粥
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粥(かゆ)は、米(うるち米)などを多目の水で柔らかく煮た料理。米だけでなく粟、ソバなどの雑穀や豆類、芋類で作る場合もある。粥の上澄み液を重湯(おもゆ)という。
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[編集] 概要
粥は消化が良く、体も温まることから胃腸が弱っている時や風邪などの病気の際に食べる事が多い。また、離乳食としても用いられる。精進料理の主食としても欠かせない。朝食に食べる人も少なくなく、ホテルのレストランなどでも朝食に出す場合がある。
日本のほか中国や朝鮮半島などにも米などの粥がある事は日本でもよく知られているが、シンガポール、マレーシア、タイなどの東南アジアでも一般的である。また、これらのアジアだけではなくヨーロッパにも粥がある。フランスのブルターニュ地方では古くからそば粥が庶民の常食とされていた。ロシアにもカーシャという粥がある。
中国では全般に用いる「粥(ジョウ zhōu)」の他、米のものを「大米粥(ダーミージョウ dàmǐzhōu)」、「稀飯(シーファン xīfàn)」、「糜(ミー mí)」なととも呼ぶ。三分粥のような薄いものは汁物扱いで「米湯(ミータン mǐtāng)」、「撩命湯(リャオミンタン liáomìngtāng)」などと呼ぶ地域もある。地域によって、どの程度まで煮込むかの違いもあり、広東省では半分形が無くなる程度まで煮込むことも多い。中国の粥は種類が多く、さまざまな具を入れるものもあるため、健康的なイメージもあるため、日本でも主力商品として出す食堂がある。中華粥の場合、日本の粥より米が原型を残していない場合が多い。
江戸時代に引越し蕎麦の風習が始まるまでは、引越しの際には粥を近所に配っていた。
[編集] 種類
[編集] 水分量による分類
(注:同じ呼称でも米と水の分量比が異なったものが複数存在するようである。詳しい人による詳細を希望)
- 全粥
- 米の5倍量の水で炊く。
- 七分粥
- 米の7倍量の水で炊く。
- 五分粥
- 米の10倍量の水で炊く。
- 三分粥
- 米の20倍量の水で炊く。
[編集] 具や味付けによる分類
- 白粥(しらがゆ)
- 米を水で炊くだけで、具を入れていないもの。味も付けないことが多いが、少量の塩を加える場合がある。漬け物、梅干し、塩辛、しらす乾し、佃煮、落花生など、さまざまなものを付け合わせに食べる事が多い。
- 黒米粥(くろまいがゆ)
- 黒米を水で炊いたもの。
- 茶粥(ちゃがゆ)
- 米をほうじ茶で炊いたもの。
- 牛乳粥(ぎゅうにゅうがゆ)、ミルク粥(ミルクがゆ)
- 米を牛乳で炊いたもの。
- 霰粥(あられがゆ)
- 米の粥の上に出汁を張り、鯛などの魚の切り身を乗せたもの。
- 芋粥(いもがゆ)
- 米の粥にサツマイモを入れて煮た粥。
- 中華粥(ちゅうかがゆ)
- 中国風の米の粥。白粥の他、鶏や干し貝柱(茹でたホタテガイやタイラギの貝柱を天日乾燥したもの)などの出汁で炊くことが多い。水分量は五分粥と同程度。具入りのものも各種あり、魚、カキ、牛肉、鶏肉、するめ、もやし、落花生、皮蛋、鶏卵などさまざまなものを用いる。ショウガやネギを薬味にし、油条を付け合わせとする。
- 粟粥(あわがゆ)
- 中国の華北でよく食べられている粟を使った粥。中国語で「小米粥(シャオミージョウ xiǎomǐzhōu)」などという。山西省では、「稀粥」というと粟粥を指し、「稠粥」または「乾粥」というとご飯のように炊いた粟を指す。
- 緑豆粥(りょくとうがゆ)
- 中国でよく食べられている緑豆を使った甘くない粥。中国語で「緑豆粥(リュードウジョウ) lǜdòuzhōu)」という。
- 小豆粥(あずきがゆ)
- 中国で食べられている小豆を使った甘くない粥。中国語で「紅豆粥(ホンドウジョウ) hóngdòuzhōu)」という。
- 八宝粥(はっぽうがゆ)
- 中国で一般的な、米の粥に豆類、ナツメなど8種類の材料を加えた、甘い粥。
- カーシャ(Каша)
- ロシアの粥。
- ブブル(bubur)
- マレーシア、インドネシアの粥。米の他に、豆のものもあり、甘いものもある。
- ジョーク
- 卵、ショウガなどで味付けしたタイの米の粥。
- ポリッジ(Porridge)
- 穀類を水や牛乳などで炊いた粥。生クリーム、バター、砂糖などを加えて食べる。オートミールとセモリナのポリッジ(クリーム・オブ・ウィート)が最も一般的であるが、その他に小麦、大麦、米、トウモロコシの粉、エンドウマメの粉などもポリッジになる。
- グリュエル(gruel)
- ポリッジよりも薄く、水だけで炊いた粥のこと(英語)。
- ポレンタ(Polenta)
- トウモロコシの粉を水またはだし汁に溶き、かきまぜながら煮た北イタリアの粥。クロアチアにもある。
[編集] 行事食
- 七草粥(ななくさがゆ)
- 芹(セリ)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな、カブ)、蘿蔔(すずしろ、ダイコン)の7種類の野草(春の七草)茹でて刻み、米の粥に混ぜ込んだもの。1月7日に食べる習慣がある。
- 小豆粥(あずきがゆ)
- 別名桜粥(さくらがゆ)。柔らかく煮た小豆を米とともに炊き込んだもの。小正月(1月15日)に食べる習慣がある。小正月に食べる場合は鏡開きをした餅をいれる。
- 臘八粥(ろうはちがゆ)
- 中国で、旧暦12月8日に食べる、米、豆、栗、ナツメ、ナッツなどの具入りの粥。
[編集] 粥を使う料理
- 粥鍋(粥底火鍋 チョッダイフォーウォー)
- 広東省の順徳料理の名物。出汁ではなく、粥の中に各種の具を入れて、煮ながら食べる寄せ鍋。
[編集] 商品
[編集] 関連項目
[編集] 文献
- 池上保子『池上保子の健康野菜スープおかゆ ビタミン、ミネラルたっぷり病気を防ぎ体に効く』食べもの通信社、1999年1月、ISBN 4880231851
- 石橋エータロー『石橋エータローの おしゃれ粥 ザ・わーるど』日本出版社、1985年7月、ISBN 4930892430
- ウー・ウェン『北京のやさしいおかゆ やさしく作れて体に優しいおかゆレシピ』高橋書店、2000年4月、ISBN 4471400010
- 大場久美子『おいしく食べて無理なく痩せる 美人粥』辰巳出版、1985年12月、ISBN 4886410421
- 岡本清孝(編)『お粥パワー まるごと1冊 超ヘルシーおいしい』主婦と生活社、1996年5月、ISBN 4391605589
- 葛西麗子『毎日食べたいおかゆ』家の光協会、2004年10月、ISBN 4259560913
- 講談社編『おかゆ・雑炊・リゾット おいしい味お店の味をあなたの手で』講談社、1986年10月、ISBN 4062027976
- 小林カツ代『美人粥』文化出版局、2001年10月、ISBN 4579207858
- 境野米子『おかゆ一杯の底力』創森社、2000年6月、ISBN 4883400832
- 周富徳『周富徳 朝は健康お粥から』ワニブックス、1995年10月、ISBN 4847012291
- スーパー・ドーム・スタジアム編『お粥の本 おいしい健康食』CBS・ソニー出版、1989年11月、ISBN 4789704882
- 成美堂出版編集部編『きれいになれるお粥レシピ』成美堂出版、2001年5月、ISBN 441501674X
- 全鎮植、鄭大聲(共編著)『粥譜 朝鮮がゆ・クッパプ』柴田書店、1983年1月、ISBN 4388056049
- 道元(原著)、中村璋八、中村信幸、石川力山(共著)『典座教訓(てんぞきょうくん)・赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)』講談社、1991年7月、ISBN 4061589806
- 中川陽子『五穀のおかゆでお腹がスッキリ!』リヨン社、2004年9月、ISBN 4576041800
- 波多野須美『粥と小菜(シヤオツァイ) 波多野須美の中国料理』主婦の友社、1991年3月、ISBN 4079369905
- 福田浩、島崎とみ子(共著)『変わりご飯 江戸の料理書にみる変わりご飯、汁かけ飯、雑炊、粥』柴田書店、ISBN 4388056804
- 福田浩、山本豊(共著)『おかゆ 粥・汁かけ飯・雑炊・泡飯と粥のおかず』柴田書店、2002年8月、ISBN 4388059080
- 古屋和江『やせるやせる秘密の薬膳粥 粛家秘伝の薬膳粥』世界文化社、1989年5月、ISBN 4418894020

