受胎告知

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イエス関連項目


受胎告知じゅたいこくち)はキリスト教の聖典である新約聖書に書かれているエピソードの1つ。聖告(せいこく)、お告げ(おつげ)、生神女福音(しょうしんじょふくいん)とも言う。一般に、処女マリア天使ガブリエルが降り、マリアが聖霊によってキリストを身ごもることを告げ、またマリアがそれを受け入れることを告げる出来事。

マリア崇敬の思想を背景として、キリスト教文化圏の芸術作品の中で繰り返し用いられるモチーフでもある。

英語や仏語の Annunciation (また、同じくラテン語に由来する同様の諸西欧語も)は、キリスト教の文脈に限っても、告知一般を指し、必ずしも「受胎告知」だけを示すわけではない(例えば、マリアの死の告知など)。その意味においては、「聖告」や「お告げ」の方が Annunciation の翻訳語としては適切だろう。

これを記念する祭は東方に始まり、中世に西方につたわった。現在も東方正教会やカトリック教会などでは3月25日をこれを記念して祭日とする。東方正教会では「生神女福音祭」とし、十二大祭のひとつである。カトリックでは「御告げの祝日」と呼ぶ。

目次

[編集] 福音書における記述

受胎告知が記述されているのは、「マタイによる福音書」と「ルカによる福音書」だが、それぞれ詳細が異なる。マタイ福音書では(1:18-25)、ナザレではない地(2:22-23、恐らくベツレヘム)で、ヨセフの夢に天使が現れる。マリアに関しては、天使による告知の記述はなく、聖霊による受胎をすでに知っていたことのみ書かれている。一方ルカ福音書(1:26-38)では、ナザレにて、天使ガブリエルがマリアの前に現れ、受胎を告げる。ヨセフの方に対する言及はない。

ちなみに、ビートルズの "Let It Be" とは、このお告げが下った時のマリアの受諾に由来する。"let it be to me according to your word." (改訂標準訳聖書 ルカ 1章38節)

[編集] 旧約聖書における受胎告知

新約聖書における受胎告知は、旧約聖書中の『イザヤ書』(7:14)の預言に基づいている。

旧約聖書中に神が子を授ける例はたびたび見られる。 受胎告知らしきものは、マノアの妻である不妊の女に子サムソンを授ける旨を天使が告げる『士師記』(13:3-5)などがある。

[編集] 美術

美術では、この場面でのマリアは読書の最中であることが多いが、糸をつむいでいることもある。傍らには白百合(純潔の象徴)が置かれるが、天使が百合を携えている場合もある。二人の上には天上からの光や聖霊の鳩が描かれることが多く、これによって「聖霊によって身ごもる」ことを示す。

東方正教会の生神女福音のイコン。マリア(右)は糸をつむいでいる。画面上部には神を現す光の輪が描かれている。

東方正教会においては、イコノスタシスの門にこの場面を描く決まりがあり、作例が多い。ただし構図上、左右の扉に天使とマリヤを分けて配するため、鳩など聖霊を現す象徴は省略されることが多い。またこれとは別に、一枚のイコンにこの場面を描いたものもある。一枚絵の場合は、マリアが室内にいることを示す家が背景に描かれ、また神・父を象徴する丸い光が中央上端、天空に描かれる。そこから聖霊を示す光が差している場合も多い。


フラ・アンジェリコの「受胎告知」
中世の作品としては、ランス大聖堂の彫像や、シモーネ・マルティーニの祭壇画が名高い。ルネサンスでは、天上と地上の邂逅という如何にもルネサンス的な性格が好まれ、もっとも人気のある主題の一つとなった。サン・マルコ修道院フラ・アンジェリコが描いた壁画、レオナルド・ダ・ヴィンチによる絵画などが傑作として知られる。

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