攻殻機動隊
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『攻殻機動隊』(こうかくきどうたい)は、士郎正宗作による漫画、及び派生作品。原作の英表記は GHOST IN THE SHELL。原作者は漫画の執筆前、「GHOST IN THE SHELL」のタイトルを希望したが、編集者の意見で「攻殻機動隊」に決定したという。 ちなみに、「攻殻機動隊」をエキサイト翻訳や@nifty等で和英翻訳(日→英)すると「Ghost in the Shell」と正しく翻訳される。(yahoo!翻訳では未対応) また、副題の「THE GHOST IN THE SHELL」はアーサー・ケストラー著の『The Ghost in the Machine(機械の中の幽霊)』を捩ったものであり、 この中で取り扱われている概念が本作に使われている。そして、さらに古いものとなればルネ・デカルト著の『方法序説』にも同様の記述があり、むしろ、大本はこちらであると言える。これらは、より深く攻殻機動隊を理解したい場合、参考になる。
劇場用アニメ映画他、テレビアニメ、小説、ゲームなどの派生作品が展開されている。
なお、「甲殻機動隊」、「功殻機動隊」、「攻核機動隊」は誤記。
目次 |
[編集] 概要
時代は21世紀、第三次核大戦と第四次非核大戦を経て、世界秩序は大きく変化し、科学技術は飛躍的に高度化した。その中でマイクロマシン(作中ではマイクロマシニングと表記されている)技術を使用して脳の神経ネットに素子(デバイス)を直接接続する電脳化技術や、義手・義足にロボット技術を付加した発展系であるサイボーグ(義体化)技術が発展、普及した。その結果、多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来した。人間、電脳化した人間、サイボーグ、アンドロイド、バイオロイドが混在する社会の中で、テロや暗殺、汚職などの犯罪を事前に察知してその被害を最小限に防ぐ内務省直属の攻性の公安警察組織、攻殻機動隊(公安9課)の活躍を描いたサイエンスフィクションである。
作品中に描かれている独特の世界観、精密な描写、緻密な状況設定や未来技術の考証などがSFマニアやアニメファンを惹きつけた。
人体にインプラントしたプラグ結線によるサイバースペースへの没入、企業AIの攻撃型防壁、着用型擬装装置、人間をハッキングして操るAI人形使い、人間と融合し神のごとく進化するAIなどから、小説『ニューロマンサー』の影響が伺える。
[編集] 世界観
物語の舞台は日本を元にしたパラレルワールドで、大規模な核戦争(第三次核大戦1996年2月勃発、前年においてソ連が中東に軍事介入しイスラエルを抑えて追って地中海に進攻しECと正面衝突後、翌年大戦。)及び第四次非核大戦(1999年、裕福なアジアとEC間で摩擦が生じ、同年9月に日本は核攻撃され首都圏壊滅、後にアジア諸国対EC米開戦。長期泥沼血みどろ戦争。)を経て荒廃した2030年。特徴として、東京(首都圏)を舞台の中心にしていない事があげられる。本作は独自の世界観に対しても評価が高い。
[編集] 地理
- 関東地方
- 物語中に時折現れる地図では東京及び関東平野(首都圏)の東部分は海となっており、東京都の東半分と神奈川県(横浜市や川崎市、横須賀市の沿岸部)、千葉県全域は核戦争の地殻変動で水没したと見られる。作中には道路標識もよく現れる。そこでは新宿などは「旧市街地」と表記されており、東京が日本の中心では無くなったことを示している。
- また核攻撃を受けた東京(広い意味で首都圏)は一部でまだ放射能汚染が続いており戦後30年間、放置されている状態。これは政府が福岡市や新浜市、神戸市など西日本に首都機能を始めとする都市機能などの拠点を置いたため、核で汚染された東京旧首都圏をわざわざ復興させる必要も無いと考えているからとされる。
- 関西地方
- 東京首都圏に代わって、日本国の首都機能が集約している地域の一つが関西地方にある新浜県新浜市である。新浜市は兵庫県神戸市の沖合いに埋め立てによって造成された海上人工都市。物語中では新浜市の背景に六甲山系と思われる山が描かれている。新浜市がここまで発展したのは戦時中、東京の首都代替地として機能していた為。また兵庫県を始め、関西地方各地の地名も度々登場する事から、戦争で東京程の攻撃を受けていない模様。劇中の2030年現在の日本の首都は福岡市であることからアメリカ合衆国におけるワシントンD.C.(=福岡市)とニューヨーク(=新浜市)のような関係であると推測される。
[編集] 物語中に登場する地名
- 根室
- 北海道に存在した都市。物語では戦後は近隣国によって占領されていることになっている。日本でただ1ヶ所だけ戦場になった都市であり、「根室上陸工作戦」などの物理戦・電脳戦を中心とした大規模な奪還作戦<ref>原作およびSACでは草薙素子、『イノセンス』ではバトーとキムが軍人として参加したとなっている。</ref>が展開された記録もある。
- 択捉島(北方領土)
- 物語中では1991年に日本国に返還され、その後極東最大の情報集約型都市として飛躍的発展を遂げるが、返還後も国家主権が曖昧な状態が続いたため、多国籍企業や犯罪組織の巣窟・無法地帯となってしまう<ref>『イノセンス』では経済特区と呼ばれている。</ref>。
- 福岡市
- 物語中では日本の首都。高層ビルが所狭しと立ち並び、大都会という印象を受けるが、一方で屋台が軒を列ねる通りもあり、現実世界の福岡を思わせる風景が見られる。
- 新浜県新浜市
- 神戸沖合いにある海上人工都市。戦中は暫定首都として機能した。公安9課の本部が所在することから物語上、非常に重要な都市である。愛媛県新居浜市との関連性はない。神戸の沖合に浮かぶ海上人工都市で、ニューポートシティとも呼ばれオフィス街や移住区が複合的に配置されている。作中では1999年に東京に核が撃ち込まれ壊滅したため、首都機能を一時この新浜市に移した。そのため、今もその名残として省庁などの政府機関の建物が点在する。
- 住吉台
- 物語中の事件、看護師殺害事件の容疑者の住所。神戸市東灘区に実在。
- 首都高速道路
- 新浜県と兵庫県を走る高速道路。首都は福岡市に移転しているにも関わらず「首都高」を名乗っている。
- 新浜大橋(明石海峡大橋)
- 新浜県新浜市と兵庫県神戸市垂水区を結ぶ道路。
[編集] 技術
[編集] 組織等
[編集] 備考
<references />
[編集] 作品
[編集] 漫画
原作。初出「ヤングマガジン海賊版」1989年5月号。
- 攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL
- 1991年10月発売。人形使いに関する一連の事件の顛末が描かれる。
- 攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSOR
- 2003年7月発売。ブックレット付きCD-ROM。素子が去った後の公安9課が描かれる。
- 攻殻機動隊2 MANMACHINE INTERFACE
- 2001年6月発売。公安9課を去った素子とその同位体達のストーリーが描かれる。
- 攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL バイリンガル版
- 2002年9月発売。英訳版でふきだしの中が英語になっているが、その脇に日本語が書いてあるので日本語しかわからなくても読める。しかし、士郎正宗による欄外解説文は、英訳は載っているものの原文は載せるところがなくなってしまい、巻末にまとめて収録されている。「ドタタタタ!」等、銃声などの擬音は日本語のまま。またこれとは別に"Ghost in the Shell" "Ghost in the Shell 2"の完全英語版の単行本がアップルシードと同様にアメリカのダークホース・コミックス社から刊行されており、こちらは擬音の書き文字も英語になっている。
[編集] 劇場版アニメ
- GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊
- 初公開1995年11月。監督押井守。漫画の1巻を基に制作されている。日本になじみの薄いSF小説的な内容のため、日本での興行成績はいまひとつだったが、アメリカではビルボード誌のビデオの週間売り上げ一位を記録(1996年8月24日付)するなど、海外で高い評価を受け、日本への逆輸入という形で日本でも評価されるようになった。また、ウォシャウスキー兄弟製作の映画『マトリックス』に多大な影響を与えている。
- イノセンス
- 初公開2004年3月。劇場版第一作の続編である。
[編集] TVアニメ
2002年、2004年、2006年にTVアニメ化された。 キャラクターの外見、設定は、劇場作品『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』に準じているが、物語の舞台設定は劇場版や原作のストーリーとは違うパラレルワールドとなっている。物語の背景に現実的なテーマを含ませており、『S.A.C』では「薬害」が、『2nd GIG』では「難民問題」が、『Solid State Society』では「高齢化問題」などが扱われている。
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
- 第一シリーズ。監督神山健治。2002年10月から SKY PerfecTV! のペイ・パー・ビューで放送され、2004年には日本テレビ系列数局で放送された。主に「笑い男事件」を扱っている。
- 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG
- 第二シリーズ。新たにストーリーコンセプトに押井守を迎え制作され、2004年1月から SKY PerfecTV! で、2005年には日本テレビ系列数局で放送された。主に「個別の11人事件」とそれに続く「出島事件」を扱っている。
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society
- シリーズ続編の長編作品。2006年9月に SKY PerfecTV! で放送された。『2nd GIG』から2年後の話で、草薙素子は公安9課を離れて独自の行動をとっており、組織を拡大した9課はトグサが隊長を務めている。「人形使い」を連想させる新たなゴーストハッカー「傀儡廻」が登場する。
なお、地上波放送では残酷な描写が多いなどの理由で数話が未放送になっている。また、『S.A.C.』『2nd GIG』のDVDには映像特典『タチコマな日々』が付属し、『SSS』のDVDでは、特典Diskに『ウチコマナ日々』が収録されている。
[編集] 小説
- 攻殻機動隊 灼熱の都市
- 遠藤明範著。1995年11月発売。
- 攻殻機動隊2 STAR SEED
- 遠藤明範著。1998年1月発売。
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 虚夢回路
- 藤咲淳一著。2004年1月発売。「目覚ましテロリスト事件」を扱うストーリー。
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 凍える機械
- 藤咲淳一著。2004年7月発売。公安9課課長暗殺計画と、タチコマの恋を扱うストーリー。
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 眠り男の棺
- 藤咲淳一著。2005年2月発売。「吸血鬼事件」を扱うストーリー。
- イノセンス After The Long Goodbye
- 山田正紀著。2005年9月発売(文庫版。単行本は2004年3月に発売)。「ブリーダー事件」を扱うストーリー。トグサが「またハダリが人を襲った」と口にしたり、結末の近くでバトーが「ハダリ」暴走事件の捜査に向かう場面があるので前日談とされる。
[編集] ゲーム
- 攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL
- PS。1997年7月発売。
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
- PS2。2004年3月発売。
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX -狩人の領域-
- PSP。2005年9月発売。
[編集] 関連項目
[編集] 小説
マイクロチップの魔術師:政府の作成したAIが最終的に女性ハッカーと融合するなど、人形使いのエピソードの原型が見られる。
[編集] 技術
ライフゲーム:漫画版「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」終盤の討論に登場する「グライダー」は、ライフゲームのパターンの一つ。
| 攻殻機動隊 | |
|---|---|
| 漫画 | THE GHOST IN THE SHELL | HUMAN-ERROR PROCESSOR | MANMACHINE INTERFACE |
| 劇場版 | GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 | イノセンス |
| テレビ | S.A.C. | S.A.C. 2nd GiG | S.A.C Solid State Society | タチコマな日々 |
| 小説 | 灼熱の都市 | STAR SEED | 虚夢回路 | 凍える機械 | 眠り男の棺 | イノセンス |
| ゲーム | GHOST IN THE SHELL | S.A.C | S.A.C 狩人の領域 |
| 音楽 | S.A.C. OST | S.A.C. OST2 | S.A.C. OST3 | 狩人の領域 SOUND PACKAGE | be Human |
| キャラ | 草薙素子 | バトー | トグサ | フチコマ | タチコマ | 笑い男 |
| 地理 | 出島 | 新浜市 | 米帝 |
| 技術 | 電脳化 | 義体化 | 光学迷彩 | 攻性防壁 | 身代わり防壁 | 防壁迷路 |
| 事件 | プロジェクト2501 | 笑い男事件 | 個別の11人事件 |
| その他 | 公安9課 | 電脳硬化症 | 村井ワクチン | パトリック・シルベストル | 初期革命評論集 | 日本の奇跡 | ゴースト |

