リサイクル
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リサイクル(Recycle、再生利用、英:Recycling)とは、製品化された物を再資源化し、新たな製品などの原料として利用することである。リデュース(Reduce、減量)、リユース(Reuse、再使用)と共に3Rと呼ばれる。
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[編集] 概要
リサイクルは大きく、マテリアルリサイクル(素材としての再利用)とサーマルリサイクル(熱としての再利用)に区分される。
現代のリサイクルは、主に政治的、経済的目的のための「商標」としての役割が強く、現状としてはメーカーは赤字に転じることが多く、世間で認識されているほど行われていない。また、ほぼ全てのリサイクルは環境によいわけではなく、「リサイクル=環境に優しい」とは限らない。
循環型社会形成推進基本法には、「再生利用とは、循環資源の全部又は一部を原材料として利用すること」と定義されている。また法の中では、リサイクルが自己目的化しないよう、リデュース(抑制)、リユース(再使用)の次にくるものとして位置づけられている。 言い換えれば、「大量消費-大量リサイクル」のシステムでは循環社会の目的に合致しないからである。
資源の有効な利用の促進に関する法律では、アルミ缶、スチール缶、ペットボトル、紙製容器包装、プラスチック容器包装、小型二次電池、塩化ビニル樹脂製建設資材については、リサイクル識別表示マークの表示を義務付け、製品が廃棄されたときに容易に分別収集して資源として再利用できるようになっている。
日本では古くから紙のリサイクルが行われているが、ほかにもぼろ布、アルミ缶、スチール缶、ガラス、蛍光灯電池類、ペットボトル、タイヤ、食用油などがリサイクルされている。
ペットボトルリサイクルは容器包装リサイクル法の施行以後、生産量=消費量が増加し、「大量消費-大量リサイクル-大量焼却(回収分の94%)」であることが現状である。
[編集] リサイクルの種類
[編集] リサイクル品目
[編集] 鉄
社会に蓄積された鉄鋼が約12億6千万トンの鉄が循環しており、転炉法と電炉法によりリサイクルが大規模に行われている。「日本の鉄鋼循環図」として、鉄のマテリアルフローが図で追いかけられる。
また、2005年度の日本のスチール缶リサイクル率は過去最高の88.7%となり、世界一を継続。
[編集] 紙・板紙
回収した紙は古紙として再び紙の原料となりトイレットペーパー、段ボール、白板紙の原料となる場合が多いが,最近は新聞や雑誌を含む紙製品の多くに「この商品は再生紙を使用しています。(或いは「しました。」、R=○○)」という注釈が書かれている。
紙は同じ紙であっても、品質が高いものから低いものにしか加工できない。牛乳パックはバージンパルプから作成されていて繊維の品質が高いものとして流通するが、回収された古紙はトイレットペーパーや板紙といったものに加工されており、有効に利用されることが多い。
用途に特化した紙が作られるようになるにつれ、感熱紙を始めとしてリサイクル上の問題となる禁忌品が増えており問題視されている。また、シュレッダーで処理された紙は、用途に因ってはパルプ繊維が切り刻まれているため再生には不利である。
日本の新聞紙は、全体で800万~1000万部、割合にして1割前後が消費者へ流通されることなく販売店からそのままリサイクルにまわされる。古紙回収率が高い一因でもある。
- グリーン購入法に於いては白色度と古紙配合率70%以上の規定がある。政府や自治体が調達する紙物品を100%再生紙と指定していることが多いが、紙は100%古紙で生産し続けることは不可能であり用途によって配合率を決めることが望ましい。
- 再生紙を作る工程において必要以上に石化エネルギーを消費している紙はトータルとして決して地球環境に良い商品とは言うことが出来ない。最近では紙を作るために熱帯雨林や天然林を伐採することなく、遊休牧地や荒廃地にユーカリ・アカシアを植林したものをチップ輸入してパルプから作られた紙が大半を占める。このような管理された持続可能な森林から生産された木材チップを使用したバージンパルプから作られた紙についても、グリーン購入ネットワークでは「印刷・情報用紙」ガイドラインに明記している。
[編集] 布(衣料品)
衣料品の場合は、再利用(古着として)されることが広く行われてきた。兄弟間での再利用や、ご近所、親戚、コミュニティなどでリユースされるパターンがある。また、バザーやフリーマーケットなどで販売するというパターンもある。
そのような手段がない場合、あるいは再利用に耐えられない品質の衣料品については、古布として回収される。回収された布は選別された後、ウエス(工業用の雑巾)やフェルト、自動車のクッション材などに利用される。選別後まだ衣料品として利用可能なものは古着として再利用される。古着として再利用される場合には、リサイクル団体が販売したり、輸出される。
現在、中国への再利用衣料品の輸出は、認められていない。医療用衣料品などに付着してくる細菌、ウィルスなどが一緒に持ち込まれないようにするためである。
[編集] 食用油
石鹸、ディーゼルエンジン用燃料などに再利用される。一部自治体や事業者ではリサイクルにより製造されたディーゼルエンジン用燃料によってバスを運行している。
[編集] アルミ缶
アルミニウムは、地金を新造する際に「電気の缶詰」といわれるほど電気を消費するが、再精錬する場合には新造時の約3%のエネルギーしか電気を要しないためリサイクルの優等生と言われる。ただしこれはあくまで純粋なアルミニウムだけを再精錬した時の概算値・理論値であり、ほとんどの場合は不純物を含んでいるため、実際に消費するエネルギーはこの値より大幅に上昇する。
また、融解時には空気中の窒素と反応して窒化アルミニウムAlNとして一部が失われる。
- 2Al + N2 → 2AlN
この窒化物は融解時にるつぼの表面に浮かぶので捨てられるが、空気中の水分と徐々に反応してアンモニアを生じる。
- AlN + 3H2O → Al(OH)3 + NH3
また、プルトップ部分は剛性を持たせるため、マグネシウムを加えた合金を使用している。そのため、リサイクル時にはそれを酸化して除かねばならず、無駄が生じる。
アルミニウムで造られるアルミ缶は広く流通しており、かつ収集も容易なことから広くリサイクルのルートが整備されており、平成16年度のアルミ缶リサイクル率は86.1%(アルミ缶リサイクル協会調べ)。
[編集] インクカートリッジ
- プリンター(複合機含む)用のインクカートリッジについても、写真(エプソンのもの)のようにカートリッジをリサイクルするための回収ボックスが設置されている。ただし、これらの多くはインク(トナー)の充填、再包装など軽易な工程であることが多く、単なる再利用(リユース)と見ることもできる。
[編集] ガラス瓶
ガラス(ソーダ石灰ガラス)製の液体コンテナ(容器)の内、いわゆるリターナブル瓶はそのまま洗浄して再使用されるが、一方のワンウェイ瓶は破砕されリサイクルされる。この破砕されガラス原料に用いられるものをカレットと呼ぶ。
カレットはガラス原料から直接ガラスを製造するよりも材料としての純度が安定しており、またより少ないエネルギー量で瓶に加工できる。2005年では製造されるガラス瓶の90%以上がこのカレットを原料としており、再び社会で利用される。ただし瓶製造量に対してカレット原料としての回収率は60%前後であるため、より効率の良い(確実な)回収方法も求められている。
[編集] リサイクルの流れ
- 沼津方式 : 家庭から出るゴミを、住民自治会の管理するごみ集積場に、予め分別させて収集することで、家庭よりの資源回収率向上と、回収後の分別コスト低減を目指した制度。住民の協力が不可欠である。
- 大阪方式[1] : 家電リサイクル法で、販売店が消費者から所定の代価を得てリサイクル業者に依頼する所を、同方式では消費者が直接リサイクル業者に持ち込む事で、運送代金を支払わなくても済む制度。消費者の「お得」意識に訴える事で、違法な使用済み家電の投棄を減らす効果が期待されている。
- 平塚方式・日立方式 : 資源ごみ回収に、民間企業を参入させる事で、資源の有効回収と処分コストの低減を目指した制度。
- 高知方式 : 資源種別ごとに個別の収集車を用意、集団走行でごみ集積場を回りながら、その場で分別収集する事で、回収後の分別コスト低減を目指した制度。
- カーブサイド・コレクション : 家庭から出るごみを、資源種類毎に分別して各戸の前にあるごみ集積場に置く方法。日本の資源分別収集制度を取り入れた米国に多いが、収集車が各戸の前を通るまではごみが往来の脇に置きっ放しとなるやや前時代的な制度で、回収頻度が少なかったり住宅密度が高くなると、歩道が置かれたごみに占領される事態となる事も多い。
- DSDシステム : ドイツで1991年に開始された包装材リサイクル制度。従来はほとんど未分別のまままとめて廃棄される事が多かった多種多様な包装材を、予め分別区分を設定して各メーカーに容器の区分表示を徹底させた上で、民間企業として独立採算による(DSP社)が資源として回収・再生・各種工業原料として販売する。これにより大幅なごみの減量に成功していると共に、独立採算とする事で処分コストの大胆な切捨てを可能としている。
[編集] 問題点
- LCA(ライフサイクルアセスメント)、資源、環境を考えた場合に、ペットボトル、紙、発泡スチロールトレイなどをどうするべきか意見が分かれている。例えばペットボトルは高分子化合物で同じペットボトルにすることは現時点での技術では困難であり、リサイクルすることにより石油・コストがより多くかかってしまう。こうなると資源を節約するはずなのにより多く使うことになり本末転倒の事態に陥っていることになる。
- 廃棄物をリサイクルする場合、材料となる廃棄物を運搬する場合には「廃棄物運搬業」の許可を、廃棄物を加工する場合には「廃棄物処理業」の許可を、それぞれ都道府県知事などから得る必要がある。一見、リサイクルを阻害する制度に見えるが、悪意を持った業者が素材収集の名の下に堂々と不法投棄を行うことが予見できるため、容易に規制緩和ができない状態となっている。
- 日本においては、3Rのなかで特にリサイクルだけが活発に推進される。近年では工業製品において「質量比○○%のリサイクルが可能」という謳い文句が多いが、機械製品を構成する金属類は比重が重いものが多いため、比重が軽く、体積比ではFRPを初めとした混合樹脂製品などがリサイクルできず大量に廃棄される。また金属に限らず、物を再生する際は不純物の選別や精錬作業に多大なエネルギーと上水が必要となる。それらを鑑みても、リサイクルは3Rの根幹であるリユースやリデュースと平行して取り組むことが必要である。
- 日本においてはペットボトル等の回収された資源のうち97%は燃やされている。行政はそれをリサイクルと説明しているが、疑問が残る。
- 日本製紙は古紙100%配合紙を廃止すると2007年4月に発表。これは100%配合をするためには化石由来燃料をより多く使う必要があり、CO2削減の観点から望ましくないとしたものである。
- リサイクルされるかという大きなポイントは、リサイクルした時に儲けが出るか否かである。なので、「微価物・無価物の輸送費」を少なくしないと、廃棄にまわってしまう。金属など希少資源が高騰すると、いままで廃棄にまわっていた質の悪い資源も、もとがとれるようになり、リサイクルにまわるようになる。
[編集] 関連法規
| 法規(通称など) | 概要 | 施行 |
|---|---|---|
| 循環型社会形成推進基本法 | リサイクルと廃棄物に関する基本的な枠組み | 2001年1月 |
| 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法) | 廃棄物の適正なリサイクル、処分などを規定 | 2001年4月 |
| 資源の有効な利用の促進に関する法律(改正リサイクル法) | 廃棄物のリユース、リサイクルなどを規定。2003年10月よりパーソナルコンピュータ(ノートブック、デスクトップとも)、コンピュータ用ディスプレイ(CRT、LCDとも)が対象となった。 | 2001年4月 |
| 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法) | 容器包装(ガラス製容器、ペットボトルなど)の製造事業者などへの、リサイクルの義務付け | 2000年4月 |
| 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法) | 家電製品(エア・コンディショナー、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)(2004年4月1日から冷凍庫)の製造・販売事業者への、回収やリサイクルの義務付け | 2001年4月 |
| 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建築資材リサイクル法) | 建設工事の受注者などへの、建設系産業廃棄物のリサイクルなどの義務付け | 2002年5月 |
| 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法) | 食品の製造・販売事業者への残渣発生抑制やリサイクルの義務付け | 2001年5月 |
| 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン製品利用促進法、グリーン購入法) | 再生品などの購入の促進 | 2001年4月 |
| 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法) | 自動車製造業者への使用済み自動車のリサイクルの義務付け | 2005年1月 |
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- スチール缶リサイクル協会
- 江戸サウルス江戸時代エコ探検
- ガラスびんリサイクル促進協議会
- アルミ缶リサイクル協会
- 家電リサイクル券センター
- PCリサイクル参加企業
- 自動車リサイクル促進センター
- ペットボトルの「ふた」を油に(体験授業)

