マルシリオ・フィチーノ
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マルシリオ・フィチーノ(Marsilio Ficino 1433年10月19日 - 1499年10月1日)はイタリア・ルネサンス期の人文主義者。メディチ家の保護を受け、プラトンの著作を翻訳した。
メディチ家の侍医の子として生まれ、コジモ・デ・メディチ(1389年 - 1440年)に才能を見出されて、ギリシャ語・ラテン語を学ぶ。コジモが創立した私的なサークル、プラトン・アカデミーの中心人物になり、同サークルの活動により、ピコ・デラ・ミランドラ、ポリツィアーノらに直接的に影響を与えた。
中世ヨーロッパではスコラ学を介してアリストテレスは知られていたものの、プラトンについては(『ティマイオス』を例外として)ほとんど知られていなかった。フィレンツェ公会議などを契機に東ローマ帝国の学者からプラトンのギリシャ文献が伝わり、フィチーノはプラトン全集をラテン語に翻訳して出版した。フィチーノの訳業はルネサンス期の新プラトン主義(ネオプラトニズム)隆盛の元になった。
主な著作として『プラトン神学』Theologia Platonica、『愛について』De Amore、『生について』De Vitaなどがある。『愛について』は、プラトン『饗宴』の注釈書の形をとっており、そこで使われたアモル・プラトニクスという言葉がプラトニック・ラブ(精神的な愛)の元になったという。ただし、現在でのプラトニック・ラブの概念とはかけ離れたものであった。
フィチーノの人間観は次のようなものである。人間の魂は肉体に捕らえられている。人間の肉体と魂の一部(五感など)は動物と共通であるが、理性と知性を持つ点で動物と異なる。理性は五感から受け取った物事を分析、判断し、また想像力を働かせる能力である。また、知性は直接真理、イデアに到達し神の領域に近づく能力である。この意味で、人間は動物と神の中間にあり、様々な葛藤にさいなまれる不安定な存在であるが、理性によって現世で正しいことを行うとともに、知性によって真理と一体化することができる。
『ヘルメス文書』(錬金術の書)の翻訳や占星術の研究も行っており、近年はルネサンスの持つ魔術思想、神秘思想の面でも注目されている。
正統的なキリスト教の教義から見れば異端的な思想であったが、フィチーノ自身は魔術やプラトン哲学、キリスト教は矛盾せずに補完しあうものと考えており、1473年には司祭になっている。
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