サービス残業

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サービス残業(サービスざんぎょう)とは、雇用主から正規の賃金(労働基準法が定める時間外労働手当)が払われない時間外労働の俗称であり、本質的には賃金不払残業である。サービス残業は長時間労働を招く為、過労死過労自殺の原因となることもあり、サービス残業の存在を知りつつ放置する行為は、刑事罰にあたる違法行為である。

目次

[編集] サービス残業の形態

サービス残業は以下のような形態で発生する。

  • 労働者に残業申請を行わせない

有形・無形の圧力により、残業申請を行わせない。タイムカードによる出退勤管理をしている企業では、定時に退勤処理を行わせた後で働かせる場合もある。外部からは従業員が自主的に残って働いているように見える。「サービス」の語の由来でもある。 一例を挙げれば、「一日4時間以上とか月30時間以上の残業をしてはならない」とする内規を作ったり、一つの課などで月に決められた一定時間まで、例えば180時間までの残業時間枠を設ける方法がある。この種の規定の表面上の意味はあくまでも「この時間内に仕事を終わらせよ」である。しかし、このような規定を設けるだけで仕事量と人員数のバランスを取る仕組みがなければ、なにかの切っ掛けでバランスが崩れた際に従業員が「内規に反して」残業を始め、以後それが常態化してしまうことがある。内規に反して働いているという状態になるため、残業申請は行いにくく、そのような職場では、内規は「この時間を超えて残業しても残業賃金は払わない」というサービス残業の規定になってしまっている。

  • 職場外での仕事の強制

職場での残業は認められないが、仕事が完了することは求められている場合に発生しやすい。いわゆる、仕事を持ち帰るケースである。就業時間外に働いているので、厳密には残業ではない(「サービス労働」と言われることもある)が、実質的には残業である場合が多い。賃金の不払い以外にも、持ち帰った仕事をしている最中に事故にあった場合の労災や、情報漏洩があった場合の責任など問題が多い。

裁量労働制では、成果主義に基づき、仕事の成果に対して報酬を払う替わりに(年俸制を採ることが多い)、勤務時間管理を行わない。したがって、裁量労働制のもとでは残業という概念自体存在しない。しかし、成果と報酬の関係が不明確(期待以上の成果をあげても給与に反映されないなど)なまま、サービス残業隠しに導入している企業も多い。また、本来、裁量労働を適用できない職種について裁量労働制を適用している例も多い。

裁量労働制では、出勤・退社の時間は自由に決められるのが建前であるが、実際には遅刻・早退控除を行い、一方で残業代のみ都合よくカットしているのが実態である。

  • 管理職に昇進させる

管理職は労働基準法に定める労働時間などの規定の適用を受けない(41条)。そこで、名目だけ管理職に昇進させ、少額の管理職手当と引き替えに残業手当をカットする方法が採られることがある。

第41条 この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
  1. (略)
  2. 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
  3. (略)

しかし、ここでいう管理監督者とは経営と一体的立場にある者を指し、自己の労務管理についても裁量権を与えられている必要がある。課長など役職名によって決まるわけではない。つまり、残業をした次の日は自分の判断でいわゆる重役出勤ができる程度の裁量がないと41条でいう管理監督者には当たらない。 チェーンストアの直営店長などが41条の対象になるかは、ケースバイケースである。

[編集] サービス残業の実態と対応

サービス残業は、労働基準法、労働安全衛生法違反であるが、労働者は文句を言えば報復人事に遭う恐れがあるため、否応なしに従っていることが多い。

2001年4月には厚生労働省からサービス残業を規制する趣旨の通達「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」(基発339号)が出され、労働基準監督署による調査、始業・終業時刻の記録・確認などの是正指導が強化された。

しかし、法令で残業時間を規制しても仕事の量は減らないという職場もあり、結局自宅へ仕事を持ち帰り「サービス労働」を行うことになるケースも少なくない。また、企業側が休暇の取得を奨励したものの、仕事は消化しなければならないため休暇の日に自宅で無給の「在宅勤務」を強いられるケースもある。こういったケースは労働基準監督署による摘発が非常に困難である。

余談であるが、P2Pソフトなどによる情報漏洩騒動によって、幅広い業種で持ち帰り仕事が横行していることが浮き彫りとなっている。

[編集] 労働基準監督署の是正勧告

複数の労働基準監督署が2004年9月以降に実施してきた立ち入り調査でサービス残業が発覚してきた。労働基準監督署の是正勧告を受けて社内調査をしてサービス残業代を支払った(2005年)。もっとも立ち入りが行われたのは一般にサービス残業が少ないとされる電力会社が中心で、これらは氷山の一角に過ぎないという指摘が多い。

また、一部の国立大学にも労働基準監督署が立ち入り検査を行っている。

このような是正勧告に対して、日本経済団体連合会は「企業の労使自治や企業の国際競争力の強化を阻害しかねないような動きが顕著」と非難している[1]

なお、日本の事業者は500万強あり、その大半が多かれ少なかれサービス残業をさせているものと考えられるが、労働基準監督官の総数はわずかに3000人程度である。

加筆依頼:この項目「サービス残業」は、加筆依頼に出されており、内容をより充実させるために次の点に関する加筆が求められています。
加筆の要点 - ビックカメラの事例について
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[編集] 対策

在勤中途では報復人事を受けるおそれがあるため採用できないが、自己都合または会社都合により退職する場合には、退職後に時効消滅した部分を除き、不払いの残業を企業側に一括請求する訴訟を起こす事が有効であり、また実際に提起され勝訴し不払い残業代を勝ち取っている事例もある。サービス残業を強いられた場合には逐一メモを取り、その他証明力のある記録または証拠を残しておくことが肝要である。

[編集] ホワイトカラー・エグゼンプション

日本経団連からの要望を受けた形で、2006年6月より「一定以上の年収の人を労働時間規制から外して残業代の適用対象外にする 自律的労働制度の創設」に向けた検討が厚労省で開始された。

経団連の要望は、年収400万以上のホワイトカラー労働者を労働時間の管理対象外とする、という内容のものであり、「ホワイトカラー」の定義があいまいである事もあって、労働者団体からは、サービス残業を合法化するものであるという危惧が表明されている。

なお、詳細についてはホワイトカラーエグゼンプションの項目を参照。

[編集] 関連項目

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