海難審判

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海難審判(かいなんしんぱん)とは、海難に関して海難審判庁が行う審判をいう。海難審判法(昭和22年法律第135号)に基づく。


海難審判は刑事裁判ではないので、審判に基づいてなされる裁決によって受審人や指定海難関係人に懲戒や戒告をさることはあっても、刑罰が科されることはない。また、海難審判は民事裁判でもないので、裁決によって関係者に損害賠償が認められることもない。海難審判では、裁決をもって海難の原因を明らかにし、裁決をもって海技士小型船舶操縦士水先人懲戒し、裁決をもって関係者に勧告を行う。海難審判は、審判官は独立してその職務を行う。審判の対審と裁決は、公開の審判廷で行われる。ただし、海難審判の法的性質は行政不服(制度)である。


海難審判は、国土交通省外局である海難審判庁が行う行政審判である。二審制をとっており、第一審は地方海難審判庁(函館仙台横浜神戸広島門司那覇に支部)・長崎)が、第二審は高等海難審判庁(東京)が行う。高等海難審判庁の裁決に対する訴えは、東京高等裁判所専属管轄に属する。審判前の手続き、審判の請求と確定裁決の執行は、海難審判理事所の理事官が行う。


[編集] 海難審判の手続

  1. 海難が発生すると、海上保安官警察官市町村長等からの報告や、マスコミによる報道により、理事官が海難発生を認知する。
  2. 理事官によって海難が認知・立件されると調査が開始される。
  3. 理事官は証拠を収集して検討し、あるいは関係人を呼出して事情を聴取し、審判不要処分または審判開始の申立を行う。
  4. 理事官によって審判開始申立がなされると、第一審・地方海難審判庁の審判が開始される。その際、理事官は、海難の原因に関係があると認める者を受審人(海技士・小型船舶操縦士・水先人)または指定海難関係人(海技士・小型船舶操縦士・水先人以外の者)に指定する。
  5. 地方海難審判庁では、審判官3人の合議体により審判が行われる。審判には、受審人・指定海難関係人・補佐人(受審人・指定海難関係人の補佐をする。一級海技士や弁護士の中から高等海難審判庁長官の登録を受けた海事補佐人から選任する。)が呼び出され、理事官・書記が列席する。審判は準司法的手続により行われる。
  6. まず、人定尋問等の冒頭手続が行われる。
  7. 次に、理事官から審判開始申立の理由が述べられ、受審人・指定海難関係人・補佐人から意見陳述が行われる。
  8. 証拠物の展示、尋問などの証拠調べが行われる。
  9. 理事官の意見陳述が行われ、受審人・指定海難関係人・補佐人から意見が述べられる。
  10. 審理が終結すると、審判長から結審が告知される。
  11. 結審後、審判官の合議により、裁決書を作成する。
  12. 審判廷において審判長が裁決を言い渡す。
  13. 裁決に不服のある者は、高等海難審判庁(審判官5人)に第二審請求を行うことができる。高等海難審判庁の裁決に不服のある者は、東京高等裁判所に高等海難審判庁長官を被告とする抗告訴訟として提訴できる。東京高等裁判所の判決に不服のある者は、最高裁判所に上告する。
  14. 裁決が確定すると、理事官によって裁決が執行される。

[編集] 関連項目

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