恐慌

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恐慌(きょうこう、 Wirtschaftskrise)とは、景気循環の過程のうち、不況段階における深刻な景気後退。経済学の研究分野の一つであるが、この現象を重要視するのはマルクス経済学である。

目次

[編集] 概要

19世紀には10年周期の景気循環により、恐慌現象が頻繁に起きていた。20世紀前半には世界恐慌が起きた。20世紀後半には経済政策の成果などもあり、凄惨な恐慌現象はあまり見られなくなった。政府中央銀行当局のマクロ経済学に関する知識も蓄積され、適切な金融政策をとることによって、かつて見られたような恐慌は回避できる、とするのが一般的である。それゆえ、現在の経済学、特にマクロ動学理論においては、経済成長論の方が重要視される。

[編集] マルクス経済学における恐慌論

マルクス経済学において、恐慌は貨幣が媒介する商品流通の現象であると考えられている。なぜなら貨幣が媒介した商品の流通は時間的・場所的な制約を突破するが、同時に商品交換に存在する自分の商品の譲渡(販売)と他人の商品の入手(購買)との直接的な一致が分裂するからである。購買と販売の無条件一致の前提は直接交換でないと成立しない、としている。

[編集] 恐慌の必然性

商品経済と階級社会を特徴とする資本制経済においては、生産手段の私的所有と、生産の社会的性格が矛盾する。したがって、生産の決定は資本家が行うことになり、供給がもっぱら利潤拡大を念頭に置かれるとともに、労働者搾取は激しくなる。このことから、生産の拡大傾向と労働者の消費制限の対立(生産と消費の矛盾)が生じ、生産と消費の不均衡が生じて経済が立ち行かなくなる。この不均衡を暴力的に解消し、再生産をもとどおり可能にさせる手段が、恐慌という装置である、と説く。

[編集] 学説

以下の2つが有名である。

  1. 不比例説
  2. 過少消費説

不比例説は、生産の無政府性により、生産と消費が不均衡になるため起こるとするものであり、ミハイル・トゥガン=バラノフスキーらによって主張された。過少消費説は、大衆の消費不足と資本家の消費制限から説くものであり、ジャン=シャルル=レオナール・シモンド・ド・シスモンディ、ヨハン・ロードベルトゥス、また最近の経済学者ではポール・スウィージーポール・バランによる。いずれも一面的な見解であり、双方の説を踏まえて恐慌を考えなければならない、と言われる。

[編集] 関連項目

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