ルーター

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この項目ではコンピュータ・ネットワーク構築用の情報通信機器について記述しています。切削工具についてはリューターをご覧ください。

ルーター (: router、米国においては「ラウター」に近い発音が一般的) は、コンピュータ・ネットワークにおいて、異なる間の中継・接続を行う通信機器である。通信プロトコルTCP/IPが使われるようになってから普及したものである。

(複数の)LAN(特にイーサネット)間を中継(ルーティング、経路制御)するものはローカルルーターと言う。対して、LAN-WAN間を中継するものはリモートルーターWANルーターと言う。ADSLFTTHなどのブロードバンドインターネット接続用に使われるものは、特にブロードバンドルーター(後述)と言う事が多い。

企業通信事業者で使われる業務用のものでは、IPv6VPNなどにも対応可能なものもある。なお、イーサネットLAN間を中継する用途にはレイヤ3スイッチが使われる事が多い。

NICを装着したPCUNIXOSをインストールし、OS周りの設定をすることでパソコンをルータとして動作させることもしばしば行われる。Microsoft Windows系でも可能である。

ISP間のルーティングにもやはりルーターが用いられ、境界ルーターをボーダールーターと呼ぶ。ルーティングの項参照。

目次

[編集] インターフェース

ローカルルーターでは一般的に、ネットワークセグメントの異なる複数のLANインターフェースを有する。リモートルーターでは一般的に、ネットワークセグメントの異なるLANインターフェース(ネットワークの内側)と、WANインターフェース(ネットワークの外側)の 2 種類のインターフェースを有する。一般的には、ソフトウェア設定やハードウェア構成変更によってローカルルーター、リモートルーターどちらにも使えるものが多い。

ルーターは、様々な回線インターフェースに対応できるように作られている。ブロードバンドルーターの場合、初期のものは WAN 側に汎用の RS-232C などのシリアルインタフェースを持ち、ターミナルアダプタなどの回線機器と接続して各種回線と接続していた。後には、WAN側にISDN回線や128kbpsまでのデジタル専用回線を直接収容する回線インターフェースなどを持つようにもなったが(俗にダイヤルアップルーターとも呼ばれる)、2000年前後の日本でのブロードバンドインターネット接続ADSLFTTH)の普及に伴う回線の高速化のため、WAN側インターフェースもイーサネットとなり、PPPoAやPPPoEによってADSLモデムや光終端装置等に接続するものに代わった。

なお、ユーザ向けにはWAN回線用の各種モデムターミナルアダプタ等、およびスイッチングハブを内蔵しているものがある。

[編集] ルーターの基本的動作・仕様

ルータの主な機能はIPパケットの宛先IPアドレスを基に、フレームを転送することにある。

ブリッジOSI の 7層モデルにおける 2層で働くのに対し、ルーターは 3層 (IP層) で働く。ブリッジと異なる特徴としては、基本的にブロードキャストを転送しないことであるが、DHCPなど特定のプロトコルによるブロードキャストを (たとえば DHCP サーバー宛の) ユニキャストに書き換えて転送するように設定することも可能な場合が多い。ブリッジがコリジョンドメインを分割するのに使われるのに対し、ルーターはブロードキャストドメイン(ネットワークセグメント)を分割する。あるいは、ルーターは、異なるLANを接続する役割を持つと表現されることが多い。

挙動は以下のとおり。

[編集] 経路制御情報の管理

宛先ネットワーク/マスク、隣接ルーターのIPアドレス、送出インタフェースのテーブルを管理する(ルーティングテーブル)。経路制御情報は、管理者が記述する静的経路情報と隣接ルーターから受信する動的経路情報があり、動的情報にも様々なフォーマットがあるため、どの動的情報に対応するかという設定も必要である(ルーティングプロトコルの設定)。

静的経路情報の代表的なものはデフォルトルートである。

詳細はインターネットプロトコルを参照。

[編集] ブロードキャストの受信

任意のホストから生じるブロードキャストパケットを受信し、その送信元のIPアドレスと、送信元のMACアドレス、受信ポートを学習する(ARPテーブルの作成とも呼ばれる)。

ルーターは3層機器として広く認知されているが、ルータが直接収容するEthernet上のホストと通信するには、Ethernetの仕組み上、MACアドレスが必要となる。

[編集] ユニキャストの受信と転送

ルーターがユニキャストフレームを受信した場合、送信先MACアドレスが自分宛でなければ、ARPテーブルを更新し、フレームを破棄する。送信先MACアドレスが自分宛であれば、フレームからIPパケットを抽出し、宛先IPアドレスをスキャンし、そのIPアドレスが自分宛であれば、自身への通信と理解する。ここまでは、Ethernetのままである。

MACが自分宛で、IPが自分宛でない場合、ルータのお仕事開始となる。逆に言うと、あるホストが他のネットワークのホストと通信するには、宛先MACがデフォルトゲートウェイのフレームを送出する。

さて、ルーターはフレームからIPパケットを抽出し、宛先IPをルーティングテーブル内で検索し、マッチするものがあれば、フレーム送出インタフェースを決定する。このときフレームにカプセリングする際に、ARPテーブルを参照し、宛先のMACを次のルーター/ホストのものにし、送信元MACを自己のMACにする。宛先IPは、マッチしなくとも最終的にデフォルトルートにマッチし、当該インタフェースに送出される。ルーターにデフォルトルートの記述がなく、ルーティングテーブルにマッチしなければ、パケットは破棄されて、ICMPのNet Unreachableを送信元に返す。

[編集] ARPリクエスト

ユニキャストのIPが、ルーターに直接収容されたネットワークの範囲であり、かつARPテーブル上に当該IPを学習していない場合、そのネットワークが、MACアドレスを使用しないメディアであれば、単純に送出するが、MACアドレスを使用するメディアであれば、自己のMACを送信元として、ARPリクエストをそのホストが存在するはずのネットワークのみに送出する。

ARPリクエストに返事があれば、ARPテーブルを更新し、フレームを転送する。返事がなければ、ICMPのHost Unreachableを送信元側に返す。

[編集] バッファ制御

ルーターのハードウェア的な安定に関わる設計要素で、ルータに接続されるメディアの速度差が大きいほど、バッファ制御の設計が重要になる。各社独自のバッファ制御を行っているが、ルーターの安定性は、このバッファ制御の作り込みに大きく関係している。

64KbpsのISDNのみに対応したルーターであれば、速度の遅い安価なメモリを大量に使うことで解決するが、64Kbps-6Mbpsの広範囲な回線速度に対応したルータは、それなりに高価なものとなる。

バッファ制御に関わる設定をした後は、ルーターの再起動が必要である。

[編集] ルーティングキャッシュ

使用される頻度の高い経路情報を、優先して参照するために、より高速のメモリに保持する仕組み。または、検索順番の先頭に配置する仕組み。

[編集] ダイヤルアップルーター

ISDN用のターミナルアダプターをWAN回線用のモデムとしたリモートルーター。日本国内では、INSネット64サービス(ISDN回線)の開始後、一般にも普及した。ブロードバンドインターネット接続の普及により、ダイヤルアップルーターは一般には使われなくなった。

基本的な機能としては小規模LAN向けとしてDHCPサーバ機能、IPマスカレード・NATなど。一部機種では、ウェブ設定画面機能を持つものもあった。また、PHSPCカード型端末をアダプターとして接続できるものもあった。

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[編集] ブロードバンドルーター

無線LANルーター

基本的にはローカルルータでありレイヤ3スイッチであるが、WAN回線用のモデム等を内蔵しリモートルーターの形態となっている物もある。2004年現在、小型・簡略したものが数千円程度から市販されており、一般家庭や小規模事務所などのユーザ向けのADSLFTTHなどの、いわゆるブロードバンドインターネット接続用に使われている。

一般家庭ユーザの利用を想定して、出荷前に、あらかじめ基礎的な機能設定もなされており、通常はISPの接続用アカウントを設定することで使えるようになっている。設定の方法としては、Webブラウザでルータの初期IPアドレス(192.168.0.1など)へアクセスして行うものがほとんどである。一部機種では業務用ルータと同様のtelnetでアクセスしても設定できる(ブラウザ設定よりも細かい設定が可能)ものもある。

[編集] 基本的な機能

[編集] 関連項目

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