三段論法

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三段論法(さんだんろんぽう ギリシア語 syllogismos)は、「大前提」「小前提」「結論」の三つの命題から成る推論規則である。アリストテレスによって整備された。「大前提」に法則的に導き出される一般的な原理を置き、「小前提」に目前の具体的な事実を置き、「結論」を導き出す。以下に三段論法の例を示す。

大前提:すべての人間は死すべきものである。

小前提:ソクラテスは人間である。

結論: ゆえにソクラテスは死すべきものである。

三段論法を構成する各命題はA,E,I,Oの4つの型に分類される。

  • A = 全称肯定判断 ≪すべての人間生物である
  • E = 全称否定判断 ≪すべての人間不死ではない
  • I = 特称肯定判断 ≪ある人間学生である
  • O = 特称否定判断 ≪ある人間学生ではない

さらに、三段論法を構成する要素として、結論における主語Sと述語P、そしてこの結論を導くために前提に現れる媒概念Mがある。各命題におけるS,P,Mの配列の仕方を「格」(figure)とよび、これには4つの可能性がある。

三段論法の「格」
大前提小前提結論
第一格M-PS-MS-P
第二格P-MS-MS-P
第三格M-PM-SS-P
第四格P-MM-SS-P

なお、第四格は、ガレノスが形式整備のために補完したものであり、実用性は無い。

三つの各命題ごとに4種類の型があり、さらに4つの格があることから、全部で43×4=256通りの三段論法がありえるが、実際にはそのうちの19通りのみから恒真な結論が得られる。このとき二つの前提はともに真でなければならない。真でない前提からは、しばしばパラドックスが導かれる。

定言的三段論法における命題の組み合わせを覚えるため、中世にはsyllogismus と呼ばれるラテン語の詩が作られた。

Barbara celarent darii ferioque prioris.

Cesare camestres festino baroco secundoe.

Tertia darapti disamis datisi felapton, bocardo ferison habet.

Quarta insuper addit bramantip camenes dimaris fesapo fresison.


子音を除くことによって三段論法の型が得られ(上記の詩の強調文字の部分)、それぞれの型を呼ぶのには詩のおのおのの語を用いる。 また、詩の1行目が第一格、2行目が第二格、3行目が第三格、4行目が第四格に対応している。 冒頭で示した三段論法の例は第一格の Barbaraに対応している。

大前提:すべての人間は死すべきものである。(A, M-P:すべてのMはPである)

小前提:ソクラテスは人間である。(A, S-M:すべてのSはMである)

結論: ゆえにソクラテスは死すべきものである。(A, S-P:すべてのSはPである)

別の例を挙げる。今度は第四格のFesapoである。

大前提:すべてのスタブ記事は秀逸な記事ではない。(E, P-M:すべてのPはMではない)

小前提:すべての秀逸な記事はウィキペディアの記事である。(A, M-S:すべてのMはSである)

結論: ゆえにあるウィキペディアの記事はスタブ記事ではない。(O, S-P:あるSはPではない)

 


なお上に示した定言的三段論法のほか、その発展として蓋然的(仮言的)三段論法、選言的三段論法がある。

また、ジョン・スチュアート・ミルは、如上のソクラテス云々の場合、結論を知っていないならば、大前提の全称判断は得られないのだから、三段論法は一種の循環論証であると批判した。


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