地方債
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地方債(ちほうさい)は、地方公共団体が必要な財源を調達するために負う債務で、その履行が一会計年度を越えて行われるものであり、証書借入れ又は証書発行の形式をとるものをいう。地方自治法に基づき地方財政法で規定される。なお、会計年度内において償還されるものは一時借入金と呼ばれ、地方債とは区別される。
地方債を起こす(起債する)場合は、予算でこれを定めなければならない(地方自治法第230条)。
- 予算で定める事項
- 地方債の起債の目的、限度額、起債の方法、利率及び償還の方法
目次 |
[編集] 発行の目的
地方公共団体の歳出の財源は、原則として地方債以外の財源とし、次の場合において、地方債をもってその財源とすることができる。
- 交通事業、ガス事業、水道事業に要する経費の財源とする場合
- 出資金及び貸付金の財源とする場合(出資又は貸付けを目的として土地又は物件を買収するために要する経費の財源とする場合を含む。)
- 地方債の借換えのために要する財源とする場合
- 災害応急事業費、災害復旧事業費、災害援助事業費の財源とする場合
- 学校その他の文教施設、保育所その他の厚生施設、消防施設、道路、河川、港湾その他の土木施設等の公共施設又は公用施設の建設事業費(公共的団体又は国若しくは地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものが設置する公共施設の建設事業に係る負担又は助成に要する経費を含む)及び公共用若しくは公用に供する土地又はその代替地としてあらかじめ取得する土地の購入費(当該土地に関する所有権以外の権利を取得するための経費を含む。)の財源とする場合。
- 特別な目的の地方債
- 退職手当債
- 自治体職員の退職手当の支払財源に充てる地方債のこと。地方公務員の「団塊の世代」問題による大量退職を迎え、退職手当支給の資金繰りが必要な自治体があることから、総務省は、2006年度から2015年度までの措置として、当該年度に支給すべき退職手当の合計額のうち平年度より多額である部分について、起債を認めている。ただし、起債は、「許可制」とされ、発行しようとする自治体は、職員の数の現況及び将来の見通し等を定めた計画を作成しなければならない。背景として、過去の大量採用からくる職員の年齢構成のいびつさ(中高年層が多い)に加え、退職手当に備えた準備金的な制度のないこと、根本的には民間企業と比べて割高とされる退職手当制度そのものが指摘される。
[編集] 発行の方法
公的資金によるものと、民間等資金によるものとがある。そのうち、民間等資金による地方債の発行方法には、公募と縁故とがある。
- 公募地方債
- 公募地方債は、広く投資家に購入を募る方法により発行される。さらに、「市場公募地方債」と「住民参加型公募地方債」とに分けられる。市場公募債は銀行や証券会社などの金融機関によって組織されたシンジケート団(シ団と略される)が引き受ける。発行条件は、一般に、償還期限10年、半年ごと利払いの利付債で、利率は市場金利にほぼ連動しており、毎月発行されている。
- 住民参加型公募地方債は、当該自治体の住民等を対象として発行されるもので、地元金融機関がいったん引受け、その後応募者に販売されている。発行条件は一定しないが、利率は新発国債の応募者利回りに若干上乗せした利率とするものが多い。
- 縁故債
- 地方公共団体の指定金融機関等の地元金融機関を通じて資金調達するもので「縁故債」と呼ばれる。銀行等の引受地方債は、証券発行の方法によるものと、証書借入の方法によるものがあるが、小規模な自治体では簡便な証書借入の方式をとることが多い。期間・償還条件等の発行条件は、一定しない。利率は発行時の市場長期レートに準じて決定されることが多く、金利入札形式をとることが多くなっている。発行(借入)は会計年度末が近い3月から5月にかけてが多い。なお、市場にはほとんど流通しない。
[編集] 残高
地方債の残高は、2006年度現在139兆円に達している。
1990年代後半の景気刺激策により発行が増加した結果、残高は膨らみ続け、2004年度にピークに達した。その後わずかに減少に転じてはいるものの、なお高止まりしている。なお、地方債残高に交付税特別会計借入金残高(地方負担分、2004年度末33兆円)と公営企業債残高(普通会計負担分、同28兆円)とを合わせた201兆円を総務省では「地方財政の借入金残高」と呼んでいる。
個別自治体の地方債残高については、各自治体で公表されているほか、総務省の「決算カード」に全国統一形式で掲載されている。ただ、一時借入金は年度末には精算(返済)されることから、記載されない。
[編集] 地方債の信用力
[編集] 利回り差
地方債は地方公共団体の財政が悪化した場合起債できなくなる起債制限が設けられており、また政府が償還についての財源を保証していることから、信用力の差はないとして、どの地方債も公平に取り扱うよう政府は求めている。金融機関のリスクウェイトについても、ゼロとなっている。
しかしながら、地方債の利回りをみると、実際には自治体の財政状況によりにはわずかながら差が生じている。新規発行(新発債)の応募者利回りをみると、東京都や横浜市など、財政力のある自治体は利回りが低く、大阪府、北海道等の財政状況の芳しくない自治体は比較的高めの利回りとなっている。2006年春の北海道夕張市の財政破綻が明るみになった頃には、この利回り差が拡大し、地方債の信用リスク(危険性)への投資家の関心が高まった。その後夕張市同様財政破綻に陥る自治体が続出する状況にないこともあって、利回り差は縮小した。
[編集] 格付け
地方債を対象とした信用格付けも存在する。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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