トウモロコシ

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トウモロコシ
分類
界: 植物界 Plantae
門: 被子植物門 Magnoliophyta
綱: 単子葉植物綱 Liliopsida
目: イネ目 Poales
科: イネ科 Poaceae
属: トウモロコシ属  Zea
種: トウモロコシ  mays
学名
Zea mays L.
和名
タマネギ(玉蜀黍)
英名
米:Corn 英:Maize

トウモロコシ(玉蜀黍、学名Zea mays)は、イネ科一年生植物穀物として人間の食料や家畜飼料となるほか、デンプンの供給源としても重要で、年間世界生産量は6億トンに達する。

日本語では地方により様々な呼び名があり、トウキビナンバトウミギコウライキビなどと呼ぶ地域もある。

目次

[編集] 歴史

紀元前5000年頃にメキシコからグアテマラにかけての地域に自生していたテオシント(ブタモロコシ、Euchlaena mexicana)を起源とするといわれる(他にも諸説あり)。有史以前から栽培され、南北アメリカ大陸の主要農産物となっていた。マヤ文明アステカ文明でもトウモロコシの記述がある。

ヨーロッパには大航海時代に伝わり、アフリカ大陸には16~17世紀に伝った。また、アジアには16世紀初めに伝った。

日本には16世紀にポルトガル人によって伝えられ、明治初期に北海道にスイートコーン、デントコーンが導入された。

[編集] 形質

雄花は茎の先端にススキ状に生じる
雌花(穂)は茎の中ほどにたくさんつく

イネ科一年草で、高さは 2m に達する。イネ科としては幅の広い葉をつける。

発芽から3ヶ月程度で雄花(雄小穂)と雌花(雌小穂)が別々に生じる。雄小穂は茎の先端から葉より高く伸び出し、ススキの穂のような姿になる。雌小穂は分枝しない太い軸に一面につき、包葉に包まれて顔を出さず、長い雌蕊だけが束になって包葉の先から顔を出す。トウモロコシのひげはこの雌しべにあたる。

花粉は風媒され、受粉すると雌花の付け根が膨らみ可食が形成される。イネ科では珍しく、種子(果実)が熟すると穎の中から顔をだす。

[編集] 品種

トウモロコシは長い栽培の歴史の中で世界各地の品種を交配し、用途に合わせて種々の品種が開発されている。また、近年では遺伝子組み換えされた品種も広がりつつある。

  • スイートコーン(甘味種)- 食用。茹でる焼く(焼きトウモロコシ)、蒸すなどの調理方法がある。また、加工食品用の材料でもあり、例えばコーンフレークやコーンミールなどの材料にもなる。
  • ポップコーン(爆裂種)- 菓子ポップコーンを作るのに使用する。
  • デントコーン(馬歯種)- 家畜用飼料デンプン(コーンスターチ)の原料として主に使用。
  • フリントコーン(硬粒種)- 食用・家畜用飼料・工業用原料に主に使用される。
  • ワキシーコーン(もち種)- 完熟種子表面がツルツルしているのでこの名が付けられた。モチトウモロコシの名の通り加熱すると澱粉が強い粘性を示し、食べるとモチモチする。東アジアに多く、日本在来種には白、黄色、紫色、黒色のモチトウモロコシ、モチキビもある。
  • ソフトコーン(軟粒種)- 子実が軟質澱粉により形成されている。
  • ポッドコーン - 粒がひとつずつ頴に包まれている。

[編集] 生産と流通

トウモロコシの世界全体の生産量は、近年6億トン前後で、うちアメリカが4割程度を占め世界最大の生産国となっている。またアメリカは世界最大の輸出国でもあり、シェアは6割を越える。このため、アメリカの主要生産地帯の天候により世界の在庫量・価格が左右される。先物取引の対象ともされている。近年では、病虫害に強くなるように遺伝子組み換えを行った品種が広がっている。

日本はトウモロコシのほとんどを輸入に依存している。日本は世界最大のトウモロコシ輸入国であり、その輸入量の9割をアメリカに依存している。(同時に日本は世界最大の遺伝子組替作物輸入国である)また、日本国内で消費される75%は家畜の飼料用として使用されている。国内で生産されているものは、缶詰めやそのまま食用にされるものがある。遺伝子組み換えとうもろこしは、スーパーなどで一般的に市販されている食品に含まれる、植物性油脂、異性化液糖、アルコール、香料、でんぷん、果糖などの原料として日本国内で流通している。(表示義務は無い)

[編集] 用途

トウモロコシの実は、人間の食用としての他、畜産業での飼料として大量に消費されている。そのほか、デンプンコーンスターチ)や、サラダオイルなどに用いられるの供給源としても利用されている。

トウモロコシからは効率よく純度の高いデンプンが得られるため、工業作物としても重要な位置を占める。実から得られるデンプンは製紙などに使用される他、発酵によってエタノールなど、様々な化学物質へ転化されている。近年では環境問題や持続的社会への関心から、生分解性プラスチックであるポリ乳酸や、バイオエタノールとして自動車燃料などへの用途も広がりつつある。

実を取ったあとの軸(コブ)は、樹脂材料のフルフラールやフルフリルアルコール、甘味料キシリトールなどの製造原料となる。粉砕した粉はコブミールと呼び、きのこ培地建材原料、研磨材などにも利用されている。 芯が柔らかく円筒形に加工しやすいことから、喫煙具(コーンパイプ)として用いられたことがある。第二次世界大戦戦後処理で連合国軍最高司令官総司令部総司令官の任についたダグラス・マッカーサーの写真でしはしばコーンパイプを手にした姿を見ることができる。

めしべの花柱(ひげ)は、南蛮毛(なんばんもう、なんばんげ)という生薬で利尿作用がある。

[編集] 料理法

トウモロコシの実には水分が少なく、乾燥させて保存できるために中南米では古くから重要な食料であった。乾燥させたトウモロコシはに挽き、水と混ぜて加熱してから食べる場合が多い。メキシコトルティーヤ米国のコーンブレッドのように焼くもの、イタリアポレンタ東欧のママリガ、東アフリカウガリなどのように状にするもの、中国のウォートウ(窩頭)のように蒸しパン状にするものなどがある。

収穫して間もないものは、そのままあるいは実のみを取って焼いたり茹でたりすることで加熱して食べる。非常に新鮮な場合は稀に生食することがある。

そのほか、食材としての利用は多岐にわたり、コーンスープ(西洋料理のコーンポタージュ・中華料理の玉米羹・粟米羹)、バターコーン、ポップコーンコーンフレークなどにする。また、韓国では コーン茶(オクススチャ)にする。

トウモロコシの実には体内で必要とする必須アミノ酸のひとつトリプトファンが少ないため、これに起因するペラグラPellagra、俗にイタリア癩病)という病気が、古来よりトウモロコシを主食とする地域の南アメリカ・米国南部・アフリカの一部などで蔓延し、現在でもこれが続いている地域がある。

[編集] 名称

日本語で標準的に用いられている呼称の「トウモロコシ」という名称は、トウは中国の国家に、モロコシは、唐土(もろこし)から伝来した植物の「モロコシ」に由来する。関西などの方言でいう「なんば」は南蛮黍(なんばんきび)の略称であり、高麗(こうらい)または高麗黍と呼ぶ地域もあるが、これらはいずれも外来植物であることを言い表している。

『日本方言大辞典』には267種もの呼び方が載っており、主な呼び方には下記のものがある。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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