正弦波
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正弦波(せいげんは、sine wave、sinusoidal wave)は、おおむね正弦関数として観測可能な周期的変化を示す波動のことである。その波形は正弦曲線(せいげんきょくせん、sine curve)もしくはシヌソイド (Sinusoid) と呼ばれ、数学、信号処理、交流電気工学およびその他の分野においてしばしば現れ、重要な働きをする。
目次 |
[編集] 基本形・一般形
条件の整った状態で正弦波はおおよそ次のような関数として記述することができる:
- <math>y = A\cdot \sin(\omega t - \varphi)</math>
ここで、時刻 t を変数と考え、振幅(これは波の中心からの偏差である)は A とおかれている。また、ω は角周波数と呼ばれる定数で、t = 0 における位相である −φ は初期位相という。
- φ は位相シフトとも関係がある。例えば、初期位相が負の値であれば、波形全体が未来の時間へシフトされる(すなわち遅れる)。1秒間での遅れの量は、φ / ω である。
一般の場合には、さらに位置あるいは変位と呼ばれる空間の次元をもつ量 x や波数 k 、また定数(振幅の中心となる値) D などを含めて
- <math> y = A\cdot \sin(kx - \omega t - \varphi) + D</math>
という関数の形で波形を記述できるものを正弦波と総称する。波数は角周波数と以下のような関係にある。
- <math> k = { \omega \over c } = { 2 \pi f \over c } = { 2 \pi \over \lambda }</math>
この方程式は1次元の正弦波となるため、上記の一般化された方程式では、時刻 t における位置 x での波の振幅が導かれる。これは例えば、ワイヤーに沿った波の値と考えることが出来る。
2次元の例では、時刻 t における位置 (x, y) での2次元の波の振幅が表される。これは例えば、池に小石を投げ入れたときに発生する波紋の値と考えることが出来る(この例は実際には3次元の波だが、要点を示している)。
なお、正弦関数は波動方程式・ヘルムホルツ方程式を満たす最も基本的な関数である。
[編集] 発生
この波形は自然界でも海の波、音波、光波などで発生する。また、日々の平均気温を年間を通してプロットした際などにも荒いシヌソイドパターンが現れる。
商用電源など交流電圧の波形は一般に正弦波形をとる。
コサイン波形もシヌソイドと言われる。これは、正弦波が後方にシフトされたもので波形が同一だからである。
- <math>\cos\left(x -\frac{\pi}{2}\right) = \sin{x}</math>
方形波や人の声による不規則な音波といったシヌソイドでない波形も、実際には異なった周期と周波数の正弦波を集めたものである。複雑な波形を正弦波要素に変換する技術はフーリエ解析と呼ばれている。
人の耳は単一の正弦波を認識することが出来る。なぜなら、そのような波形を持つ音は人にはっきりと聞こえるからである。純粋な正弦波に近い音には、口笛や、ぬれた指先でクリスタルグラスの縁をなぞって振動させる際に発生する音、そして音叉の音がある。
人の耳には、2つ以上の正弦波によって構成される音はノイズか和音として聞こえる。
- 正弦波の音の例 (説明ページ) — ブラウザで視聴 (beta)
- 1kHzの正弦波5秒
- うまく聞けない場合は、サウンド再生のヒントをご覧ください。
[編集] フーリエ級数
1822年、フランス人数学者のジョゼフ・フーリエは、正弦波をあらゆる周期的な波形を構築し描写するための簡単な基盤として使用することが出来ることを発見した。この処理過程はフーリエ級数と名付けられている。これは信号処理では便利な解析ツールである。
[編集] 音楽への応用
1950年代、正弦波音がオルガンの音に似ているということも好都合であり、電子音楽の黎明期に愛用された。この時流に沿う形で、フランスの作曲家アンリ・プスールは「正弦波曲線が、楽曲の理想的な形式」と定義して話題となった。この理論を杓子定規に応用した作品に、篠原眞の「タンダンス」がある。
[編集] 関連項目

