社会保険庁
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社会保険庁(しゃかいほけんちょう、Social Insurance Agency)は、厚生労働省の外局。
政府が管掌する健康保険事業、船員保険事業、厚生年金保険事業、国民年金事業等の運営を任務とする行政機関。長は社会保険庁長官。地方支分部局として都道府県単位の社会保険事務局が設置され、その傘下に社会保険事務所が置かれている。
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[編集] 沿革
- 昭和37年(1962年)7月1日、厚生省の外局として社会保険庁設立。
- 長官官房、医療保険部、年金保険部の1官房2部の構成とする。
- 附属機関として、社会保険研修所を設置。(本省の附属機関からの移管)
- 昭和46年(1971年)5月16日、社会保険研修所を社会保険大学校に改組。
- 昭和55年(1980年)4月1日、長官官房に長官官房審議官を設置。
- 昭和63年(1988年)10月1日、社会保険庁に社会保険庁次長を設置。
- 長官官房、医療保険部、年金保険部を廃止し、総務部、運営部の2部構成とする。
- 総務部長は専任職とせず、社会保険庁次長の併任とする。
- 施設等機関として、社会保険業務センターを設置。
- 平成12年(2000年)4月1日、社会保険庁の地方支分部局として、都道府県ごとに地方社会保険事務局を置き、その分掌機関として社会保険事務所を置く。
- 平成13年(2001年)1月6日、厚生省は労働省と統合して厚生労働省に移行。社会保険庁は厚生労働省の外局となる。
- 平成18年(2006年)9月1日、社会保険庁次長の職を廃止。社会保険庁次長が併任してきた総務部長は専任職となる。
[編集] 機関委任事務の廃止に伴う業務の移管
社会保険庁の主な業務は、国民年金、厚生年金保険及び政府管掌健康保険にかかる適用・徴収・給付であり、その事務については、国が保険者として最終的な責任を負い、不断の経営努力を行うことが不可欠であることから、地方分権推進委員会第3次勧告(1997年9月2日)において、国の直接執行事務として社会保険庁が一元的に実施することとして整理された。
これを受けて、国民年金保険料の徴収については、機関委任事務として市町村の窓口において行われてきたが、原則として国が直接行うものとして整理され、地方分権一括法の施行に伴い、2002年4月より国に移管された。また、地方事務官制度も廃止されることとなり、2000年4月の地方分権一括法の施行に伴い、都道府県において当該事務に従事していた職員の身分が厚生事務官となった。
これに伴い、上記の沿革にある通り、都道府県の年金主管部局を廃止してそれを母体として社会保険庁の地方支分部局たる地方社会保険事務局が新設され、また、都道府県の社会保険事務所は社会保険庁の機関に移行した。
年金制度に関する企画・立案や積立金の管理は厚生労働省の年金局が行っている。
- 地方分権推進委員会第3次勧告
- 健康保険、厚生年金、国民年金等、地方事務官が従事する社会保険の事務は、国が保険者として経営責任を負い、不断の経営努力を行うことが不可欠であること、また、全国規模の事業体として効率的な事業運営を確保するためには一体的な事務処理による運営が要請されていること等から、国の直接執行事務と整理した。
- 地方事務官
- 地方事務官とは、地方自治法制定(1947年)の際、都道府県に所属しながら官吏(国家公務員)として従事していた職員が、当分の間、官吏のままとされていたもので、主務大臣が人事権を有し、都道府県知事が業務の指揮監督を行うこととされていた。
- 昭和60年(1985年)4月1日に各都道府県の陸運事務所が運輸省の運輸局陸運支局として移管され、当該事務に従事してきた地方事務官は運輸事務官に変更された。
- 平成12年(2000年)4月には、社会保険事務に従事する地方事務官は厚生事務官に、職業安定事務、労働保険事務に従事する地方事務官は労働事務官に変更され、地方事務官は全廃された。
[編集] 組織
- 総務部―総務課・職員課・経理課・サービス推進課
- 運営部―企画課・医療保険課・年金保険課
- 社会保険業務センター―総務部・情報管理部・業務部・記録管理部・中央年金相談室
- 社会保険大学校―庶務課・教務課
- 地方社会保険事務局(2006年10月1日現在・全国47箇所)―社会保険事務所(2006年10月1日現在・全国265箇所)
[編集] 歴代社会保険庁長官
- 八木哲夫(1978年12月~1980年5月)
- 石野清治(1980年5月~1981年8月)
- 山下真臣(1981年8月~1982年8月)
- 大和田潔(1982年8月~1983年8月)
- 金田一郎(1983年8月~1984年8月)
- 持永和見(1984年8月~1985年8月)
- 正木馨(1985年8月~1986年6月)
- 吉原健二(1986年8月~1988年6月)
- 下村健(1988年6月~1989年6月)
- 小林巧典(1989年6月~1990年6月)
- 北郷勲夫(1990年6月~1992年7月)
- 末次彬(1992年7月~1994年9月)
- 横尾和子(1994年9月~1996年7月)
- 佐々木典夫(1996年7月~1998年7月)
- 高木俊明(1998年7月~2001年1月)
- 中西明典(2001年1月~2002年8月)
- 堤修三(2002年8月~2003年8月)
- 真野章(2003年8月~2004年7月)
- 村瀬清司(2004年7月~ )
[編集] 現状
社会保険庁の所掌事務である政府管掌健康保険事業の運営については、2006年「健康保険法等の一部を改正する法律」が国会で可決成立し、2008年8月に自主自立の事業運営にするために、非公務員型の法人「全国健康保険協会」を設立することとなった。また、船員保険については、労働保険と全国健康保険協会に移管することとなった。
年金事業の運営については、納付率の低下により国民年金制度の仕組みが破綻してきているとの声がある中で、年金保険料の無駄づかいや個人情報を業務外の目的で閲覧する行為、年金保険料の不正免除等の不祥事などが、国民の社会保険庁や職員への不信を招き、信頼回復に向けて組織改革、業務改革、職員の意識改革が求められている。
[編集] 不祥事の概要
2004年3月、国民年金保険料未納情報に関する個人情報の漏洩が疑われる事例(政治家の年金未納問題)が報道されたのをきっかけに、社会保険庁の杜撰な業務運営が次々と発覚した。同年7月、約300名の職員が未納情報等の業務目的外閲覧を行っていたことが判明し、行為者及び管理監督者の合計513名の職員が処分された。同年9月には、社会保険庁の幹部職員が収賄罪で逮捕され、国民の信頼を著しく損ねる結果となった。
通常国会における年金改正法案の審議やマスコミの報道等においては、「利用者の立場や目線に立っていない」「個人情報保護の重要性について十分に認識していない」「国民が支払った保険料や税金を保険給付以外に安易に使っている」等が指摘され、職員の倫理意識や組織体質が問われた。
2006年5月、全国各地の社会保険事務所が、国民年金保険料の不正免除(法令等に違反する事務処理)を行っていたのが発覚した。調査の度にその数は増え続け、最終的に不正免除は222,587件に達し、行政組織としての遵法意識やガバナンスが欠如していることを露呈させた。
2007年5月、社会保険庁のオンライン化した時のコンピュータ入力にミスや不備が多いことや基礎年金番号へ未統合のままの年金番号が多いことが明らかなった。国会やマスコミにおいては、年金記録のずさんな管理が批判された。
また、社会保険庁のオンライン化計画に対して、労働組合が「中央集権化の支配機構を強め、独占資本のための合理化である。」として反対していたことや実施に伴い労働強化を生じさせないとの覚書<ref>覚書においてコンピューター作業量を無意味に抑制したとする批判に対して自治労は「社会保険業務を全国でオンライン化するにあたって交わされたものですが、当時はキーボードを扱うオンラインシステムなどがまだ一般社会に普及しておらず、頸肩腕障害の社会問題化などのコンピュータによる健康面への影響が懸念された時代であった」と反論している。[1]</ref>を取り交わしていたことは裏協定であるとして問題視された。(詳しくは自治労国費評議会へ)
[編集] 関連項目
[編集] 社会保険庁改革
[編集] 新組織
1.健康保険の新たな保険者である「全国健康保険協会」(非公務員型公法人)
2.保険医療機関の指導監督等の部門(地方厚生局)
3.公的年金の運営業務を担う「日本年金機構」(非公務員型公法人)
4.公的年金の財政責任・管理運営責任を担う部門(厚生労働省)
船員保険を労働保険と全国健康保険協会に移管し、社会保険庁は廃止。
[編集] 経緯
- 2004年8月3日、政府は年金制度改革の国会審議等を通じて、制度の実施庁である社会保険庁の事業運営の在り方について様々な指摘を受け、「社会保険庁の在り方に関する有識者会議(内閣官房長官主宰)」を設置した。有識者会議は、内閣官房長官及び厚生労働大臣と有識者で構成し、2004年8月から2005年5月まで計10回開催、組織の在り方や緊急対応策が議論された。
- 2004年8月、社会保険庁の業務の抜本的改革について、長官の下で、組織を挙げて全ての職員が主体的に取り組み、改革を加速化するために、社会保険庁改革推進本部を設置した。
- 2004年11月26日、「社会保険庁の在り方に関する有識者会議(第5回)」は、「緊急対応プログラム」をとりまとめた。
- 2005年5月31日、「社会保険庁のあり方に関する有識者会議」は、「社会保険庁改革の在り方について」の最終とりまとめを行い、公的年金については、政府が十分に運営責任を果たすことのできる新たな国の機関を設置し、政管健保については、国とは切り離された全国単位の公法人を設立するとした。
- 2005年7月、上記最終取りまとめを受けて、「社会保険新組織の実現に向けた有識者会議(厚生労働大臣主宰)」を設置し、国の行政組織としての年金運営新組織の具体的な姿が議論された。
- 2005年12月12日、「社会保険新組織の実現に向けた有識者会議」は、「組織改革の在り方について」をとりまとめ、年金運営新組織を国の「特別の機関」と位置づけ、意思決定機能・監査機能・業務執行機能の具体的な在り方等について、考え方を示した。
- 2006年2月、「健康保険法等の一部を改正する法律案」を国会に提出し、「全国健康保険協会」を2008年10月に新設して、政府管掌健康保険の扱いを社会保険庁から同協会に移管する法案は国会で可決成立し、2006年6月21日に公布された。
- 2006年3月10日、「ねんきん事業機構法案」(2008年10月に厚生労働省の特別の機関を設立)が閣議決定され国会に提出されたが、同年5月、審議の最中に国民年金不正免除問題が明らかになり、審議がストップした。第164回国会閉会時に継続審議とする手続きがとられたが、第165回国会閉会時にはその手続きがとられず、廃案となった。
- 2007年3月13日、「日本年金機構法案」(2010年に非公務員型の公法人を設立し、公的年金に係る財政責任・管理責任は引き続き国が担う)が閣議決定され、国会に提出された。
[編集] 労働組合
2004年4月現在、地方社会保険事務局及び社会保険事務所の職員15,463人のうち、14,806人は労働組合に加入(組織率95.8%)している。内訳は、自治労の国費評議会が12,423人(組織率95.9%)、国公労連の全厚生労働組合が2,383人(組織率53.7%)である。また、本庁職員(社会保険業務センター、社会保険大学校含む。)793人のうち、207人が全厚生労働組合に加入(組織率26.1%)している。
2000年の地方分権一括法施行により、社会保険と職員は国に一元化されたが、労組に関しては経過措置で県職労への加入がその後も続いていた。2007年3月に移行措置の終了に伴い自治労国費評議会は単一の全国社会保険職員労働組合に形態を変更しているが、自治労を上位組織にするなど実態に変更はない。
社会保険庁の組織改革を行うにあたり、社会保険庁長官と自治労中央執行委員長及び国費評議会議長との間で1979年3月13日に取り交わされた「オンライン化計画の実施に伴う覚書」が問題となった。この「覚書」は、その後、社会保険庁の総務課長及び職員課長と国費評議会が取り交わした合計104 件、108 枚にのぼる覚書・確認事項の基本となるものであり、国家公務員法で規制されている管理運営事項、本来任命権者の専権事項である人事・勤務評定といったガバナンスの根幹事項、業務の指揮命令権に関する事項といったものが交渉の対象とされており、覚書等として締結されていた。2004年11月、社会保険庁から自治労国費評議会へ覚書・確認事項の破棄の申し入れがなされ、覚書・確認事項は破棄された。また、全厚生労働組合と取り交わしていた覚書・確認事項も破棄された。
2007年6月、全国社会保険職員労働組合は国民の年金記録に対する不安(年金記録問題)を受けて、混乱の収集に向けて残業や休日出勤を容認する方針を初めて示した。
[編集] 関連項目
[編集] 社会保険事業運営評議会
社会保険事業運営評議会は、2004年8月に社会保険庁の事業内容や業務の実施方法等事業全般について、保険料拠出者や利用者の意見を反映させ、その改善を図ることを目的として、社会保険庁に設置された。メンバーは、有識者や保険料拠出者である労使代表等の7名である。
- 運営評議会における検討課題
- 政府管掌健康保険、厚生年金保険、国民年金等の社会保険事業が適切に実施されているか
- 被保険者の適用、保険料の徴収、医療・年金の給付等、社会保険事業に係る業務が適切に実施されているか
- その他利用者の視点から見た社会保険事業のあり方等
[編集] 脚注
<references/>
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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