タイ国有鉄道
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タイ国有鉄道(たいこくゆうてつどう、the State Railway of Thailand、การรถไฟแห่งประเทศไทย)は仏暦2494年(1951年)にタイ国有鉄道法に基づいて設立された100%政府出資の公団で運輸省の下位組織である。タイ国内での略称はก.ร.ฟ.。英語メディアではSRTという略称が使われることもあるが、日本では英語の略称を使わず、一般にタイ国鉄と呼ばれている。総延長は4,041km。
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[編集] 路線と駅
[編集] 路線
およそ4系統と盲腸線であるマハーチャイ線に分類される。南線はマレーシアの鉄道と接続され、相互運行が実現されている。
- 南本線 : バンコク - タリンチャン分岐駅 - ナコーンパトム - ノーンプラドック分岐駅 - ラーチャブリー - ペッチャブリー - ホアヒン - チュムポーン - Ban Thung Pho分岐駅 - スラートターニー - Thuog Song分岐駅 - Khao Chum Thong分岐駅 - ハジャイ - パダン・ブサール(マレーシア国境)(974km)
- 東北本線・北線 : バーンパチ分岐駅(北本線) - コーンカイ分岐駅 - ナコーンラーチャシーマー - タノンチラ分岐駅 - ブアヤイ分岐駅 - コーンケーン - ウドーンターニー - ノーンカーイ(ラオス国境、624km)
- バイパス線 : コーンカイ分岐駅 - ブアヤイ分岐駅
- 東北本線・南線 : タノンチラ分岐駅 - スリン - シーサケート - ウボンラーチャターニー(575km)
- 東線 : バンスー(北本線) - Chachoengsao分岐駅 - アランヤプラテート(カンボジア国境、255km)
- 支線 : Chachoengsao分岐駅 - パタヤー - Laem Chabang - サタヒップ
- 支線 : Laem Chabang - Map Ta Put
- マハーチャイ線 : ウォンウィエンヤイ(バンコク市内) - マハーチャイ
- メークローン線 : バンレム - メークローン
※両線を総称してメークローン線という。マハーチャイ - バンレム間は川で隔てられており、両駅を連絡する渡し船が運航されている。
※距離はすべてバンコク起点のもの。
[編集] 駅
バンコクのターミナル駅としてはホアランポーン駅がある。ほぼほとんどの列車がこのホアランポーン駅を発着するが、南線のナムトク支線行きとごく一部の南線普通列車は、タリンチャン分岐駅より分かれるトンブリー駅を発着する。トンブリー駅は、王宮地域よりチャオプラヤー川を挟んだ対岸に位置する。また、盲腸線であるメークローン線は、同じくチャオプラヤー川対岸地区のウォンウィエンヤイ駅を起点とする。3駅間の移動はバス、タクシーが一般的である。
[編集] 運行形態と料金
[編集] 列車種別
Special Express(特急)、Express(急行)、Rapid(快速)、Ordinary(普通)、Commuter(近郊列車)に大別され、急行と快速が都市間輸送を担っており、夜行列車も多い。普通はその補完であり、近郊列車はバンコク発着がほとんどの運行である。車両種別は別項を参照のこと。急行、快速は各等級の混成編成(列車により連結される等級は異なる)であり、普通、近郊列車は三等車のみである。
このほかに昼行、夜行のディーゼル特急があり、冷房二等座席車のみのモノクラス編成で運行されている。
また別格の特別列車として、バンコクからマレーシア・シンガポールまで運行するイースタン・オリエント・エクスプレス(E&O)が有名だが、タイ国有鉄道の運行ではなく、オリエントエクスプレスホテルズ社の運行である。
[編集] 車両種別
- 一等車 - 一人用あるいは二人用の個室寝台。
- 二等寝台車 - 開放型の二段寝台。昼間は座席車となる。冷房と非冷房があるが、近年はほとんど冷房車両となった。
- 二等車 - 非冷房の二人がけクロスシートの座席車。
- 三等車 - 非冷房の四人がけクロスシート、あるいは(近郊列車用車両のみ)ロングシートの座席車。座席はプラスティック製か木製。
[編集] 運行列車
- 北本線およびその支線
- バンコク - チェンマイ : 特急2往復(夜行2)、ディーゼル特急2往復(昼行1、夜行1)、急行1往復(夜行1)、快速2往復(昼行1、夜行1)
- バンコク - デンチャイ : 快速2往復(昼行1、夜行1)
- バンコク - Sila At : 快速1往復(下り夜行、上り昼行)
- バンコク - サワンカローク : ディーゼル特急1往復(下り昼行、上り夜行)
- ドンムァン - ピッサヌローク : 普通1往復(昼行1)
- 南本線およびその支線
- バンコク - パダン・ブサール - バタワース(マレーシア) : 特急1往復(夜行1)
- バンコク - スンガイコーロク : 特急1往復(夜行1)、快速1往復(夜行1)
- バンコク - ヤラー : ディーゼル特急1往復(夜行1)、快速1往復(夜行1)
- バンコク - ナコン・シータマラート : 急行1往復(夜行1)、快速1往復(夜行1)
- バンコク - カンタン : 快速1往復(夜行1)
- バンコク - トラン : 急行1往復(夜行1)
- バンコク - スラタニー : ディーゼル特急2往復(昼行1、夜行1)
- バンコク - ホアヒン : 普通1往復(昼行1)
- トンブリー - ナムトク : 普通2往復(昼行2)
- 東北本線およびその支線
- バンコク - ノーンカイ : ディーゼル特急1往復(下り夜行、上り昼行)、急行1往復(夜行1)、快速2往復(昼行1、夜行1)
- バンコク - ウドンターニー : ディーゼル特急1往復(下り昼行、上り夜行)
- バンコク - ウボン・ラチャターニー : ディーゼル特急1往復(昼行1)、急行1往復(夜行1)、快速5往復(下り昼行1、夜行4、上り昼行2、夜行3)
- バンコク - シー・サケット : ディーゼル特急1往復(下り昼行、上り夜行)
- バンコク - Sikhoraphum : ディーゼル特急1往復(下り夜行、上り昼行)
- ドンムァン - スリン : 普通1往復(昼行1)
- 東線およびその支線
- バンコク - アランヤプラテート : 普通2往復
- バンコク - カビン・ブリ : 普通3往復
- バンコク - プラチン・ブリ : 普通1往復
- バンコク - Ban Plu Ta Luang(サタヒップ方面?) : 普通1往復(月曜日から金曜日のみ)
- バンコク - Chachoengsao分岐駅 : 特別ディーゼル3往復(うち1往復は土日曜日のみ)、普通3往復
※この他にも何本かの区間普通列車、多くの近郊列車が運行されている。
※東線はすべて昼行。Chachoengsao分岐駅行きの特別ディーゼルは3等車のみで、ディーゼル特急とは別の車両。
[編集] 料金
運賃は等級ごとの基本料金、列車種別ごとの加算料金で計算され、寝台車の場合にはさらに寝台料金が加算される。なお、寝台料金は上段、下段によって異なる。一等車、二等車は60日前からの予約購入が可能。
[編集] 概要
[編集] 車両
国内で使われる車両はすべてディーゼル駆動。日本、韓国、欧米などで製造された、ディーゼル機関車が牽引する客車列車、およびディーゼルカーが使用されている。ディーゼル機関車は初期に導入されたドイツ製の2形式のみ液体式(機関の出力をトルクコンバータおよびギアを介して車軸に伝える方式)で、後に導入された形式はすべて電気式(機関により発電しモーターを駆動する方式)となっている。一方ディーゼルカーはすべて液体式である。
近年は、西日本旅客鉄道(JR西日本)で余剰となった鉄道車両(キハ58系気動車、12系客車、14系客車、24系客車)が無償譲渡され、軌間変更等の改造を実施した上で使用されている。ただし、大半の車両がメンテナンス不備のため、冷房装置が取り外されている。
[編集] 軌道
タイ国鉄の鉄道は1000mmゲージ、通称“メーターゲージ”を採用している。これは当初ほとんどが1000mmゲージで建設された一方、一部の路線で採用された1435mmゲージが障害となり1930年までにすべて1000mmゲージに改軌・統一された経緯がある。1000mmゲージへの統一の目的の一つに、マレー鉄道との列車直通運転を可能にすることも挙げられる。このゲージ統一は当初、有効に機能した一方で、安定性では標準軌に劣るため、特にカーブなどではスピードを落とさねばならず高速化には不利である。また、最近では路線の仕様を変更してもスカイトレインなどのゲージの広い車両が乗り入れすることが難しいという問題もある。
[編集] 歴史
タイ国有鉄道は1891年3月9日、ラーマ5世(チュラーロンコーン)が鉄道建設計画の勅命を発表したことに始まる。その後、公共事業省がM.G.キャンベルを招来し建設を開始1894年3月26日、フワランポーン駅でラーマ5世がナコーンラーチャシーマーまでの鉄道の開通を祝う勅命を発し、その日はアユタヤまで運行した。1917年7月5日まではヨーロッパ人の技師達より管理されていたが、それ以降はシャム王国国有鉄道局が管理するようになった。当時は鉄道の施設はコストがかさんでも国の利益となると言う認識があったために、その後鉄道は全国を網羅するように施設された。1951年には仏暦2494年タイ国有鉄道法が成立しタイ国有鉄道が成立した。
[編集] 計画
- タイ=ラオス友好橋に沿う形で、東北線の終点であるノーンカーイ(ノンカイ)からラオスの首都ヴィエンチャンへの鉄道延伸工事が行われていたが、資金難のため凍結中。
- 東線のアランヤプラテートからカンボジア鉄道への運行再開も計画されているが、実現のめどは立っていない。
- カーンチャナブリー県のナムトクから、旧泰麺鉄道のコースを通りミャンマーのヤンゴンまでを延長する計画もあるが、こちらも実現のめどは立っていない。
- (2006年現在)上記以外の新線建設計画としては、以下があげられる。いずれも完成・着工は未定である。
- 北部 : デンチャイ – チェンライ
- 南部 : スラタニー – Tanun(パンガー湾)
- 東部 : Map Ta Phu – ラヨーン
- 東北部 : Bua Yai – Roi Et – ムクダハーン – ナコーンパノム
- このほか複数の箇所で複線化計画、路盤補修計画がある。
[編集] 社会的役割
タイの鉄道は定時性に欠け、遅いということが指摘されている。また、近郊区間ではじゅうぶんな運行本数があるとは言いがたい。
都市間輸送については公共輸送公社の運営するバスの方が早くて経済的であること、航空網が整備されていることなどから鉄道による旅客輸送は他国と同様緩やかに衰退しているが、座席車(特に三等車)の料金が安いこと、あるいは寝台が快適なことから、時期・区間によってはかなりの乗車率となることもある。貨物輸送も長距離トラックにその座を奪われつつあり、主流ではない。
都市近郊区間での輸送実績はバスに劣る。全般的にはバンコク大量輸送公社によるバス路線網が充実し、また運転間隔も短く経済的なため、鉄道の通勤手段としての利用は少数派である。ただしバンコクとその近郊においてはある程度の近郊列車が運転されており、駅間隔も比較的短いことから、時間帯によっては立ち席が出るほどに混雑する。
[編集] 主な事件
マレーシア国境に近い深南部では、タイからの独立を目指すイスラム過激派によるテロが多発している地域を通過するため、運行妨害等の事件が発生している。
- 2007年3月28日、バンコク、ホアランポーン駅構内で、列車が停車位置を超え発券所の壁に激突した。
- 4月8日、バンコク、バンスー駅で停車中の機関車から出火した。
- 6月4日、ヤラー県にて線路のボルトが多数抜かれ、列車が脱線・転覆、13人が負傷した。その影響で深南部線が8日朝まで運休。
[編集] 外部サイト
[編集] 関連項目

