ジーンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
目次 |
[編集] 歴史
現代のジーンズは、ヨーロッパで生まれたデニムを、アメリカに持ち込んだリーヴァイ・ストラウスの発案により誕生した。その起源は15世紀、イタリアの港町ジェノバで作られた厚く丈夫な布地、あるいはその布地でできたパンツを着用していた水夫たちをジェノイーズと呼んだのが語源だといわれる。ジェノバは、中世ラテン語で Janua 、当時のフランス語では Janne 、英語は Gene 、これらが入り混じって現代の jeans というつづりに落ち着いたようだ(ジェノイーズは現在では一般的にデニムと呼ばれている)。フランス産のセルジュ・ドゥ・ニーム(英語ではデニム)を、ゴールドラッシュにわくアメリカ西海岸でテント地としてヒットさせたリーバイ・ストラウスが、その生地をインディゴで虫除け、蛇避けを兼ねて染めたものが、ブルーデニムであり、ジーンズの発祥である。リベットは、前と後ろのポケットの両端に打ちつける。そのほかの仕様には一定の決まりが無かった。価格は3ドル(当時としてはかなり高かった)。この作業ズボンは評判がよく、評判が評判を生んでよく売れた。リーバイ・ストラウス社からテント地を買っていたヤコブ・デービスは、彼に「リベットで補強した衣類」の特許申請を持ちかけた。共同による特許取得申請は、1873年5月20日に受理。その代わり、販売に関しての権利を2人で分割し、ヤコブ・デービスは初代の工場長に就任した。このポケットの取り付け部分の生地が破れぬ様に馬具のブランケット用のリベットを打ち込んだのが、現在まで通ずるジーンズの直接の原型である。
その後、素材をキャンバス生地からデニム生地へとシフト、1878年にドイツで開発された合成インディゴを染料とし、その後のジーンズは確実な発展を遂げていくことになる。
1955年の映画『理由なき反抗』でジェームズ・ディーンが着用していた事から、世界中の若者の間にファッションとして普及していった。(ジェームズが愛用していたのはリーのジーンズ)
日本での普及のきっかけは、1945年の敗戦後。アメリカ軍が放出した古着のなかに大量のジーンズがあり、当時の若者たちが着用したかららしい。その時着用した有名人に白洲次郎がいる。1963年に大石貿易(ブランド名:キャントン)がデニム生地をキャントンミルズ社から輸入し国内初のブルージーンズを発売する。
かつては日本では「Gパン」という呼び名が一般的であった。これはアメリカの G.I. が履いていたので、そのパンツということでGパンとなったとする説、また、ジーンズを初めて日本に紹介した人物が、ジーンズ (jeans) のパンツの意味で「Jパン」と名づけようとしたが、「J」の代わりに元の発音に近い「G」を代用したという説などがある。
2004年1月8日、リーバイ・ストラウス社は兼ねてからの業務縮小に伴い、アメリカ国内での最後のジーンズ生産工場を閉鎖した。
[編集] 生地の厚味
「オンス (OZ)」という単位で表され、ジーンズ一本の重さではなく1ヤード四方の生地の重さを表したもの。
1オンス = 30.7g弱。1ヤード四方 = 0.84m²。
一般的には14オンスほどの厚みが多く、しなやかな履き心地がある。厚いほど生地は硬くゴワゴワし、馴染むまで時間がかかる。その硬さは洗濯し天日干しすると、壁に立てかけられるほどである。まさに丈夫で破れにくいのだが、夏場は非常に暑い。もっとも厚いのはキャントン:23オンス。続いてはエイトG:21:オンス、サムライ:19オンス、鬼デニム:19オンスなどがある。
[編集] 洗濯
特に日本の若者のジーンズファンの間では、ジーンズは洗濯しない物という考えが広まっている。色落ちや不格好な皺が出来るのを嫌っての事であるが、洗濯しない衣服はジーンズに限らず当然ながら非常に不衛生である。特に、ジーンズの内側はこすりつけられた脚の皮脂が付着するので、それを栄養にしてカビが発生する事さえある。さらに、汗と油によって生地そのものが傷むので、本来作業着であるはずのジーンズの強度が極端に落ちてしまうという弊害もある。
よって、メーカーや専門家などは洗濯を勧めている。方法としては、生地の表面が洗濯機の内側で擦れて不必要な色落ちが起きないように裏返しにしてから、普通の衣服と同様に洗剤を使い、洗濯機で洗うのが一般的である。最低でも、水洗いは行わないと清潔な状態にはならない。
また、色落ちを出来るだけ防ぐためには洗濯石鹸や中性洗剤を使用するのが望ましいとされる。洗剤の中には、蛍光剤や漂白剤が入っている場合があるので、洗剤選びには注意が必要である。近年では、ジーンズ専用の洗剤も発売されている。
[編集] 主なメーカー
(上記三社は生産本数や歴史などから世界三大ジーンズメーカーとも呼ばれる。)
- EDWIN (エドウイン)
- BIG JOHN (ビッグジョン)
- BOBSON (ボブソン)
- DENIME (ドゥニーム)
- JOHNBULL (ジョンブル)
- EVISU (エヴィス)
- UNIQLO (ユニクロ)
- SUGAR CANE (シュガーケーン)
- WAREHOUSE (ウェアハウス)
- TheFlatHead (ザ・フラットヘッド)
- ETERNAL (エターナル)
- DOMINGO (ドミンゴ)
- FULLCOUNT (フルカウント)
[編集] 2000年以降、人気のメーカー
- LEVI'S RED リーバイスレッド
- Denime ドゥニーム
- TRUE RELIGION トゥルーレリジョン
- ANTIK DENIM アンティーク デニム
- Rock&Republic ロックアンドリパブリック
- Nudie Jeans ヌーディージーンズ
- Joe's (ジョーズ)
- AG (アドリアーノゴールドシュミット)
- SEVEN For All Mankind (セブン)
- EVISU (エヴィス)
- FULLCOUNT (フルカウント)
- スカルジーンズ
- DOLCE&GABBANA
- DSQUARED2
- DIESEL
- ENERGIE
- GAS
- REPLAY
- DIOR
- army of no!
- エイトG
- サムライ
- 鬼デニム
- 桃太郎ジーンズ
[編集] シルエット・スタイル
[編集] 用語
- ステッチ 縫製糸または、縫製のこと。
- パッチ ウエストバンドの後ろにつく革や紙製のラベルのこと。主にブランド名やサイズなどが表記されている。
- コインポケット ジーンズ前側右手ポケット部分に付いているデニムで出来た小さなポケットのこと。ウォッチポケットとも呼ばれ、腕時計が普及する以前に懐中時計を入れるポケットだったと言われる。
- リベット ポケットの端など力のかかる部分を補強するために打ち込まれた鋲のこと。ジーンズ誕生の要。金属製で銅が素材として用いられる。ほかには鉄やアルミ、ニッケルの合金が使われることもある。現在はカンヌキと呼ばれるバータック(ジグザグのステッチ)で代用される場合もある。1937 - 1966年のリーバイスジーンズでは、鞍を傷つけないために生地の内側から打たれた「隠しリベット」が用いられた。1940年代には股部分にもリベットが施されていた。
- スレーキ フロントポケットの袋布のこと。
- 右綾・左綾 デニムの綾目の方向のこと。一般的には右綾が用いられる。左綾のジーンズは Lee が有名。それぞれ色落ちなどに違いが出る。
- シンチバックル 後ろの腰部分に付けられたウエストのサイズを調節するバンド。
- バックヨーク 腰の切り返し部分のこと。ジーンズ形成の上で重要な部分である。
- セルビッジ 耳とも呼ばれ、生地の両端のこと。シャットル織機は織り幅が27インチ前後と狭く、ジーンズを縫製するために効率よく生地を裁断するとこのセルビッジが両足の外側に回されることになる。そしてジーンズが脇割り縫い仕様である場合このセルビッジが特徴的な色落ちをもたらす。
- 赤耳 赤いステッチが入っているデニムのセルビッジのこと。裾の裏側で確認できる。古いリーバイスジーンズの特徴の一つ。
- 脇割り縫い 縫製方法の一つ。ジーンズに限らず一般的なスラックスに用いられる。
- ボタンフライ フロント部がボタンになっていること。リーバイス501が代表的。防縮加工技術が開発される前は殆ど全てのパンツはボタンフライであった。
- ジップフライ フロント部がジッパーになっていること。
- ビンテージ フランス語でワインの生産年のことである。特に豊作の年の極上ワインを「Vintage wine」と称することから、ジーンズの過去の名品を総称してビンテージジーンズと呼ぶことがある。
[編集] 特に有名なモデル
(本項では主にリーバイスの物を挙げる)
- Levi's 501
- リーバイスが最初に手がけたジーンズのモデル。誕生したのは1890年代である。現在ジーンズにおける「501」という番号は、商標登録されている。もともとジーンズは「ウエストオーバーオール」と呼ばれており、「501」とはそれにつけられた品番(ロットナンバー)であった。
- ボタンフライ仕様(股をボタンで留める方式)で、「01デニム」という「501」専用デニムが使われている。「シュリンク・トゥ・フィット」とは、糊の付いた状態から洗うと数インチ縮むこの素材を、着用と洗濯を繰り返すことで体になじませるという、リーバイスが提唱した原則である。もっとも衣類に防縮加工が施されるようになったのは1928年以降のことであり、当時の殆ど全ての衣類は洗えば縮んだ。ちなみに初の防縮加工ジーンズは1947年発売のラングラーの 11MW である。また1980年代あたりより多数のバリエーション(異素材使用、洗い加工)が生産販売されるようになったため、現在では上記の仕様に沿った501は501という製品の1バリエーションに過ぎない。
- 近年まで主にアメリカで生産されていたが、生産コスト削減の理由で2004年1月にアメリカの工場は閉鎖され現在はメキシコ、フィリピン、ドミニカ共和国などで生産、1930 - 80年代の仕様を年代ごとに再現した高価な日本製の製品も販売されている。
- Levi's 505
- 上の「501」よりもやや細めのストレートジーンズ。それまでのボタンフライ型をジップフライ型(フロント部をジッパーで留める方式)に改めた革命的モデル。元は 551Z (「Z」は zipper :ジッパーの意)というロットでアメリカ東部向けに製造。ヴィンテージジーンズファンの間では501より細身のそのシルエットが美しいと評され、1990年代のジーンズブーム時にビンテージ物が非常に良く出回った。1967年発売。
- デニムには防縮加工が施された。発売した頃は「シュリンク・トゥ・フィット」に対照的な、ぴったりのサイズを買うよう求める文句がタグに記載された。501と同じ素材の「501Z(502)」も存在するが、短命に終わった。
- このロットナンバーは US505 と 505 の2種類が存在した。USバージョンはアメリカ製、USなしはフィリピン製である。同じサイズでもフィリピン製の方が細めだった。
- Levi's 517
- 「ブーツカット」と呼ばれる膝から下にかけ緩やかに広がるシルエットで、見た目の美しさが光るモデル。1971年発売。
- Levi's 606
- タイトスリム(スーパースリム)のジーンズ。現在ではブラックとBIG「E」の復刻バージョンがある。
- Levi's 646
- 膝から下の広がりが517よりも大きい「ベルボトム」と呼ばれるシルエット。
- Lee Riders 101
- アメリカの3大ジーンズブランドの一つ、 Lee の製品。 Lee ではジーンズのことを Riders (この場合は馬の乗り手の意味)と呼称する。101はかのジェームズ・ディーンが映画劇中及び私生活で愛用した。
- Wrangler 11MW
- アメリカの3大ジーンズブランドの一つ Wrangler の製品。防縮加工された初めてのジーンズ。
- EDWIN 400番台
- インターナショナルベーシックシリーズのジーンズ。エドウィン社のストレート・スリムジーンズの定番となっている。
- 402 - 405がストレート、406 - 408がスリムである。ストレート・スリムともに末尾の数字が大きくなるほど太目のモデルとなる。
- EDWIN 505
- 赤耳着きヴィンテージジーンズが流行した1990年代なかばに一世を風靡した。
- EDWIN 503
- ブラッド・ピットが CM に出演した事で有名になる。
[編集] 関連項目
カテゴリ: アウターウエア | 衣類 | アメリカ合衆国の文化

