核兵器

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大量破壊兵器
種類
生物兵器
化学兵器
核兵器
放射能兵器
国別
アメリカ アルジェリア
アルゼンチン イギリス
イスラエル イタリア
イラク イラン
インド オーストラリア
オランダ カナダ
ドイツ パキスタン
フランス ブラジル
ポーランド ロシア
北朝鮮 台湾
中国 日本
南アフリカ [編集][ノート]

核兵器(かくへいき)は、核反応による爆発大量破壊に用いる目的で作られた兵器の総称。原子爆弾水素爆弾中性子爆弾等の核爆弾核弾頭)とそれを運搬する運搬兵器で構成されており、特に戦略爆撃機弾道弾搭載原子力潜水艦(SSBN)大陸間弾道弾(ICBM)の三つは核兵器の三本柱(トライアド)として知られる。

核兵器は、生物兵器化学兵器と合わせて一般にNBC兵器(又はABC兵器)とも呼ばれる(一部放射能兵器も含めて核兵器と称する場合があるが、厳密には両者は区別されるので注意を要する)。

目次

[編集] 核兵器の歴史

原爆の被害者

[編集] 第二次世界大戦と核兵器開発

1930年代中性子による原子核の分裂が連鎖的に行われれば、莫大なエネルギーが放出されると仮説が立てられていた。1939年ウランによる核分裂の連鎖反応が実験実証されると各国で原子炉の開発が開始された。当初は必ずしも兵器目的ではなかったが、この年の9月に第二次世界大戦が勃発すると、核分裂の巨大エネルギーを兵器として利用する原子爆弾の可能性が活発に議論されることになる。原爆の秘密裏の検討は連合国側・枢軸国側ともに行われていたとされる。<ref>例えば、U-234に見られるように核兵器に必要なウラン鉱石をドイツから日本へ運搬する計画が存在した(日本の原子爆弾開発を参照)。</ref>

[編集] マンハッタン計画

この時代で原爆開発を組織的に最も推進できたのはアメリカであった。 当時のアメリカにはナチスユダヤ人迫害から逃れてアメリカに移民した優秀な科学者が大勢おり、その一人のレオ・シラードアインシュタインらの署名を得て、ルーズベルト大統領にヒトラーの核保有と独占の危険性を訴える手紙を送った(1939年8月)。これを契機に原爆開発がスタートしたとされる。 この秘密開発プロジェクトはマンハッタン計画と呼ばれた。 ウラン濃縮プラント・プルトニウム生産炉の各巨大工場の建設、そしてオッペンハイマーが率いるロスアラモス研究所には優秀な科学者を全米から集め、アメリカの軍・産・学の総力を挙げた国家プロジェクトとなった。最初の原爆は1945年7月16日に完成(3個)し、そのうち1個(ガジェット)によりアラモゴードの砂漠で世界最初の原爆実験を実施した。残りの2つの原爆が日本に投下された。

詳細はマンハッタン計画を参照
核兵器使用後の都市(1945年、広島)

世界初の原子爆弾の実使用は、1945年8月6日に広島に対して濃縮ウラン型原爆リトルボーイB-29エノラ・ゲイ)からの投下で実行された。ついで1945年8月9日には長崎に対してプルトニウム型原爆ファットマンが投下された。 原爆投下により両都市は一瞬にして壊滅し、数十万人が殺害された。 原爆炸裂によるきのこ雲の頂点は17kmと成層圏に達し、雲からは放射性物質を含む黒い雨が30kmの範囲に降り注ぎ、被曝の人的被害を拡大した。

詳細は広島市への原子爆弾投下長崎市への原子爆弾投下を参照

原爆の成功に軍当局は喜んだものの、原爆使用の実体が明らかになってくると世界は畏怖し、原爆開発に関係した科学者からも原爆反対の声があがっていくことになる。

なお、核の力によるアメリカの単独覇権は想定通りとならなかった。予想以上に早く、1949年にソ連が原爆実験に成功したからである。 これ以降、世界は核の均衡の上の冷戦の時代に突入する。

[編集] 冷戦時代の核競争

核実験を至近距離で見つめる兵士たち。核攻撃直後の被爆地における作戦行動能力の調査という名目であったが、人体への影響を調査する実験体であったとも言われる。
アメリカ合衆国(青)とソビエト連邦(ロシア、赤)の核兵器保有量の推移(1945年-2005年)

冷戦時代には、アメリカ合衆国とソビエト連邦の間で核兵器の大量製造、配備が行われた。イギリス、中国、フランスも核兵器を開発、保有した。核兵器の量は地球上の全人類を滅ぼすのに必要な量を遥かに上回っていたとされる。また、核による先制攻撃を通じて相手国に致命的なダメージを負わせ、戦争に勝利するという戦略を不可能にするべく、相手国の攻撃を早期に探知し、報復するためのシステムが構築された。この戦略は相互確証破壊(Mutually Assured Destruction, MAD)と呼ばれ、冷戦期の核抑止をめぐる議論で重要な役割を果たした。

また核兵器の小型化にともない冷戦期には戦略的な使用のみならず戦場などで使用される戦術核兵器も開発され、同時代のミサイルの信頼性の低さを補うための対空核ミサイル、潜水艦を確実に沈めるための核魚雷、敵部隊を一撃で殲滅するための核砲弾など、ありとあらゆるものの核兵器化が行われた。

[編集] 核の冬

核兵器の大量使用の後には、地表は放射性物質で汚染され、また放射性物質を含む灰が降ることになる。巻き上がった灰によって日光が遮られ、地表の気温が低下し、植物が枯れ、人間が生存できない環境になることが指摘された。このような状態は核の冬と呼ばれる。この核の冬を生き延びるための手段は用意されなかった。爆心からある程度離れた地点で、核爆発時の熱、爆風、放射線を逃れ、核爆発後の放射能の減衰を待つための核シェルターと呼ばれる地下施設が考案されたのみである。

核兵器の恐怖や核戦争のリスク、放射線による殺傷の残酷さなどは知識人、作家、政治家、政治活動家、一般市民など多くの人々の関心を呼んだ。そのため反核運動が生まれた。

また核による人類の終末や文明の没落、没落後の荒廃した世界などは、未来を舞台とするさまざまな作品でとりあげられた。

[編集] 冷戦の終結と核の拡散

崩壊寸前の旧ソ連とアメリカ合衆国は、1991年7月からの第一次~第三次戦略兵器削減条約(START1。現在は3)による核兵器の削減が進んでいた。ソ連が崩壊した後も、現在のロシアが戦略兵器削減条約を引き継ぐ形で進行していたが、しかしながら2001年に就任したジョージ・W・ブッシュ大統領は「抑止としての核兵器」より「使える核兵器」を重視する考え方のもと、核削減の潮流に逆行している。また、ロシア もSTART2 に調印こそしたものの、一時的なアメリカとの対立などから批准が遅れている。

ソ連の崩壊後は、経済情勢の悪化や汚職の蔓延に伴う管理体制の不備から、ロシアから第三国への兵器の流出、あるいは技術者の流出が増加しているとされる。かつての核大国以外での核兵器の使用、誤使用などのリスクは、冷戦時代とは違った意味で増大している。

これらのことから、自国の安全という核抑止論で配備された核兵器が、安全を脅かす存在そのものとして世界各国に散らばり、さらにそれらに対する安全としてさらに増加し、全世界を巻き込む騒動の火種となりつつあることを示している。

近年ではカシミール地方の領有権を巡るインド・パキスタンの国境紛争が核兵器の使用につながる可能性があると指摘され、懸念を呼んだ。

また北朝鮮は体制維持を目的に、近隣他国に対する交渉手段として、核兵器の開発を継続していると言われていたが、2006年核実験を実施したと公表した。

詳細は朝鮮民主主義人民共和国の核実験 (2006年)を参照。

[編集] 核兵器拡散状況

核兵器の開発状態により色分けされた世界地図。:NPTの5つの核保有国(アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国)。濃いオレンジ:その他の知られている核保有国(インド、パキスタン)。薄いオレンジ:核の保有、または開発が疑われる国(イスラエル、北朝鮮、イラン、ウクライナ<ref>米科学者連盟によると、ウクライナが旧ソ連から受け継いだ核兵器は1996年6月までにすべてロシアに引き渡されている。</ref>。:核の保有、または研究がかつて存在した国。

[編集] 核兵器保有国

[編集] 旧連合国(国際連合安全保障理事会常任理事国

  1. アメリカ合衆国
  2. ロシア連邦
  3. イギリス
  4. フランス
  5. 中国 - (中華民国は戦後国共内戦に敗れ台湾に逃亡。厳密には旧連合国ではない)

[編集] 第三世界

  1. インド - 1974年に核実験
  2. パキスタン - 1998年に核実験
  3. 北朝鮮 - 2006年に核実験実施と宣言(他国未検証)

[編集] 核兵器または核兵器開発放棄国

  1. 日本 - 日本の原子爆弾開発を参照。
  2. 南アフリカ共和国 - かつて保有していたが、現在は放棄。
  3. リビア - 核開発を公式に放棄。
  4. スイス - 冷戦終結のため、1988年に核開発を放棄(1995年発表)[1]
  5. スウェーデン - 1970年に核不拡散条約 (NPT) を批准、計画を完全中止(2001年発表)[2]
  6. ブラジル - アルゼンチンとの対立から軍事政権期に核開発計画を進めていたが、1988年に放棄を宣言。
  7. アルゼンチン - ブラジルとの対立から核開発計画を進めたが、ブラジルが計画を放棄したのに合わせ1990年に両国共同で核放棄を宣言。
  8. イラク - イスラエルの空爆(イラク原子炉爆撃事件)で頓挫、その後は核開発疑惑等によりイラク戦争を招き、その結果全ての核兵器開発計画を完全に中止。
  9. ウクライナ -旧ソ連の核兵器が保存されていたが、1996年6月までに全量ロシア政府に移管されたとされる。

[編集] 核兵器保有疑惑国

  1. イラン - 最近(2006年4月)正式に核開発を認めた(イランの核開発問題)。
  2. イスラエル - 核兵器保有はほぼ確実だが、公式見解での保有に関しては不明(肯定も否定もしていない)。ディモナで数百発作成し(バヌヌ氏の内部告発)、インド洋上で南アフリカと合同実験済との主張もあるが、真偽は不明である。また、1979年9月に、南極に近いノルウェー領ブーベ島とイギリス領プリンス・エドワード島の間で大規模な爆発が観測されたうえに、放射性物質が降り注いだことから、いずれかの国が核実験を行ったのではないかとの指摘があったが、これも核実験とは確定されていない。引用[要出典]
  3. 北朝鮮 - 核兵器保有宣言をおこなったが、保有状況は不明(米情報機関の推定は2-20発で、意見が分かれている)。2006年10月9日地下核実験実施報道がされる。パキスタンの核技術が流れている疑惑もある(パキスタンのカーン博士の告白から)。2006年10月に核実験を実施したと発表したが、規模の小ささや核実験の客観的な証拠の少なさなどから偽装説や失敗説が囁かれ、日米等は見解を留保している。
  4. 台湾 - 寸前まで行ったが、CIAの工作で頓挫。

[編集] 日本の核戦略

[編集] 非核三原則

日本政府の核に関する基本政策は、原子力の平和利用であり、非核三原則を採っている。 核エネルギーは平和利用にのみ利用するとして、日本は核兵器拡散防止条約に批准している。 条約履行にて、IAEAの査察を受け入れ、核兵器製造につながる行為を自ら禁止している。 ただし非核三原則に関しては、日本に入港する米国艦船及び米軍基地を日本政府が査察しているわけでもなく、「持ち込ませず」に関しては事実上形骸化しているとの見方もある。

日本は、広島長崎原子爆弾が投下された世界で唯一の被爆国<ref>但し、南太平洋などでは核実験により被爆者が出ている。ここでいう唯一とは、戦争において唯一という意味である。</ref>としての歴史により、現在でも自国の核保有に対しては否定的意見が圧倒的多数を占める。

日本は、アメリカ・中国・ロシア(旧ソ連)の核保有軍事大国の中間地点にあり、また周囲に朝鮮半島軍事境界線、台湾海峡など国際的軍事対立地点がある。現在の日本の基本戦略は東アジアの安定化による平和、それに基づく自国の経済発展と他国の発展援助である。

[編集] 核武装論の意見

上記のような現状の政府方針、および日本国民の多数意見に対して、「中国・北朝鮮の核政策に対抗して日本も核保有すべき」「核武装してこそ国際社会での正当な発言力が得られる」など核武装論を主張する強硬な保守派急進論客も国内に存在する。一部の政治家の中にも(将来の可能性としてであるが)核武装に肯定的な見方を示している者もいる。

小泉政権から続く対極東アジア外交の冷え込みとあいまって、近年の中国や北朝鮮の恫喝的外交・軍事政策(中国の基本軍事政策とそれに伴う侵犯事件・北朝鮮の核実験)を鈍化させ、軍事的恫喝を阻止するためには日本が核保有すべきだ、という論調も最近多く見られる。[要出典]

[編集] 核開発の付帯的条件

核を兵器として完成するには最低限でも臨界実験などの実証実験が不可欠であり、 偵察衛星などの監視技術が発達した現在では、多くの痕跡を残す核実験はたとえ爆発を伴わない臨界実験であっても秘密裏での実施は困難とされ、政治的問題を無視した核武装は不可能である。

また核兵器に使用する核燃料の精製施設もこれらの監視をくぐりぬけて秘密裏に建造することは極めて困難であり(特に兵器に転用するほどの核燃料の精製には莫大な電力が必要とされ、これを賄うために発電所を併設するとなると電力需要に不釣合いな大規模な発電施設の計画を立案した時点で発覚は必至とも)、核実験以前にそれらの製造施設や付随施設の建造さえも、秘密裏に行うことは実質的にほぼ不可能とされている。

以上の条件を克服するための各種方法がある。

  • 最近臨界に至らない「未臨界実験」という方法が開発され、アメリカ政府はこれで新型兵器の開発をしているという。
  • コンピュータによるシミュレーション技術はほぼ完成を見ている。(現在のワークステーションクラスで十分である)
  • ウラニウムの濃縮には、電力のかかる遠心分離法ではなく、レーザー法がある。
  • イスラエルと南アフリカの共同核実験(インド洋上、厚い雲の下)は数回行われたが、米国(ヴェラ衛星)が探知したのは1回だけとされている。
  • アメリカはインドの核実験を探知できなかった事は、ほぼ確実な事実とされる。
  • 「核の闇市場」があり、特に旧ソ連から流出した核兵器や、パキスタンのカーン博士のネットワークから、核物質や核兵器が入手可能であった。

一旦核武装を宣言すれば短期間で核兵器の開発・配備が可能であるとする説[要出典]

すなわち、日本には既に実用稼動している原子力発電所が多数存在し、プルトニウム製造に向く高速増殖炉などの高度な核ノウハウが蓄積しているという実情があり、そこから、核兵器の開発を開始するにあたって技術的な問題はほぼ存在しないとする。また、核の運搬手段その他の周辺技術も、軍事とは別の目的で研究が進んでいるとする。

この説によると、日本が潜在的核保有国とみなされる根拠は以下の通りである。

  • 核兵器の製造開発に必要な核技術を日本は有している。
  • 核兵器の原料となるプルトニウムを大量に備蓄している。
  • 核兵器の運搬手段に転用する事が容易な大型の固体燃料ロケットの運用実績がある。

なお、上記のような潜在的核戦力を戦略的に保持し続けるべきとの意見も一部に見られる[要出典]。核爆弾を製造するためには核実験が不可欠であり、日本は行なっていないため即時武装は不可能だが、同盟国から核爆弾に不可欠な核分裂反応を起こさせるための臨界状態を発生させるための爆縮技術に必要なデータを提供してもらうことで製造することは理屈上可能である(無論、可能性はあまり高くないが)。

日本独自で核開発を行う場合、3年の開発期間と数千億円の費用がかかるとの試算もあるが、核兵器を実戦配備する費用と維持管理する費用はそれ以上かかるといわれている[要出典]。 -->

[編集] 現首相安倍晋三の意見

憲法解釈上日本も核武装が可能であるとの見方を岸信介元首相が示して以来、政府はこれを訂正していない[要出典]。岸信介の孫である現首相安倍晋三も岸の見方の影響下にあると思われ、岸と同様の憲法解釈を思わせる発言をしている。ただ、実際に日本が核武装するかに関しては、2006年10月10日の衆院予算委員会の外交問題に関する集中審議において、北朝鮮の核実験実施の発表に関連し「我が国の核保有という選択肢は全く持たない。非核三原則は一切変更がないということをはっきり申し上げたい」と明言している。

なお、安倍内閣の閣僚や党役員からも、非核三原則の堅持を口にしつつも岸同様の憲法解釈と核武装に関する議論が必要との発言が出ている。

[編集] 各国の核戦略

核兵器は現実問題として、積極的に使用することは困難な兵器であり、その存在意義は防衛的、戦略的なものが強い。アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インドは大国であり、防衛のために核に頼る必要は少なく、戦略的な意味合いが強い。即ちアメリカは世界戦略、その他の諸国は地域の安定化、自国に有利な状況を作り出すために核を保持している。

一方パキスタンやイスラエル、北朝鮮のような比較的軍事的に脆弱な国は、最後の安全保障として核に頼る考えを持っている。台湾やイラクも同じ思想を持っていたが、台湾は米国の説得により、イラクはイスラエル軍がイラクの原子炉を破壊したことにより(イラク原子炉爆撃事件)、それぞれ開発を断念した。また北朝鮮のように、核カードを切って譲歩を導き出そうとする国家も存在する。

これらの(一応は合理的な本来の)目的のほかに、国威高揚を目的として核開発を行う場合も少なくない。究極的な軍事的自立を目指せば核が必要になり、核という先端技術そのものも宇宙開発同様、国民の自尊心称揚の手段になると考えられるからである。これは一部の強硬な核武装論者の主張でもある。

南アフリカ共和国は核兵器を開発、配備しながら、廃絶したことを公表した唯一の国である。

[編集]

<references/>

[編集] 関連項目

[編集] 核兵器が関連する作品

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