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この項目では構造物としての橋(はし)について記述しています。脳の一部である橋(きょう)については橋 (脳)をご覧ください。

(はし、橋梁、きょうりょう)は、人や物が、、窪地や道路線路などの交通路上の交差物を乗り越えるための構造物である。(道路、窪地、線路などを跨ぐ橋は陸橋と呼ばれる。)

乗り越えるものにより、跨道橋(こどうきょう)や跨線橋(こせんきょう)など、個別の名称で呼ばれることもある。一方、を渡すための橋を水道橋 (aqueduct) と呼び、乗り越える目的ではないものは高架橋 (viaduct) と呼ばれる。主としてその構造は、上部構造、下部構造に分けられる。

道路を渡るための歩道橋については横断歩道橋を参照のこと。

安芸灘大橋 2005年4月22日

目次

[編集] 橋に求められるもの

谷瀬の吊り橋(奈良県吉野郡十津川村)

上に書いたような目的を果たすためには、橋にかかる荷重を支えることと、荷重がかかっても変形が大きくなりすぎないことが必要である。特に地震台風の多い日本では、地震発生時・台風通過時の安全性を確保することが重要となる。

また、橋に求められるものは実用性だけにとどまらない。橋のような大きく目立つ構造物は、その地域のシンボルになりうる。そのため橋は、魅惑的であること、周囲と調和するものであること、なども満足しなければならない。

また、莫大になる公共事業費の削減が叫ばれる日本では、経済性も重要である。とりわけ、高度経済成長期に大量に建設された橋が耐用期間を迎える今日では、維持のやり繰りが先進諸国の大きな課題である。

[編集] 橋の歴史

[編集] 有史以前の橋

橋の起源についてははっきりしたことは判らないが、偶然に谷間部分を跨いだ倒木や石だったと考えられる。その後人類が道具を使うようになってからは伐採した木で丸木橋 (Log bridge, Single log) が造られるようになった。また、木々に垂れ下がっている蔓を編んだ吊橋の原型とされる蔓橋(つるはし、suspension bridge made of vine)も造られたに違いない。より長い距離を渡るために川の中で飛び出た石の頂部に丸木を渡したり自然石を積み上げて橋脚を築いたり、杭を打ち込み橋脚にしたとも考えられる。

[編集] 古代の橋

紀元前5世紀から6世紀ごろにはバビロンや中国で石造の桁橋がかけられていた。紀元前4000年ごろのメソポタミア文明では石造アーチ橋がかけられている。紀元前2200年ごろ、バビロンではユーフラテス川に長さ200メートルのレンガ橋がかけられている。

ローマ時代に道路網の整備に伴い各地に橋がかけられ、架橋技術は大きく進歩した。現存する水道橋は驚異的な精度を持っている。

日本での記録に残っている最古の橋は、『日本書紀』によると景行天皇の時代に現在の大牟田市にあった御木のさ小橋(みきのさおはし)である。巨大な倒木による丸木橋とされている。 人工の橋では同じく『日本書紀』によると仁徳天皇の14年に現在の大阪市に猪甘津橋(いかいつのはし)がかけられたのが最古とされている。 また、僧侶が橋をかけたことが知られている。これは僧侶が遣隋使遣唐使として中国に渡り技術を学んできたことや、救済の一環として土木事業を指導したからである。宇治橋をかけた道昭や山崎橋をはじめとする行基の活動、空海(と弘法大師伝説)はよく知られるところである。一方、当時の律令政府は勢多橋などの畿内の要所を例外とすれば、橋の築造には消極的であった。『日本紀略』の延暦20年5月甲戌条には河川に橋が無い事での搬送が困難な場合にはその度に舟橋を架けるように命じており、逆に言えば恒久的な橋の建造の必要性を認めていないとも解することが出来る。

[編集] 中世の橋

ローマが滅んだ後、優れた土木技術は失われてしまった。この為、流出した橋には再建されず放棄された橋も多い。 依然石造りのアーチ橋は造られていたが。 この時代に橋を架けたのは聖職者だった。日本の僧侶が橋を架けたこととも共通し、興味深い。

戦乱の続いた時代では橋は戦略上重要な拠点となるため、守備用の塔が付属して建てられたり、戦時に簡単に壊せるようになっていたものも多い。 ルネサンス期になると扁平アーチが開発され、軽快な石橋が建設されるようになった。

[編集] 産業革命後の橋

産業革命によって生じた鉄をもちいた橋が出現する。さらに鉄道網の進展、自動車の普及と交通量の変化に合わせて重い活荷重に耐えられる橋が要求されるようになってきた。また、経済の急速な発展に伴い、経済的で短期工期が重視された。

[編集] 現代の橋

構造の強さだけでなく周囲の景観、気象、環境、経済圏を含めた設計が要求される。

また、日本の道路橋に対する技術基準の変遷については、道路橋示方書を参照のこと。

[編集] 主な構成部材

[編集] 上部構造

交差対象となる川や道路などを横断するように設置される線状の部分で、車両や人間は上部構造の上または内部を通過することで橋を渡る。支間長に応じて各種の構造形式が提案されており(構造別による橋の種類を参照)、橋の外観にもっとも影響を与える部分である。桁橋トラス橋などの場合、主に荷重を受け持つ主桁や主構などと、車両や人などを直接支える路面をつくる床版(しょうばん)が主要な部材である。吊橋斜張橋では主塔やケーブルも上部構造に含まれる。さらに、車両や人などが橋から逸脱、落下するのを防ぐ高欄(こうらん:欄干・らんかん)や自動車防護柵、照明柱などの添加物、下部構造とをつなぐ支承や道路と橋梁の境にあたる伸縮継手も上部構造に含まれる。

[編集] 下部構造

上部構造を支え荷重を地盤に伝達する役目を持つ。橋台(きょうだい)と橋脚(きょうきゃく)の上に設けられた支承(ししょう)によって上部構造は支持される。橋の両端に設置されるものを橋台、中間に設置されるものを橋脚と呼ぶ。基礎は橋台、橋脚を含めた橋全体の荷重を地盤に伝達する役目を持ち橋の形式や荷重の大きさ、地盤の状態により各種の形式がある。

[編集] 橋の種類

[編集] 構造別

橋の構造形式には以下のような種類がある。なお、主な部材にはたらく力については、構造力学材料力学力学などの項目を参照のこと。

  • 桁橋
    桁橋 - 2つあるいは3つ以上の支点上に水平に桁を架け、その上あるいは内部を通行する橋。桁には曲げモーメントせん断力が作用する。材料にはコンクリートなどが用いられ、I形、箱形、T形などの断面がある。一般に荷重を主として負担する主桁と通行路を造る床版は異なる部材だが、比較的小規模のコンクリート橋では床版が主桁としての役割も果たす床版橋(スラブ桁橋)もある。また、吊橋の桁は補剛桁と呼ばれる。
  • トラス橋
    トラス橋 - 棒状の部材を三角形に組み合わせ交点(格点と呼ぶ)をピンで結ぶトラス構造を用いた橋。トラス部材には軸力(圧縮力または引張力)のみが作用する。材料には鋼や木がよく用いられる。トラス部材の配置によって以下のような分類がある。平行弦ワーレントラス、曲弦ワーレントラス、垂直材付きワーレントラス、プラットトラス、ハウトラス、Kトラス。
  • アーチ橋
    アーチ橋 - 上向きの弧(アーチ)を用いた橋で、アーチ(アーチリブ)には大きな圧縮力と比較的小さな曲げモーメント、せん断力が作用する。コンクリートや鋼あるいは木のほかに、近代以前ではがよく用いられていた。
  • ラーメン橋
    ラーメン橋 - 橋脚と主桁が剛に結合された骨組(ラーメン)構造を用いた橋。ラーメンはドイツ語のRahmenに由来する。部材には軸力、せん断力と曲げモーメントが作用し、材料としてはコンクリートあるいは鋼が用いられる。構造力学の観点からは、ラーメン構造は力のつりあい方程式の数より未知反力の数の方が多い不静定構造である。これより過大な荷重によってある部材が大きく変形しても落橋は免れたり、橋脚上に支承がなく上部構造がずれ落ちたりすることがないため耐震性の高い構造と考えられている。
  • 斜張橋と吊り橋
    斜張橋 - 1本以上の主塔からケーブルによって桁を吊り下げた構造。吊橋と同様にケーブルは鋼製で、主塔と桁は鋼やコンクリートが用いられる。ケーブルには引張力、主塔には圧縮力がはたらき、桁には曲げモーメント、せん断力と軸力が作用する。
  • 吊り橋 - ケーブルロープなど曲がりやすいが引張強度が大きい部材から桁あるいは床版を吊り下げた橋を呼ぶ。近代以降の大規模な吊橋は、両岸に大きな質量を持つ橋台(アンカレイジ)とアンカレイジの間に2本以上の主塔を設け、その間に張り渡したケーブルから通行路となる桁を吊り下げる形式を採る。このような吊橋では、桁は通行路として橋の形状を保つ程度の剛性を持つため補剛桁と呼ばれる。ケーブルには引張力、主塔には圧縮力が作用する。ケーブルには高強度の鋼、主塔には鋼やコンクリートが主に用いられる。また、橋台から床版を直接吊り下げる吊床版橋や、アンカレイジを用いず桁の両端にケーブルを結ぶ自碇式吊橋などの形式もある。

[編集] 材料別

主要構成部材の材料により、以下のような種類がある。

  • 鋼橋 - 橋の上部構造にを用いた橋。鋼はコンクリートに比べて比強度が高い、すなわち橋を軽くすることができるので、支間長の長い橋には鋼がよく使われる。
  • コンクリート橋 - 橋の上部構造がコンクリート製の橋。コンクリートは圧縮強度に比べて引張強度が低いため、引張応力を鋼材で負担する鉄筋コンクリートや、PC鋼材によりあらかじめ圧縮力を与え引張応力を打ち消すプレストレストコンクリート(PC)を用いる。近年のコンクリート橋はアーチ橋やごく小規模なものを除き、ほとんどがPC橋である。
  • 木橋 - を用いた橋。橋の材料として古来から用いられており、現在でも人道橋など荷重強度が小さな橋を中心に架設例がある。特に1990年代以降は、従来の無垢材に加えて集成材の利用が進み、以前の伝統的木橋と区別して「近代木橋」と呼ばれることもある。このほか、鉄筋コンクリートや鋼材、繊維強化プラスチックなどとの複合橋も架設されている。橋梁形式としては、桁橋、トラス橋、アーチ橋を中心に各種の形式がある。
  • 土橋 - 木橋の橋面を丸太で作り、上を土でならした橋。簡素である。
  • 石橋 - を用いた橋。日本では江戸時代から明治時代にかけて、九州、特に熊本県や大分県を中心に多く架けられた。現存する橋も多く地域の文化的遺産として扱われる例が多いが、現代の新設橋で石を主要材料として用いることはほとんどない。コンクリートと同様圧縮強度が比較的大きいためアーチ形式が多く採用されるが、桁橋も若干存在する。
  • 複合橋 - 異種材料や異種部材による合成構造あるいは混合構造を用いた橋。一般には、鋼部材とコンクリート部材を組み合わせた上部形式を指す。
    • 合成構造 - 古くから、床版を鉄筋コンクリート、主桁を鋼桁とした合成桁橋が古くから用いられてきたが、構造形式としてきわめて一般的であり、合成構造には含めないことが多い。近年の形式としては、
      • 鋼合成桁橋 - PC床版と鋼桁を組み合わせた橋
      • 波形鋼板ウェブ橋 - PC箱桁橋のウェブ部材に波形上に加工した鋼板を用いる橋
      • 鋼複合トラス橋 - 上床版・下床版をコンクリートとし、鋼部材による斜材を組み合わせたトラス橋
    • 混合構造としては、多径間の一部が鋼桁、他がコンクリート桁からなる橋などがある。コンクリートの他に炭素繊維グラスファイバーなど比較的新しい材料を用いた複合橋も提案されている。

[編集] 機能別

用途による橋の呼称
通過交通
および総称
道路 歩道 鉄道
道路橋 人道橋
(歩道橋)
鉄道橋
川・谷・海を渡る 橋・橋梁 橋・人道橋 橋梁
道路を渡る 跨道橋 横断歩道橋 架道橋
鉄道を渡る 跨線橋 跨線橋 線路橋

橋はその果たす機能により様々な名称が用いられる。大きな区分として通過交通による分類、すなわちその橋が何を渡すものであるかが挙げられる。一般的なものとして、道路交通(自動車)を渡す道路橋、人を渡す人道橋(歩道橋)、列車を渡す鉄道橋などがあり、さらに何を渡る橋であるかによって右表に示す呼称が使い分けられる。

また、特殊な機能を果たす橋として、水道を通すための水道橋(水管橋)、道路と鉄道の双方を渡す併用橋などがある。

[編集] さまざまな橋

[編集] 世界最長の橋

[編集] 日本最長の橋

  • 明石海峡大橋 - (世界最長の橋を参照)
  • 多々羅大橋 - (世界最長の橋を参照)
  • 関西国際空港連絡橋 - (世界最長の橋を参照)
  • 蓬莱橋 - (世界最長の橋を参照)
  • 古宇利大橋-(通行料無料の橋としては日本最長。1.96km・2005年2月開通)
  • 谷瀬の吊り橋奈良県) - 歩行者用専用の吊り橋として日本最長。297m。

[編集] 特殊な橋

跳開橋 神戸ハーバーランド(はねっこ橋)
家屋付きの橋 ポンテ・ヴェッキオ
  • 可動橋 - 河川上を船が通過するときに橋(の一部)が動くことで航路を確保している橋。架橋技術の進歩で桁下の空間が大きくとれるようになったので新規の架橋は少ない。形状によりさらに旋回橋、昇開橋、跳開橋、引込橋に分類される。
  • 運搬橋 - 可動橋と同様、航路を確保するために考えられた形式。非常に高い位置に橋をかけ、そこからワイヤーで吊したゴンドラを行き来させることで人や荷物を対岸まで輸送する。現存数は非常に少ない。
  • 浮橋 - 舟橋、浮体橋とも。鎖やロープで繋いだ舟を並べ、その上に橋桁を設置する。現在の日本ではあまり見られない形式だがアメリカ合衆国やノルウェイで大規模な施工例がある。速やかに架橋でき、いざというときには撤去も簡単なので軍事目的での利用も多い。
  • クローバー橋 - 中央部は通常の橋と同じく一本になっているが両端は二方向に分離し、上から見ると「 X 」のような形状の橋。隅田川に架かる桜橋、釧路市にある旭跨線橋(4車線路)が代表例。
  • 家屋付きの橋 - 旧ロンドン橋、ポンテ・ヴェッキオ(ベッキオ橋)
  • 屋根付きの橋 - 橋の構造材の劣化速度を遅くする目的で覆いをかけたもの。
  • 橋上駅 - 鉄道駅の一種で、プラットホームの上に駅舎があり、跨線橋と一体化しているもの。
  • 鉄道道路併用橋 - 鉄道道路が一つの橋を共用するもの。
  • 橋上店舗 - 川に架かる橋の上が店舗になっているもの。日本に現存するものでは渋谷川の上にある東急百貨店東横店東館がその代表例である。


[編集] 世界の有名な橋

[編集] 有史以前

  • 天然橋 - 天然の橋。雄橋(日本・広島県)、プレヒシュ(スイス)、ロックブリッジ(アメリカ合衆国)が世界三大天然橋として有名。

[編集] 古代

[編集] 中世

[編集] 近代~現代

[編集] 崩落した橋

[編集] 日本の主な橋

アーチ橋 萬代橋
ループ橋 河津七滝ループ橋
ヴィーナスブリッジ
沈下橋
通天橋
ながれ橋
吊橋
  • 南備讃瀬戸大橋(香川県坂出市) - 吊橋(補剛トラス部支間長1,100m)橋長1,723m、1988年竣工
  • レインボーブリッジ(東京都) - 吊橋(補剛トラス部支間長562m)橋長798m、1993年竣工
  • 若戸大橋(北九州市) - 吊橋(補剛トラス部支間長367m)橋長627m、1962年竣工
斜張橋
トラス橋
アーチ橋
ループ橋
その他様々な橋

[編集] 文化

古来より橋は人の流れの中継点となり、文化の要素を生み出してきた。

[編集] 歌に登場する橋

[編集] 伝承・伝説に登場する橋


[編集] その他作品に登場する橋

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 関連書


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