は金属、合成高分子化合物などでもよい。また水を使用せずに作製してもよい(乾式)。そのため、広義では不織布は紙となる。

材料となる植物、製造方法、目的などにより多くの種類がある。

また、物理的・電子的な安定性、一覧性等、総合的な評価として、現時点では最良の記憶媒体としてあらためて評価されている。

目次

[編集] 用途

用途に合わせて様々な紙が開発されている。

■主な用途

  • 印刷・筆記:文字や絵を描いたり、書籍雑誌新聞チラシ名刺伝票類などの印刷のための媒体(メディア)としての紙。
  • 包装:紙袋紙器段ボール、牛乳や日本酒などの紙パックなど、物を梱包したり、保存したりする際の容器として使用する紙。
  • 衛生用:ティッシュ、紙おむつ、キッチンペーパーなどに用いる紙。
  • 食器:紙皿、紙コップ、コーヒーフィルターなど。
  • 家庭用品:番傘、和服

■その他、特殊用途、機能紙など

  • 石膏ボード原紙:建築用石膏ボードの原紙。
  • 絶縁紙:コンデンサ、電線などの絶縁に用いる。
  • 防錆紙:金属の錆びを防止・保護を目的に用いる。
  • タール紙:建築用、包装用途で防湿を目的に用いる。

[編集] 紙の歴史

紙が発明される前から人はいろいろな物を利用して文字を記録してきた。バビロニアでは粘土板古代エジプトではパピルス(Paper の語源である)という植物の幹を薄く削ぎ、それを直角に交叉させおし叩いて接着した物を使用し、古代ローマではパピルスと羊皮紙、古代中国では木簡竹簡などが文字を書き記すために用いられた。他にも、貝葉(貝多羅葉)が用いられたが、いずれもさまざまの欠点を持っていた。

中国の史書には105年後漢蔡倫が発明したと伝えられ、長く信じられてきたが、前漢時代と推測される遺跡から紙が見つかったためこの説は覆った。蔡倫は発明者というよりは改良者だったらしい。紀元前2世紀から紙が存在していたとする研究もあるが、確認はされていない。751年タラス河畔の戦いアッバース朝軍に捕えられた側の捕虜に紙職人がおり、製法が中国からイスラム世界に伝わったとされ、8世紀の半ばに中央アジアサマルカンドで紙が生産されたことが確認されている。イスラム世界ではそれまでのパピルスや羊皮紙に比べて安価・軽量であったことから広まり、12世紀までにイベリア半島アンダルス地方でも生産されていた。ヨーロッパへはここから伝わったようである。

紙はパピルスや羊皮紙、に比べれば、安価であったために上流階級を中心に広く使われたが、それでも値が張るものであった。紙の本場である中国でも、西晋の左思の『三都賦』を写すために紙の価格が高騰したという、いわゆる「洛陽の紙価を高からしむ」(『晋書』)の話や、更に時代が下った北宋の詩人であった蘇舜欽が、自分が勤めていた役所で出た反古紙(書き損じの使い物にならない紙)を売って、その代金で宴会を開いたために横領で糾弾される(反古紙でも高値で取引された)話などが残されている。紙の大量生産が本格化するのは近世以後、機械による製紙は19世紀に入ってからだとされている。

日本における最古の紙とされているのは、明治時代に法隆寺から皇室に献上された聖徳太子の著作とされる『法華義疏』であるが、紙自体は中国からの輸入品と考えられている。610年高句麗の僧侶曇徴が紙の製法を伝えたと言われているが、あくまで公伝であり、それ以前の渡来人が既に製法を伝えていた可能性もある。(ちなみに「かみ」という語は訓読み(和語)と認識されているが、「簡」の「カン」という字音が転じたものというのが定説である。「紙」が中国から渡来したものであるからには、漢語が入る以前に和語が存在しないというのは当然のことである。)律令制のもとで図書寮が置かれると、その下に公的需要を賄う為の造紙所が設置され、平安時代には平安京に紙屋院が建てられた。また、東大寺正倉院には奈良時代から平安時代の紙が文書あるいは包装用紙として遺されている。古代においてはを主原料としていたが、後にガンピコウゾカジノキを含む)にとって代わられた。「和紙の3大原料」と言われているもう一つのミツマタの登場は戦国時代以後とされている。

印刷術が完成すると、大量の出版物が出されるようになり、紙の需要は急増していった。近代では、木材のパルプから工業的に紙を大量生産する方法が確立し、一般的な情報の記録・伝達媒体として現代文明を支えてきた。

現在では、コンピューターの導入によってペーパーレス化が進んでいると言われ、また環境問題に関連して、森林保護の目的で紙の消費抑制やリサイクルの動きが進められている。だが、紙の特徴の一つである軽便さにおいては紙に代わる水準に達していないことや、技術革新によるコンピューターの互換性の問題(現在使われているコンピュータのデータが数百年後に引き出しが可能であると言う技術的な保証がない)もあり、早晩に紙が使用されなくなることは考えにくいとされている。

[編集] 製造方法

ロール状の原紙

紙の製造は原料となる繊維を取り出すことから始まる。 ここでは洋紙の製法を紹介する:

  1. パルプ化工程
    原料チップと呼ばれる木材を2-3cm角に粉砕したものから、繊維を取り出す工程。取り出された繊維はパルプと呼ばれる。
    1. 機械パルプ:機械的に製造されるパルプ。強度が高く、脱色しないものは木材の色を残す。
    2. 化学パルプ:化学的に繊維を取り出す方法。白色度の高いパルプがえられる。
    取り出した繊維はパルプと呼ばれ、濃度2-3%のパルプ溶液として抄紙工程に回る。
    また、パルプそのものとして市場に流通するものもある。
  2. 抄紙工程
    1. ワイヤーパート:網の上にパルプ溶液を流し、水分を重力によって脱落させる。この段階でシート状にパルプが並ぶ。水分は40%強。
      洋紙の場合は網の上に一層のパルプを流すが、板紙の場合は多層のパルプを流す。
    2. プレスパート:布地を当てて上下からシート状のパルプを圧縮し、水分を搾り取る。水分は20%弱になる。
    3. ドライヤーパート:乾燥される。水分は8%程度まで下がる。
    4. ワインダーパート:巻き取り機で、シートを連続して巻き取り、ロール状にする。
    上質紙などはこの工程で製品となる。
  3. 塗工工程
    1. 抄紙工程で生産した原紙に塗布する。
  4. 仕上げ工程
    1. ワインダーパートで巻き取られる紙は巾数メートルから10メートルという巨大なロールであり、輪転印刷機といえどもこのままでは使用できない。よって、小分けに巻き直す工程が必要で、包装も施されて製品となる。
    2. 或いは枚葉印刷機の場合はロールを平判シートに断裁する必要があり、この工程で製品シートに仕上げられる。

[編集] 単位

通常、紙の取引は重量で行う。取引の際は非常に多くの量を扱うため、独特の単位で表される。

[編集] 坪量

紙・板紙の基準となる重さは、坪量(つぼりょう)と呼び、単位面積あたりの重量で表す。単位はg/㎡で表記する。坪量は、紙の基本品質であり、特に紙の製造管理および商取引き上からも、寸法とともに重要な項目である。

[編集]

(れん)とは、枚数を表す単位で紙を扱う上で常に使用される。1連とは一定寸法に仕上げられた紙1,000枚(板紙の場合は100枚)のことで、紙取引の基準となる枚数である。1,000枚以下の場合は小数点を使い、2.5連(2,500枚)などと表示する。

[編集] 連量

連量(れんりょう)とは、一定寸法に仕上られた紙1,000枚(1連)の重量のこと。学術的には単位は「kg/連」(あるいは「g/枚」としても同じ)となるべきであるが、慣習的に「kg」のみをつけて表示する。1連が1,000枚でないのが通常(例えば100枚)である用紙の場合には連量も変わってくるため注意を要する。

紙の重みだけでなく、厚みを比較する目安としても捉えられている。厚い紙は、私製ハガキで220kg、薄いものは純白ロール紙34kgがある。ただし、紙質によって同じ厚みでも密度は異なるため、あくまで目安。同質の紙同士で厚みを比較する際にはよい参考になる。

[編集] 紙の種類

[編集] 手すき紙(和紙

[編集] 洋紙

[編集] 情報用紙

[編集] 加工原紙

  • タック加工用紙
    • リリースベースペーパー
  • 建材原紙

[編集] 板紙

[編集] キャスト紙

  • 出版用キャスト紙
  • 加工用キャスト紙
  • インクジェット光沢紙
  • タック用キャスト紙

[編集] 繊維板

  • ヴァルカナイズドファイバー

[編集] 紙に関係する法令・規格

[編集] 洋紙寸法

日本工業規格ISOによって規格化されている。またこの他取引上の寸法がある。なお、これ以外の特定のユーザー向けの寸法は、別寸や特寸とか雑判などと言われている。

印刷時には、紙の端を機械のつめがくわえたり、断裁加工するときの余裕が必要なので、原紙寸法は仕上り寸法より大きくなっている。

[編集] 代表的な洋紙寸法

A判の各サイズの関係

A判とB判はそれぞれ0~6判の仕上り寸法、四六判、菊判、AB判は標準的な仕上り寸法を記載(カッコ内は原紙寸法)。出版関係ではA1、B1を全判と呼ぶ習わしがあるが、本来0判が全紙サイズである。

規格サイズのA列のものを印刷するときは、A列本判の原紙を、B列のものを印刷するときは、B列本判の原紙を使用する。A列本判の寸法は、A1よりひとまわり大きく、B列本判の寸法は、B1よりひとまわり大きくなっている。

  • A判:841mm×1189mm(625mm×880mm):ISO, JIS
    • 4A0 - 1682mm×2378mm(ISO)
    • 2A0 - 1189mm×1682mm(ISO)
    • A0 - 841mm×1189mm
    • A1 - 594mm×841mm
    • A2 - 420mm×594mm
    • A3 - 297mm×420mm
    • A4 - 210mm×297mm
    • A5 - 148mm×210mm
    • A6 - 105mm×148mm
    • A7 - 74mm×105mm
  • B判:1000mm×1414mm:ISO
    • B0 - 1000mm×1414mm
    • B1 - 707mm×1000mm
    • B2 - 500mm×707mm
    • B3 - 353mm×500mm
    • B4 - 250mm×353mm
    • B5 - 176mm×250mm
    • B6 - 125mm×176mm
    • B7 - 88mm×125mm
  • B判:1030mm×1456mm(765mm×1085mm):JIS
    • B0 - 1030mm×1456mm
    • B1 - 728mm×1030mm
    • B2 - 515mm×728mm
    • B3 - 364mm×515mm
    • B4 - 257mm×364mm
    • B5 - 182mm×257mm
    • B6 - 128mm×182mm
  • 四六判:127mm×188mm(788mm×1091mm):JIS
  • 菊判:152mm×218mm(636mm×939mm):JIS
  • ハトロン判:(900mm×1200mm):JIS
  • AB版:210mm×257mm(880mm×1220mm)
  • 三三判:(697mm×1000mm)
  • 三四判:(727mm×1000mm)
  • 四六半裁:(520mm×738mm)
  • 柾判:(460mm×580mm)

四六半裁や柾判は国土地理院発行の地図で使われているサイズである。

なお「ノビ」という語が用紙サイズに付記された場合、一回り大きめのサイズとなる。たとえばA3ノビの場合、A3判より一回り大きい。その余白にはトンボがつけられ、断裁の時の位置合わせに用いられる。

また、アメリカ合衆国では、次のようなサイズが広く使われている。

  • レターサイズ(8.5インチ×11インチ≒215.9mm×279.4mm。アメリカの便箋用のサイズ。日本のA4判より幅がわずかに広く、長さがやや短い)日本ではこのサイズを慣習的に国際判と呼ぶ。
  • リーガルサイズ(8.5インチ×14インチ≒215.9mm×355.6mm。アメリカの法曹界や不動産業界で使われることが多いサイズ)

[編集] 規格

以下の規格によって規格化されている。

  • 日本工業規格
    • 紙の原紙寸法(JIS P 0202:1998)
    • 紙加工仕上寸法(JIS P 0138:1998)
  • 国際標準化機構
    • 筆記用紙及び各種印刷物-仕上寸法-A及びBシリーズ(ISO 216:1975)

[編集] A判

A判は、ドイツの工業院規格を日本が1929年に導入し、日本工業規格に取り入れたものである。規格の成り立ちは、全紙(A0判)の面積を1m2とし、用紙を横半分に順次裁断していっても縦横比が常に一定になるように寸法が決められた。

具体的には、縦:横が<math>1:\sqrt{2}</math>(白銀比)である長方形になる。面積が1m2になるルート矩形(A0判)の横の長さは <math>\sqrt[4]{2} = 1.189207115...\approx 1.189</math>mであり、縦はその逆数である。

この規格は、とても合理的で利用価値の高いものであったので、のちに国際規格(ISO規格)にも取り入れられている。

[編集] B判

B判もA判同様の起源を持っているが、日本では江戸時代に公用紙として利用されていた美濃紙に近い大きさが取れるため、独自にサイズが拡大されてしまい、今では以下のような日本独自のものという俗説がまかり通っている[要出典]

B判については、日本独自の規格で全紙(B0判)の面積がA判の1.5倍(1.5m2)になるようにルート矩形で定められた。B判は、江戸時代に公用紙として利用されていた美濃紙に由来している。美濃紙の全紙(2尺6寸~3尺6寸で四六判原紙と同サイズ)を32分の1にしたサイズの紙が、明治大正時代の出版物に多用されていた(現在の四六判と同サイズ)。

四六判は当時の印刷物の標準サイズであったことから、このサイズを残したい考えが強くあったが、規格の標準化を進めたいという思惑もあった。A判を1.5倍した用紙から四六判と近似した寸法(B6判は128mm-182mm)を取り出せ、A判の1.5倍という区切りの良い数字であったことからB判として規格化された。

ISO化されたオリジナルのB判は単純に面積をA判の<math>\sqrt{2}</math>倍にしたものである。

日本のJISのB判は面積を1.5m2にしたものであり、算数的な理由でこの大きさにしたともいわれている。

日本の公文書では、長らく美濃紙の流れを引き継ぐB判(B4、B5)が使われていたが、1990年代からISO規格であるA判(A3、A4)への移行が進められ、2000年頃からは、ほとんどの公文書はA判となっている。

[編集] 板紙寸法

代表的な紙器用板紙の寸法を以下に示す。

  • L判:(80cm×110cm)
  • 四六判:(79cm×109cm)
  • K判:(64cm×94cm)
  • M判:(73cm×100cm)
  • F判:(65cm×78cm)
  • S判:(73cm×82cm)
  • ワイシャツ判(Y判):(61cm×106cm)
  • カッター判(C判):(61cm×97cm)
  • ブラウス判:(56cm×95cm)
  • オープン判(O判):(56cm×64cm)
  • ジュニア判:(54cm×88cm)
  • 玩具判:(82cm×111cm)
  • 食品判:(75cm×65cm)(80cm×65cm)(87cm×65cm)
  • ワイン判(酒判):(68cm×94cm)

[編集] 企業一覧

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

[編集] 外部リンク

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