売買

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売買契約 から転送)

売買ばいばい)は、売り買いのことである。この際、契約が成立する。もっとも身近な契約のひとつである。

民法第555条では「売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」と規定している。最低限の要素として、売買の目的物および代金額が定まっている、あるいは何らかの方法によって定まることが必要である。

以上から、売買とは金銭を対価として財産権を移転する諾成双務有償の契約であるといえる。

目次

[編集] 種類

売買も契約の一つであるが、様々な形態がある。

  • 現実売買 - 日常生活でお店でものを買う場合のように、契約の成立と物の引渡し・代金支払が同時に行われるものをいう。民法の売買の規定は、当事者の合意による契約の成立後に債務を履行することを予定していることから、現実売買に民法の売買契約の規定の適用があるか争いがある。
  • 他人物売買(第560条) - 他人の所有物を売却する契約も有効である。売買契約は直接には債権債務関係を生じさせる債権契約であり、他人に財産権が帰属していることは財産権移転の時期を制限する財産権移転の障害となる特段の事情にすぎないからである。売買契約時に他人の物でも、約束の期日(履行期)までに売主が他人から所有権を取得すればよい((第560条)。この所有権取得のときに、財産権移転の障害となる特段の事情が解消したことになり、所有権は買主に移転することになる。

もし、売主が所有権を取得できず、買主に所有権を移転できなかった場合は、債務不履行責任(第415条)または担保責任(第561条~第564条)の問題となる。

[編集] 効力

合意が成立したとき、または予約完結権を行使したとき(第556条)に契約の効力が生じる。その効力の具体的内容は以下の通りである。

[編集] 売主の義務・権利

  • 財産権移転義務(第555条)

 この財産権移転義務は買主に財産権を完全に移転する義務であり、ここから、買主の対第三者対抗要件(第177条、第178条、第467条)の具備に協力すべき義務や、財産権が所有権のように目的物を支配する権利である場合はその目的物の引渡し義務が生じる。そして、引渡しの対象が特定物である場合は、保存義務(第400条)を生じる。 他人物売買の売主は、その他人から財産権を取得する義務を負う(第560条)が、これは上記財産権移転義務に基づくものであり、売主の担保責任とは違う。

  • 果実引渡義務(第575条1項)
  • 売主の担保責任担保責任の法的性格を巡っては、法定責任説と契約責任説の争いがある。
    • 目的物が他人の所有物である場合(第561条、第562条、第563条)
    • 他人の権利により制限を受けている場合(第566条、第567条)
    • 数量が不足の場合(第565条)
    • 瑕疵担保責任(第570条)

[編集] 買主の義務・権利

  • 代金支払義務(555条)
    • 代金の支払時期・場所(574条)
    • 果実の帰属
    • 利息支払義務(575条2項)
  • 代金支払拒絶権
    • 権利を主張する者がいて権利を失うおそれがある場合(576条)
    • 抵当権、先取特権又は質権等の登記がある場合(577条1項2項)

[編集] 売買契約に付随してなされる契約

[編集] 手付

手付とは、不動産などの高価な物件の売買契約をする場合、契約締結の際に、買主から売主に対し、金銭などを交付することにより成立する契約のことをいう。このことは、本体たる売買契約の場合と異なり、要物契約である。

  • 証約手付  買主において、代金総額の一部を売主に交付するという手付である。これは、売買契約書以外の証拠を残すという趣旨で行われる。手付のなかでは基本的な手付である。
  • 違約手付  相手方当事者に債務不履行があった場合に、被害を受けた当事者において、没収できるという趣旨で交付される手付である。この違約手付は、没収された金銭等のほか、さらに損害賠償を請求できるかという見地から、次の2つに分けられる。
    • 違約罰としての違約手付  没収された手付は、単なる「違約罰」に過ぎず、その没収額でも損害がまかないきれない場合には、被害を受けた当事者において、さらに損害賠償を請求することを許すというもの。
    • 損害賠償の予定としての違約手付  仮に被害を受けた当事者において没収額を上回る損害があったとしても、授受された手付の金額の範囲内で処理するものとし、それ以上の損害賠償の請求を許さないとするもの。
  • 解約手付  債務不履行などの特段の原因がなくとも、相手方が履行に着手する前であれば、買主においては、渡した金銭等の全額を放棄するだけで、売主においては、受け取った金銭等の倍額を返還するだけで売買契約を解除できるという趣旨をもった手付である(第557条)。履行の着手の意味については争いがある。

[編集] 買戻し

売買契約を締結する際に、売主が一定期間内に売買代価と契約費用を返還すれば、目的物を取り戻せる旨を約束することで、解除権を留保した売買である。民法においては、不動産についてだけ買戻しを認めている。
この制度は、不動産に限られること(579条)、代金や期間が法定されていること(580条)、登記しなければならないこと(581条1項)からあまり利用されていない。買戻しの代わりに、再売買の予約がなされることが多い。

  • 第579条 (買戻しの特約)
不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなされる。

[編集] 関連項目

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