天地創造

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天地創造は、

  1. 旧約聖書の創世記などに記される神話、神による世界の創世のこと。以下に記述。
  2. 1.を題材とした1966年の映画。天地創造 (映画)参照。
  3. 1.を題材とした1995年のコンピュータゲーム。天地創造 (ゲーム)参照。
  4. 1.を題材としたハイドン作曲のオラトリオ

天地創造(てんちそうぞう)は神話における創世のことで、普通は旧約聖書創世記における天地創造を指す。宗教絵画などでよく題材となる。

世界各地の神話では、世界の成り立ちを説明するためにしばしば造物主による天地創造から語り起こしているが、天地創造をまったく含まない神話もある。

目次

[編集] 聖書の天地創造

ユダヤ教・キリスト教の聖典である旧約聖書創世記の冒頭に天地創造が描かれている。

  • 1日目 原始の海の表面に混沌した暗闇がある中、を作り、が出来た。
  • 2日目 神はを作った。
  • 3日目 神は大地を作り、が生まれ、植物が出来た。
  • 4日目 神は太陽を作った。
  • 5日目 神はを作った。
  • 6日目 神は家畜と、神に似せたを作った。
  • 7日目 神は休んだ。

[編集] 2つの天地創造

旧約聖書を批判的に分析研究する学問を旧約聖書学といい、その研究の結果、「創世記」では、2つの立場(信仰)の「天地創造」が、併記されていることが明らかになった。

(1)創世記1章1節 - 2章4節前半(祭司記者資料:神をエロヒームと呼ぶ)

この物語の部分は、祭司記者資料と呼ばれる(頭文字を取りP資料ともいう)。紀元前587年に南王国ユダが新バビロニア帝国に敗れ、エルサレム神殿が徹底的に破壊され、その当時の指導者層の人々がバビロニアに強制連行された(これをバビロニア捕囚という)。規模は、数千人 - 数万人と言われている。圧倒的なバビロニアの神々の宗教(主神マルドゥク)に囲まれ、今までの神ヤハウェ信仰が危機の状態に陥り、民族が自信を失っていた。この様な状況の下で祭司職人(現在祭司記者と呼んでいる)の中から、バビロニアの神話に対抗する形で、自分たちの信仰書を作り出し(創造信仰)、この危機状況から再び生きる力を生み出していった。

バビロニアの創造物語は紀元前1500年頃に作られたと言われており、この祭司記者たちはその内容を知っていて、それを否定、乗り越えるかたちで神ヤハウェを受け止め直して信仰を記述している。例えば、その神話では、新バビロニアでは、極端な階層社会であり、そのトップの王だけが神、神の子であり、政治支配の正当化を強めているが、創世記では、人間は全て、神から、神の似姿として作り出され、平等(皆、神の子である)であることが主張され、信仰告白されている。この様に、創世記は、素朴な伝承、神話などではなく、当時の知識階層が執筆した宗教書(表現形態は物語ではあるが、神学書)である点が、世界の他の天地創造物語とは異なる。

(2)創世記2章4節後半 - 3章(ヤハウィスト資料:神をヤハウェと呼ぶ)

この物語の部分は、ヤハウィスト(ヤーウィスト)資料と呼ばれる(同じくJ資料ともいう)。以前の学説では、ヤハウィスト(ヤーウィスト)資料は祭司記者資料よりも古いとされてきたが、研究が進み、表現形式、信仰内容も知識文学に近い部分もあり、現在では、上記バビロニア捕囚よりも後代という説が強くなってきている。この場合も、神話というものではなく、知識階層の人々が自分たちの信仰を執筆しており、神ヤハウェと人間に対し深い洞察がなされており、それが現在に至るまで、救いを生み出している。

この結果、祭司記者資料の部分では、いくつかの点で、バビロニア神話との類似点が見られる。むしろ、バビロニア神話を含む先行する神話を素材にして、それらを換骨奪胎して、新しい天地創造物語を作り出したというのが実態に近い。以下に、そのあらすじを示す。

(1)創世記1章1節 - 2章4節前半(祭司記者資料:神をエロヒームと呼ぶ)

  • はじめに(ヘブライ語「ベレシース、beresit」)、エロヒム(日本では神と訳されている)により天と地が作られた。地はかたちなくうつろで闇が水の面にありルーアハ(日本では聖霊と訳されている)が水面をおおっていた。エロヒムが「光(ヘブライ語「オール」雷の意味もある)あれ」といい、光が作られた。光と闇が別けられた。これによって光が昼、闇が夜と名づけられた。夕があり朝があり第一日となった。
  • 二日目は水が上下に分けられておおぞらが作られた。おおぞらは天と名づけられた。(後の解釈で雨が降るのは天の上に水が存在するからであるとされる。)
  • 三日目は乾いた陸が作られ大地と名づけられ、水は海と名づけられた。地の上に草、種をもつ草、果樹が作られた。
  • 四日目はおおぞらに2つの大きな光体(ヘブライ語「マオール」発光体の複数形)である、大きい光体と小さい光体とが作られ昼と夜をつかさどらせた。
  • 五日目は水の生き物である海の大いなる獣と水の全ての動く生き物と翼ある全ての鳥が作られた。
  • 六日目は、地の生き物の家畜、這うもの、地の獣が作られた。そして、その生き物をエロヒム(エールの複数形)がいう「われわれ(神)のかたちに、われわれ(神)をかたどって人をつくり・・」海の魚、空の鳥、家畜、地の全ての獣・這うものを治めさせるため人間の男と女が作られた。

(2)創世記2章4節後半 - 3章(ヤハウィスト資料:神をヤハウェと呼ぶ) この後、別の天地創造物語が始まり、ヤハウェ・エロヒム(日本では主なる神または神である主と訳されている)が地と天をつくって安息した時、…地に植物が生えていないときヤハウェ・エロヒムが土のちり(アダマ)で人(アダム)をつくり、その鼻にルーアハを吹き入れた記述と食用の植物と命の木善悪の知識の木を植えたこと、女(イシャー)を創造し以降エデンの園に続く記述となる。

[編集] 創世記の記述内容としての「天地創造が起こった年代」に対する推定の歴史

旧約聖書学では、天地創造物語は信仰書であり、信じている内容を記述しているという事は、全ての学者が認めており、もはや「実際に・事実として、いつ起こったことか、どうか」は、研究・議論されていない(ただし、「当時の人々がいつ起こったと考えていたのか?それはどういう信仰・根拠だったのか?」などは研究されているが…)。

上記を前提に、歴史的にみると…

東方正教会では西暦で言うところの紀元前5508年のことだとしており、これを元年とした「世界創造紀元」を用いていた。

1654年に、英国国教会アイルランド大主教ジェームズ・アッシャーとケンブリッジ大学副総長ジョン・ライトフットが聖書の記述から逆算し、天地創造は西暦の紀元前4004年10月18日~24日にかけて起こり、アダム創造は紀元前4004年10月23日午前9時と算出し、長らくキリスト教圏ではこの年代が信じられてきた。その他にも天地創造の年代には諸説ある。

[編集] 外部リンク

[編集] 日本神話の天地創造

日本神話においても、始原の神々とともに天地の創生が語られている。

詳細は天地開闢国産みを参照。

[編集] ギリシア神話の天地創造

ギリシア神話では天地は神によって作られるものというより、神そのものであり、神々の誕生の系譜がそのまま天地の由来とされる。このような系譜を神統記という。以下にヘシオドス神統記』に見られるギリシア神話の神統記を示す。

[編集] 北欧神話の天地創造

北欧神話では天地創造前、深い裂け目であるギンヌンガガップと氷の世界ニヴルヘイム、灼熱の世界ムスペルヘイムがあったとされる。

  • ニブルヘイムの川の水でできた氷がムスペルヘイムの熱で溶かされて最初の霜の巨人ユミルとユミルを養う牝牛、アウズンブラ(アウズフムラ)が生まれた。ユミルからは霜の巨人が生まれた。
  • アウズンブラがニブルヘイムの川の水でできた氷を舐め、神々の先祖であるブーリが生まれた。
  • ブーリの子孫であるオーディンヴィリヴェーはユミルを退治し、そのときあふれ出た血が海となった。オーディンたちは頭蓋で天球を、骨で山を作った。
  • 人間は男はトネリコ、女はニレからそれぞれ作られた。
  • 太陽はムスペルヘイムの火花によって作られた。

[編集] エジプト神話の天地創造

エジプト神話はエジプト地域で信仰されていた神話をいうが、地域や時代によって差が激しく天地創造に関しても一様ではない。そこで、ここでは最も一般的とされるヘリオポリス神話を取り上げる。ヘリオポリス神話では原初の海ヌンのみが存在していたとされ、大地は無かった。

  • ヌンからラー(太陽神、全能の神)が生まれる。
  • ラーは自力でシュウ(空気)とテフヌト(湿気)を生み出す。
  • シュウとテフヌトからヌト(天)とゲブ(大地)が生まれる。
  • シュウがゲブとヌトを引き離す。このとき、ヌトがゲブと接している面は手と足だけとなった。また、ゲブはヌトに近づこうと山を作り出した。
  • ヌトとゲブから閏日オシリスイシスセトネフティス及びハロエリスが生まれた。

[編集] インド神話の天地創造

乳海攪拌を参照。

[編集] 中国神話の天地創造

[編集] 参考文献

  • 『天地創造99の謎』吉田敦彦

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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