干潟
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干潟(ひがた)とは、海岸部に発達する砂や泥により形成された低湿地がある程度以上の面積で維持されている場所のことで、潮汐による海水面の上下変動があるので、時間によって陸地と海面下になることを繰り返す地形のことである。
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[編集] 概論
干潟は、細かい砂や泥がある程度の面積で堆積した潮間帯である。一般には河川や沿岸流によって運ばれてきた土砂が、海岸や河口部、ラグーン(潟湖)に堆積することで形成される。そこに行き当たり水流が激しければ岩礁や砂浜になるから、そのような水流、波などのあたらない場所に細かい土砂は堆積する。したがって、干潟は内湾の奥や大きな河川の河口域によく発達する。日本本土では九州・有明海周辺に大規模なものが見られる。
干潟の大きさは様々であり、河口付近だけにできる小規模なものもあれば、幅数kmに及ぶ大規模なものまである。その大きさは、河川や沿岸流による土砂の供給・運搬能力および堆積する海岸部の地形、潮汐による海水面の変動量に影響される。干潟は、河川・沿岸流などからによる土砂の供給と、波浪・潮流などによる土砂の侵食との微妙なバランスの上に成り立っている地形であり、そのバランスが崩れた場合は、乾燥した陸地となるか海面と化してしまう。
かつては不毛の地と考えられ、干拓や埋め立てが盛んに行われてきたが、そこには多様な生物が生息していること、渡り鳥の中継地などとしても重要であること、潮汐作用や生息する生物によって自然の浄化作用に有効な存在であることが明らかになりつつある。そのため、日本各地では保護を求める機運が高まっている。しかし、それでもある調査によれば日本にある主な干潟37ヶ所のうち将来に渡って確実に残せるところはラムサール条約登録湿地である谷津干潟や漫湖干潟などわずかであるという。
[編集] 生物相
干潟は、河口部やラグーンに発達することも多いことから、その地域は淡水と海水の交じり合った汽水域になることが珍しくない。また、そこに生きる生物は、汽水域に特化し生息域が極めて限定されているものもある。稚魚や幼魚の生育場所としても重要である。それらの生き物を餌としているスズガモ、アジサシ、シギ・チドリ類など鳥類の飛来地ともなっている。
干潟には、川の上流から流されてきた有機物が堆積しやすい。川の流れが速いうちは、さほど分解されず流れ下ったものが、河口域の流れのない部分に堆積するからである。したがって、干潟はその面積以上の生産力を持つ。
その有機物を分解する微生物が多く発生するので、干潟の泥は、表面数cm以下の部分は無酸素状態の還元的環境にあり、硫化水素などが発生する。そのため、ある程度の悪臭がある。そのような泥に住む動物は、酸素不足の環境に耐えられるものに限られる。
また、表面には珪藻など微小藻類が多い。このように、干潟の泥には微生物が多数生息していて、高い栄養価を持っている。そして、泥をすくって食べるコメツキガニやシオマネキなどのカニ類、泥の中に潜るゴカイ類、その他それらを餌とする動物が多数生息する。野鳥もそれらをねらって集まるものである。
干潟の浄化作用は、このような生物相に支えられているものである。
大型の植物は淡水側の陸沿いに出現する。アシやシオクグなど背の高い抽水性植物の群落やハマボウなどがあげられる。より内湾的な環境では、背の低い草本が一面に広がり、塩性湿地とよばれる。シバナや、アッケシソウなどが有名である。 なお、最寒月の平均気温が摂氏16度以上の地域ではマングローブを形成することが多い。
[編集] 世界の主な干潟
[編集] 日本の主な干潟
前浜干潟: 河口だけでなく沖合いまで広がるもの
河口干潟: 河口周辺に形成されているもの
河川干潟: 河川にあるもの
- 漫湖干潟(沖縄県)
[編集] 人工干潟
干潟の価値が再認識されるにつれ、干潟を再生する試みも行われている。人工干潟の造成もそのひとつである。親水公園の施設として造られたり、アサリなどの漁業資源を回復する目的で設けられている。自然回復力のある海域に造られたものでは資源回復が確認されているものもある。
しかし問題もある。一つは人工干潟より土砂が流出し、海面と化しているケースがあることである。また、造成・維持費用の問題である。
確かに資源回復に成功した干潟もある。けれども、実際には干潟の自然は非常に微妙な均衡の上になりたっているのであって、それをすべて回復するのはコスト的に見て合理的とは言いがたい状況にある。自然のものであれ人工のものであれ干潟は河川や沿岸流からの土砂の供給がなければ、波浪や潮流により、干潟の土砂が流出していき、土砂供給と流出のバランスが崩れ、消滅してしまうこともある。それを避けるためには、ダムや護岸などの河川からの土砂供給量を削ぐような開発計画を見直したり、潜堤と呼ばれる特別な施設を整備したり、土砂を定期的に人為的に補充する必要がある。しかし、国や地方自治体の財政が逼迫している折、人工干潟の維持予算については厳しい側面がある。
[編集] 関連項目

