ロンドン塔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| ロンドン塔 (イギリス) | |
|---|---|
| ロンドン塔 | |
| (英名) | Tower of London |
| (仏名) | Tour de Londres |
| 登録区分 | 文化遺産 |
| 登録基準 | 文化遺産(ii) (iv) |
| 登録年 | 1988年 |
| 拡張年 | |
| 備考 | |
| 公式サイト | ユネスコ本部(英語) |
| 地図 | |
ロンドン塔(Tower of London)はイギリスの首都ロンドンを流れるテムズ川の岸辺、イースト・エンドに築かれた中世の城塞である。正式には「女王陛下の宮殿にして要塞」と呼ばれるように現在も儀礼的な武器などの保管庫、礼拝所などとして使用されている。またその景観からホワイト・タワーとも呼ばれる。世界最大級のカット・ダイヤモンドはここで保管されている。
目次 |
[編集] 沿革
1066年にイングランドを征服したウィリアム1世が1078年にロンドンを外敵から守るために堅固な要塞の建設を命じ、本体は約20年で完成した。その後、リチャード1世が城壁の周囲の濠の建設を始め、ヘンリー3世が完成した。長い歴史の間に国王が居住する宮殿としても使われ、身分の高い政治犯を幽閉、処刑する監獄としても使用された。エリザベス1世は即位前に一時メアリー1世によってここに収監されたことがある。最後にロンドン塔に収監されたのは第二次世界大戦中、イギリスに飛来して逮捕されたナチス・ドイツの高官ルドルフ・ヘスである。また、ロンドン塔に最後に居住した王はジェームズ1世とされる。
現在も英国王室が使用している宮殿であるが、ロンドン観光の目玉になるほど観光客も多く、内部にある建物の幾つかは、世界最大のダイヤモンド「偉大なアフリカの星」など様々な歴史的展示物を陳列して、見学できるようになっている。1988年にはユネスコ世界文化遺産にも登録されている。すぐ近くには、世界的にも有名な跳ね橋であるタワーブリッジがある。
観光の場合は、3月~10月の日曜を除く日なら9時から18時まで、11月から翌2月までは9時から17時までで、日曜日は10時からの入場可能で、入場料は大人15.00ポンド、学生12.00ポンド等となっている(2006年9月現在・最新の入場料は公式サイトで)
[編集] ロンドン塔のカラス
ロンドン塔には、世界最大級の大きさであるワタリガラス(Raven)が一定数飼育されている。ワタリガラスは大型で肉食の鳥であるが、1666年に発生したロンドンの大火事で出た大量の焼死者の腐肉を餌に大いに増えたといわれている。当然、ロンドン塔にも多数住み着いたが、チャールズ2世が駆除を考えていた所、占い師に「カラスがいなくなるとロンドン塔が崩れ、ロンドン塔を失った英国が滅びる」と予言され、それ以来、ロンドン塔では、一定数のワタリガラスを飼育する風習が始まったとされる。
またイギリス人に人気のあるアーサー王伝説において、アーサー王が魔法でワタリガラスに姿を変えられてしまったという伝説もあり、ワタリガラスを殺す事は、アーサー王への反逆行為とも言われ、古くから不吉な事が起こるとされている。
現在でも、ロンドン塔のカラスは「レイヴンマスター」と呼ばれる役職の王国衛士によって養われており、風きり羽を切られて逃げないようにされたものが、豚ガラを餌に半ば放し飼いで飼育されていたが、近年では鳥インフルエンザの罹患をおそれて、飼育舎を設置しての飼育に切り替えられた模様である。約25年の寿命を持つワタリガラスであるが、飼育数が一定数を割ると、野生のカラスを捕獲して補充していたが、最近では人工繁殖にも成功している模様である。なおワタリガラスは気性が荒いため、みだりに観光客がちょっかいを出すと襲われるケースもあるという警告がなされている。
[編集] ロンドン塔で処刑された人々
ロンドン塔は監獄でもあったから、ここで処刑もしばしば行われた。以下はそのうち歴史に名を残す著名な人々のリストである。
- 1305年 ウィリアム・ウォレス スコットランド独立の英雄だが、最後はイングランド軍に捕まりロンドン塔で車裂きの刑にされた。
- 1483年 エドワード4世のふたりの王子。エドワード5世とヨーク公リチャードは父の死後ロンドン塔に連れ込まれたまま行方不明となった。王位を簒奪したリチャード3世が殺害したとされる。1624年にふたりの子供の骸骨が発見されている。
- 1536年 アン・ブーリン ヘンリー8世の2番目の妻で姦通罪により城内のベル・タワーの下で処刑された。このあたりには今でもアン・ブーリンの亡霊が出ると噂される。
- 1542年 キャサリン・ハワード ヘンリー8世の5番目の妻だが、やはり不貞の罪で処刑された。
- 1554年 ジェーン・グレイ ヘンリー8世の死後、有力貴族の思惑でイングランド女王に擁立されたが、対立したメアリー1世により処刑された。
[編集] 世界遺産
登録基準 この世界遺産は、世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
- (ii) ある期間を通じて、または、ある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、町並み計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (iv) 人類の歴史上重要な時代を例証する、ある形式の建造物、建築物群、技術の集積、または景観の顕著な例。
[編集] 関連作品
- 夏目漱石『倫敦塔』
[編集] 外部リンク
- タワー・オブ・ロンドン(英語)
- 写真
|
イギリスの世界遺産 World Heritage Sites in the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland | |
|---|---|
| 文化遺産 | |
| グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁 | ダラム城と大聖堂 | アイアンブリッジ峡谷 | ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群 | ファウンテンズ修道院跡を含むスタッドリー王立公園 | バース市街 | ローマ帝国の国境線 | ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター寺院、聖マーガレット教会 | ブレナム宮殿 | カンタベリー大聖堂、聖オーガスティン修道院と聖マーティン教会 | ロンドン塔 | エディンバラの旧市街・新市街 | 河港都市グリニッジ | オークニー諸島の新石器時代の遺跡中心地 | ブレナヴォン産業用地 | バミューダ諸島の古都セントジョージと要塞 | ソルテア | ニュー・ラナーク | ダーウェント峡谷の工場群 | キュー王立植物園 | 海港商業都市リヴァプール | コーンウォールとウエスト・デヴォン鉱山の景観 | |
| 自然遺産 | |
| ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸 | ヘンダーソン島 | ゴフ島野生生物保護区 | ドーセット及び東部デヴォン海岸 | |
| 複合遺産 | |
| セントキルダ島 | |
| 世界遺産 | ヨーロッパの世界遺産 | イギリスの世界遺産 | 五十音順 | | |

