ゴシック・アンド・ロリータ

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ゴシックロリータの例。2002年頃、東京都渋谷区竹下通りで撮影。

ゴシック・アンド・ロリータ (Gothic & Lolita) とは日本のサブカルチャーの一つ。また、そのようなファッションを指して言う語。一般に知られている略称はゴスロリ。他にゴシックロリータ、ゴシックロリィタなど。

目次

[編集] 概要

ゴシック・アンド・ロリータの大まかな定義としては

  1. ロリータ・ファッションや、ゴシック・ファッションの愛好家(ゴス)のような美的感性を持つ人達。 → ゴシック・アンド・ロリータ精神(ファッションではなく人工美価値のひとつ。)
  2. ゴシック、ロリータ両方のテイストを含んだ服装。またはその愛好家。→ ゴシック・アンド・ロリータ・ファッション
  3. ゴシック・ファッション、ロリータファッションの総称。
  4. 萌え属性のひとつ。上述のファッションを模倣したキャラクター。おたく的感覚のゴシック・アンド・ロリータ。
  5. 上述のような服装、傾向を思わせる格好や設定のキャラクターおよびその作品やイラスト。上述の萌え属性よりも愛好家の感覚が優先される。

なお、3.は双方の愛好家のファッション感覚の差が大きいので区分される傾向にある。 愛好家の間では1.のような感性・感覚がないと2.と5.のような表現に昇華するのは難しいとされている。そのためゴシック・アンド・ロリータはファッション(服)ではないという人もいる。

なお、「可愛い」や「かっこいい」などとはまた違う、独立した美意識として確立しており、愛好家の間に一定した定義があるものの、ファッションのジャンルとしては未発達・未分化の状態で、ゴシック・アンド・ロリータを掲げるファッションブランドの数は、ロリータ・ファッションのブランドに比べてずっと少ない。なお、「ゴシック・アンド・ロリータ」ファッションと名前がついているが、そのデザインは本来のゴシック調、ロリータ調に限らず、ロココ調ヴィクトリアン調など近代のモードを取り入れたものもある。

よく勘違いされやすいが決して「ゴシック調のデザインのロリータな服」という意味ではなく、たとえば十字架のアクセサリーに黒いフリルのスカートを履いていればゴスロリ、ではない。黒い服や、十字架などゴシック系のアイテムは通常のロリータの愛好家にも好まれており、それだけで『黒ロリ』(後述)ではないとは言い切れない。ただ、メイド服やチャイナドレス、着物などとの組み合わせはコスチューム映えするとして好ましく捉えられない傾向がある。

主な担い手は10代から20代の若い女性が大半で、ファッションを中心とした一種の文化形態である。一般にはかなり極端な文化とみなされている。

1990年代以降、バンドMALICE MIZERを愛好するファンにより一般にも知られるようになったと言われている。

オタクの間では一種の萌え属性とされやすいが、単に外見にフリルの沢山付いた、あるいはそれを連想させる服(及び、キャラクターの内容)という意味で使われることが多く、現実の愛好家とオタクとの間での確執が大きい。ゴシック・アンド・ロリータは腐女子などのオタク文化と関連付けられるが、オタク、腐女子の女性がゴシックロリータを着用することが必ずしも「ゴスロリ萌え」と強い関連性があるとはいえず、(むしろV系バンドファンのオタクとの関連性の方が強い。)殆どの愛好家のオタク女性は萌えとは関係のないものとして、ゴシックロリータを扱っている。

ゴシック・アンド・ロリータは主にヴィジュアル系のファンと結び付けられるが、ゴシック・アンド・ロリータを身にまとった者すべてがヴィジュアル系のファンというわけではなく、ヴィジュアル系のファンが必ずしもゴシック・アンド・ロリータを身にまとっているとは限らない。

[編集] ゴシック・アンド・ロリータ

ゴシック・アンド・ロリータの特徴を最も端的に表しているのが、そのファッションであり、そのファッション感覚こそがこの文化の中核となっている。

このファッションを簡素に述べるならば、大人の少女服のロリータ・ファッションゴシック文学等の精神面が重要視されることが多いゴシック・ファッションを取り入れた現代日本の象徴的な少女趣味の一種と言うことができる。

精神面でのバックボーンはロリィタ的な少女趣味の他に、18世紀ロココゴシック趣味19世紀ヴィクトリア朝期のロマン主義思想ロマン主義的廃墟趣味)、神秘主義オカルト怪奇猟奇趣味フランス世紀末思想耽美主義退廃古典主義などがある。ゴスロリの精神論を語る愛好家は少なくないが、ファッション、文化を汲む精神を語る事と物質よりも精神的なものを重視する精神論では意味が違う。なお、日本人と精神論はトラウマもあり、本来好意的に使われることは少ない。

ファッションとしてのバックボーンは1980年代頃のナゴムレコードのナゴムギャルとトランスレーベルのトランスギャルの影響が挙げられることが多い。なお、漫画家の楠本まきは元トランスギャルである。外見的評価でピンクハウスとの関連性(装飾過剰)等も挙げられることがあるが、ブランドの趣旨との違いから地続きではなく別の流れであるとする人も多い。

「ゴスロリ」のゴスはゴシックの略称とされているが、ゴシック・ファッションの人々を指す言葉でもある。第三者から侮蔑や萌え属性の意味を含んだ使い方をされる場合もあるため、ゴスロリという略称を嫌がる人もいる。そのため、ゴシック・アンド・ロリータあるいはゴシック・ロリータの表記を使用することがある。

「ゴスロリ」のロリおたくなどの日本文化では年端もいかぬ幼女の事を指すが、海外などではフレンチロリータなど「年齢的には大人だが、コケティッシュな、少女的な魅力を持つ女性」という大人の女性をも指して使われる事が多い。ウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』に由来することばであり、性的嗜好の一種である「ロリータ・コンプレックス」という用語の影響を受けて発祥した語ではないか、とも考えられるが、同じ「少女」との関連性はあるにせよ、まったくの別ものであるといえる。

エレガントゴシックロリータ(EGL)は、1999年にMoi-meme-Moitie(モワ メ-ム モワ ティエ)というブランドが、従来から一般的に使用されていたゴシックロリータと商業的に一線を画すために使用された造語であり、一般的な用語「ゴシックロリータ」と区分する為にEGLというブランド名を作った。なお、あくまでも商業的に一線を画しているだけであり、Moi-meme-Moitieがゴシックロリータブランドを名乗っていることに変わりはない。

ゴシック・アンド・ロリータというのは、ストリート系雑誌KERAの別冊、ゴシック&ロリータバイブル(Gothic & Lolita Bible)で使用されたものが大規模にメディアに露出したもので、1996年には東京都内でゴシック・アンド・ロリータ展示即売会も実施されている。

[編集] ロリータ・ファッション

詳細はロリータ・ファッションの項目を参照

ゴシックとは無関係な、大人の少女趣味を指す「ロリータ・ファッション」がある。 ロリータ・ファッションの女性はゴシックロリータと混同されることを嫌う傾向が強い。 その主な理由としては、過去、そして現在でもよくあるゴシック的思想の悪質なイメージへの拒否などが挙げられる。 けれども、双方に共通する耽美的で刹那的な要素などから ゴシックロリータファッションとロリータ・ファッションが混同される場合は少なくない。 そしてゴシック・アンド・ロリータの定義が複雑なものである事もあいまって、ゴシック・アンド・ロリータとロリータの両方を好む女性も当然、存在する。

ロリータ・ファションとの相違点は、同じくアリスやマザーグースなどの物語をモチーフとして使用する場合、怪奇的な部分を意図的に抜き出して採用するところにある。 例えば「本当は怖いグリム童話」(桐生操)に登場するような童話の古典的な意匠を、怪奇、猟奇、エロティックな面を強調して引用する。

また、その他のモチーフに関してもロリータ・ファッションの甘いフルーツ柄やシンデレラなどのお城と比較して、このファッションは白雪姫の毒入りリンゴや廃墟になった古城などの、毒々しい退廃(デカダンス)の要素を加えられている点が、ロリータ・ファッションで表わされる少女趣味とは大きく異なる。 なお、ゴシック・アンド・ロリータ・ファッションと殆ど変わらない黒ロリ、白ロリといったジャンルが存在し、ファッション的な部分のみを評価すればほぼ同一のデザインであるといえる。

[編集] ゴシック・ファッション

詳細はゴシック・ファッションの項目を参照

通常のゴシック・ファッションとは違い、ダークな面を強調しつつも「少女的である事」を基礎にしている。 このファッションの要素などを「ゴス系」と表現する事がまれにあるが、 あくまでも「そのような系統・雰囲気」を指しているに過ぎない。

[編集] デザインの特徴

下記にその代表的な特徴を挙げるが、ファッションに関する言及の常として、これは基本に過ぎず、多くの実例はここからは逸脱している。

  • ロリータ・ファッションにもいえる事だが、通常ファッションとの決定的な違いは頭に付けるヘッドドレス(又はミニハットや、ボンネットなど)であると言われている。これをゴシックロリータの基礎・基準とする考え方もあるが、本人の都合(服のデザインと合わない、など)でヘッドドレスを着用しない場合もある。
  • 色彩自体は黒を多用したモノトーンの落ち着いた色彩であるが、過剰にレースやフリルなどの装飾が施されている。ロリータファッションでも黒と白は好まれる傾向があり、外見的には区別困難な場合が多々ある。レースの色は服に合わせて多彩で造りも様々。また、黒ではなく白を多用する場合は、ロリータ・ファッションの白ロリと区別するためか、白ゴスと呼ばれる事がある。しかし白いゴシックスタイルに関しても雑誌等で同様の呼ばれ方がされている。白いゴシックロリータの服装をした事がある者は極端に少ないがおたく的なゴスロリ商品等においてはよく見受けられる。
  • 一般的に思われやすい、無地の黒布に白レースの典型的なゴスロリのデザインは、薄い化粧だけではゴシックよりも子供っぽい印象の方が強く出てしまう事や、雰囲気などがロリータ・ファッションと被ってしまう事、またゴスロリを連想させるコスプレ服によく使用されやすい組み合せである。一方で、着る人を選ばない一般性のある組み合わせで、ロリータの愛好家の間でも「黒×白」の組み合わせは人気が高い。よりゴシックな印象を強くしたい場合は、白レースよりも黒生地に黒レース、紅茶ぞめ、ボルドーレース等を選ぶ場合が多い。また、白×黒の組み合せの他に、黒とダークブルー、血のような赤色なども人気が高い。
  • 絵やイラストに描かれる場合、大抵は長い金髪または黒髪で描かれることが多く、髪型も縦ロールなどのロールヘア、姫カットなどのストレートヘアが典型的である。それらはゴシック・アンド・ロリータの理想的な髪型として頻繁に挙げられる事が多い。
  • 実際のゴシック・ロリータ・ファッションは、茶髪などに染めている場合も多い。前述の髪型も多いが、人を選ぶ髪型である事から、大変難しいとされている。理想に近づけるために、白髪やピンクなどの派手な髪色に染めたり、ヘアーエクステンションカツラなどのウイッグを使う場合もある。
  • よく知られている代表的な化粧はゴシック・ファッションとも共通する、故意に白浮きさせた病的な顔色に見えるファンデーション、同じく病的な顔立ちを演出する濃いアイ・シャドー、服のイメージに合う憂いを帯びた雰囲気を出すため赤や黒、ダークブルー等、ダークな色みの強い口紅を施す。いずれもゴシック・ファッションほどは悪魔性を強調せず、多少は少女的であることが多い。意図的に濃い化粧をする理由は、ビジュアル系バンドの影響などが挙げられる。俗世的な雰囲気を無くす、人形や魔性のイメージに近づける為にもメイクは必須とされている。実際メイクをしない場合違和感が出来てしまう場合が多い。
  • 製またはニッケルなどのめっきをほどこした銀色の装身具、または真鍮色等のアクセサリーを使用している場合が多い。よく使われる意匠は、十字架、鍵、天使の羽、悪魔の翼、薔薇髑髏蜘蛛など。また、クラシカルなものを好む場合は銀より渋めのアンティーク・ゴールド色などが上品なので好まれる。意図的に使い古したような造りに仕上げられている場合も多い。

[編集] ゴシック・アンド・ロリータ・ファッションからの派生

ゴシック・アンド・ロリータ・ファッションにはそれに影響を受けた派生ファッションが存在する。 ゴシック・アンド・ロリータの要素を加えたパンク・ファッションなどが一番よく知られている。

ゴスパン(Gothic punk)

ゴシック、ゴスロリにパンクロックテイストを加えたファッション。KERA!等で取り扱われることが多く人気が高い。ロリパン、パンクロリータがピンクなど甘めでラブリーさを強調しているのに対し、こちらはゴシックにハードさを加えた、シンプルなものが多いことが特徴。露出度の高いものも見受けられる。黒い服に赤のタターンチェックのミニスカートなどカジュアルなものも多い。

グロロリ(Grotesque Lolita)

グロテスクなロリータ、ゴシックロリータファッション。元はゴシックロリータの蔑称として作られた言葉だが、幻想的な雰囲気よりもリストカッターなどを連想させる暗鬱な雰囲気のゴシックロリータスタイルに対して使われることが多い。これらの傾向を好む人も少なくはないと思われる。血糊付きのアクセサリーや小物を身につけたり、極端な物になるとグロテスクな特殊メイクを施したり本来のロリータ服に包帯や血糊を利用して服を加工している事も多い。これをパンク等他のファッションで行うものも居る。ファッション感覚というよりは仮装やコスプレに近い感覚と思われる。

和ゴス(kimono Gothic)

和服にゴシック、ゴスロリテイストを加えた服装。蝶柄や薔薇柄が多い。和ロリと違い、ミニや膝丈までの着物は少ない。和ロリ同様、和ゴスはゴスロリではない、という人も多い。和ゴスにゴスロリを含む人もいるが和風のゴスロリは和風ゴスロリ、着物に取り入れたものはゴスロリ着物ドレスと呼ばれ分けられる場合が多い。しかしゴスロリとゴシックの要素が曖昧な和ゴス服も多く存在する。本来この二つの要素は異なる。

また、ここでは代表的である女性のファッション例を挙げたが、ここからのバリエーションとしての男性ファッションも存在する。特にMALICE MIZERのmanaや、初期のPlastic Treeの有村竜太朗の雰囲気などは、男性によるゴシック・ロリータファッションのモデルとされることが多い。

東京新宿原宿大阪心斎橋などのアメリカ村付近には、週末になるとゴシック・アンド・ロリータ・ファッションの人々が多数集っている。また、このファッションが最初に現れた土地に関しては、大阪とする説が有力である。

[編集] 思想

ゴシック・ファッションロリータ・ファッションという交わらない、それぞれの独自性を持った個性的なファッションが交わったゴシック・アンド・ロリータファッションは非常に複雑なものであり、それがどのようなものであるか(=思想)は人により異なる。

例えば、ゴシックアンドロリータは略称でゴスロリと呼ばれる事が多く、ロリータの種類の甘ロリ、クラロリなどからゴシックではなくロリータの一ジャンルであるという意見がある。しかし、その言葉の原型「エレガント・ゴシック・ロリータ」を発したとされるManaのバンドMALICE MIZERの曲風・全体的な雰囲気がゴシックを基調としていた為、ゴシック・ファッションを多少、少女的にしたものがゴスロリではないかという意見も訊かれる。

[編集] 世間体

ファッションであると同時にひとつの文化を築いていると言っても過言ではない。しかし、もっぱら「一般的でない」という認識が強くある。 一部の前述のファッションを着用する人々の間では、「サブカルチャー」である事に着る意味がある、という考え方もある。しかし、そのファッションの個性から奇異な目で見られ、それと同時に「サブカル的に見ても一般的に見ても」変人としか呼べない人間が「目立つ事を理由に」このファッションを着用する場合も少なくはない。また、ロリータという語がナボコフの小説「ロリータ」を起源とする為に、その文脈からロリータ・コンプレックスと混同される場合も多く、(ナボコフの「ロリータ」は少女愛者の中年男を主人公としているが、現在の一般的な「ロリコン」の狭義的な使い方ではこの主人公は「ロリコン」であるとは言い難い。)同じサブカルチャーとして扱われるロリコン作品を好む人々(男性、女性両者ともに)から好奇の目で見られる場合もある。 ゴスロリ=リストカット等の偏見もあり実際にその偏見を持ったままこのファッションを始めその通りに実行(主にはペイントで作った傷や包帯)する者も多い。(グロロリ)

ゴスの本場欧米でも批判があるもののゴシック・アンド・ロリータを好み絶賛する人間は数多く存在する(現にアメリカのゴシックメタルバンドエヴァネッセンスのボーカルエイミー・リーは大のゴシック・アンド・ロリータ愛好家として日本では有名である。しかし本人はインタビューでロリータブランドのBaby, The Stars Shine Brightやハローキティが好きであると言っている。メディアではロリータ・ファッション愛好家であってもわかりやすいようにわざとゴスロリと言ったりする事もあるので本当のところは不明。)ので全ての人間がそのような批判している訳ではない。しかし実際の所、欧米のゴシック・アンド・ロリータ愛好家はゴシックカルチャーに精通してない一般人が多い。理由としてはゴシック・アンド・ロリータはゴシックファッション特有の悪魔性が少なく、可愛らしいデザインという事でゴシックファッションより一般受けが良いためである。しかしゴシック・ロリータとロリータ・ファッションの差異が判っていない人が多い。無論、悪魔性を好む日本人のゴシックロリータの愛好家は多い。

[編集] 漫画・同人における「ゴスロリ」

黒いゴスロリ衣装を着るウィキペたん(萌え属性に置けるゴスロリの一例)

[編集] 萌え属性

漫画アニメ同人誌ライトノベルなどの架空作品において、このファッションを模した衣装の登場人物を目にすることが増えつつある。これらは、外見的な特徴によって記号化されたゴスロリのイメージである事が多い。

ゴスロリ風の衣装はよくツインテールのキャラクターと組み合わされることが多く、萌え属性の白髪、銀髪、金髪、黒髪、人形、メカ少女、ヤンデレ、ツンデレ等とよく組み合わせて用いられる。秋葉原アキバ系アイドル地下アイドル、ネットアイドルの中には私服ではなく衣装としてゴスロリを着る者もいる。

しかしながら、ファッションとしてのゴシック・アンド・ロリータと、これらの記号化されたイメージには、当然ながらズレがある。そして、それに付随して起きる「萌え」側の様々な言動・事象についても、近年では頻繁に問題視される傾向にある。例えば、シスタープリンセスの亞里亞はシスプリファンの間ではよく「ゴスロリ」と紹介されることが多いが、着ている物は紺色やサックスブルーを基調とした衣裳が多く、厳密にはゴスロリとはいえない。(ロリィタ・ファッションではあるかもしれないが。)またオタク的文脈に置いて、ロリは単に年端も行かぬ幼女を指す事が多く、大人の少女服であるロリィタとロリータ・コンプレックスのロリータとの区別が判り難い事も、原因だと思われる。最近ではメジャーのロリィタ・ブランドの服が、『電車男』『鉄板少女アカネ!!』などのドラマでメイド服として提供された事もあり、最近のメイド喫茶の知名度などで、特にオタク文化に置けるメイド服とゴスロリの違いについてよく語られ、それにともなってオタク文化についても語られることが多くなった。

単にフリルやレースが沢山付いた服、中世ヨーロッパの時代の衣装を着た女性キャラクターなどがゴスロリであると勘違いする者も少なくない。それだけならまだ良いが、それらの「萌え」側から盗撮ストーカー痴漢などの被害にあった、などの悪質なものもある。メイド服以外にも海外の伝統的な民族衣装や、魔法少女服との視覚的なイメージが似ているため混同されやすい。


[編集] コスプレ

勿論、一般論として、ある作品が描き出すイメージ(そしてそれを消費すること)と、その手本となった現実との差異は存在して当然のものである。(例としては、メイド服などが挙げられる。)しかし、オタク的感覚のゴスロリ・愛好家のゴスロリも共に非日常性を帯びた文化であるため、ナース等の現実の職業とは違い、オタクなどの第三者的視点から見ると同じ領域にカテゴライズされてしまうことがよくある。よって、愛好家のゴスロリとオタク的感覚のゴスロリを混同する人は少なくなく、オタク文化の一種と思われがちである。

また「ゴスロリ萌え」側には二次元の中のゴスロリが正統だと思っている一方的な人もおり、現実の愛好家に対して悪態をつく者も決して少なくない。このような両者の確執のために、立場の明確化が発生し、まさに本解説のように、その差異の記述はより先鋭化することとなるのである。しかしゴスロリ萌え側の自覚とモラルの低い事などを考えても、愛好家から批判されるのは仕方のないことであるといえる。二次元におけるゴスロリの露出度の異常な高さ、現実ではむしろ避けられる傾向の方が強い、ミニスカートサイハイソックスの乱発などがゴシックロリータの精神性にそぐわない、またその時点で既にファッションとしてのゴスロリですらない為、それらをゴスロリと呼ぶ事に対しての反発や批判が少なくない。

ゴスロリのコスプレを扱った作品につだみきよ原作の漫画『プリンセスプリンセス』がある。

前述の様な議論の一方、その両方の立場を持つ者が現れてきており、特に、コスプレの定義が曖昧模糊としている事も相俟って、現在この議論はより複雑化している。ただ、それらの多くはコスプレとゴスロリは別物であると結論付けている。

両方の立場を持つ例としては、漫画やアニメからそれを知り、ゴシック・アンド・ロリータを嗜むようになった者や、元来オタクでなかったゴシック・アンド・ロリータの中からも、ゴスロリから漫画の魅力を知り、オタクや腐女子になる者などがいる。その数は決して少なくはない。むしろ現状では、そのような者がこのファッションの文化を支えている、と言っても過言ではない。

だが、このファッションを嗜む者には、上の例に当て嵌まらない「非オタク」の者や、このファッション・文化が「サブカルチャーである」事に着る意味があると考える者も多い。その為、近年のオタク文化のパブリック化に対しての冷笑的な意見も広がっている。

2005年11月東京都文京区の鳩山会館ではゴシック・アンド・ロリータファッションを着用しての入館が禁止になった。理由は雑誌「ROCOCO別冊ブランドBOOK」でゴスロリ服を着た撮影場所として鳩山会館が推奨されたためである。それ以前からゴスロリ服を纏いカメラ小僧と呼ばれる男性を連れた女性の集団が館内や庭園で三脚を立て、長時間にわたって写真撮影をし、その際に多くの洋服を持参、トイレで着替えたり等迷惑行為をしたため、一般客がトイレを使えなくなる等のトラブルが多発していた。

注意を呼びかけても改善されなかった為、館側は雑誌の掲載により押し寄せられては困ると考え、入館禁止の掲示がなされた。 なお上記の女性達は愛好家ではなくゴスロリ衣装のコスプレイヤーであったと思われる。 行動に正統なコスプレイヤー、ゴシックロリータファッションの愛好家どちらの目線から見てもあまりに不自然な部分が多くどちらでもない中途半端な感覚・立場であったと考えられる。この様な人物の街中でのコスチューム的なゴシックロリータの服装なども度々問題視されている。(本来イベントでは会場外で禁止されているはずのメイド服をゴスロリファッションと主張して着用するといった者も存在する)また、駅などのトイレでの着替えは愛好家の間ではよく思われない事が多い。

ゴシック・アンド・ロリータに限らずロリータやゴシック等のファッション全般において「コスプレ扱い」と「コスプレ感覚」は嫌悪されている。


[編集] 参考文献

  • ヌーベルグー: ゴシック&ロリータバイブル vol.4, 2002, ISBN 4-86048-039-2
  • 鈴木孝: TH叢書No.17 ゴシック・テイスト "暗黒世界"への扉, 2002, ISBN 4-88375-034-5
  • 学習研究社: GAKKEN MOOK メゾン ゴシック&ロリータスタイルブック, 2004, ISBN 4-05-603656-X


[編集] 関連項目

[編集] 関連人物

  • Mana
    • MALICE MIZERのメンバーで、未だ大衆がゴスロリファッションを認知されていない時代に奇抜なゴスロリファッションで一世を風靡する。彼のファンがその後ゴスロリファッションに身を包み90年代中盤~後半にかけてのヴィジュアル系バンド最盛期時にmanaファンから大衆へと伝染的にゴスロリファッションを大衆に広げゴスロリファッションを一般的に流行させたと人物と言える。後にエレガントゴシック&ロリータのファッションブランドを立ち上げた。
  • 三原ミツカズ
    • ゴシック・アンド・ロリータ・ファッションの登場人物を必ずと言っていい程に、自身の書いた漫画に登場させる事で有名な漫画家。緻密な描写力とセンスに定評がある。代表作は「ハッピーファミリー」「DOLL」「毒姫」など。
  • 澁澤龍彦
    • 猟奇・怪奇作家。その研究家。ゴシック・アンド・ロリータを好む人々の中には彼の著作を読む人間も確かにいるが、一概には言えない。人形や少女などに対して言及をしている。
  • 楠本まき
    • 主にゴシック的の漫画作品を描いている漫画家。雰囲気のある耽美的な画風で、少年や少女的な精神が彼女の全ての作品を貫いている。独特な作風でも知られる。現在はイギリス在住。
PEACH-PITの描くアンティークドール同士の戦いを描いた作品。作中に登場する「Rozen Maiden」という7体の人形達の衣装がゴシック・アンド・ロリータのようだと言われている。ただしPEACH-PIT側は厳密にゴシック・アンド・ロリータを意識しておらず、かろうじてゴシック・アンド・ロリータ調の衣装を着ているのは水銀燈というキャラクターだけと言っているが、ゴシック・アンド・ロリータ専門誌である「ゴシック&ロリータバイブル」の誌上にてゴシック・アンド・ロリータのキャラクターが登場する漫画として紹介されている。
なお余談だが、ローゼンメイデンのヒロインである「真紅」、及び「翠星石」と「蒼星石」の3体はスーパードルフィー化され限定発売された。
  • ALI PROJECT
    • ゴシック・アンド・ロリータのイメージをベースにした曲や歌を作っている歌手グループ。ゴスロリファッションの愛好者からの人気が高い。また作詞・ボーカルを担当している宝野アリカ自身も十代からロリータ・ファッションを愛好していて、CDジャケットでもゴスロリやロリータの衣装を着用している。(厳密にいえば、そうでないものも多い。)現在は規模は小さいが、自身がデザインを担当しているブランド「少女貴族」を設立。アニメ作品の音楽を中心に作曲することが多い片倉三起也とコンビを組んでいる。そのため、「ローゼンメイデン」シリーズ、「怪物王女」、「かみちゃまかりん」などのアニメ作品とのタイアップ曲が多い。
  • 北出菜奈
    • 歌手。当初は、パンクファッションを基調としたゴスロリファッション。現在はロリータ・ファッションに移行しており、同世代の少女を中心に人気を集めている。最近は「KERA!」などのファッション雑誌で目にする事が多くなっている。
  • 香奈
    • シングル「蛇苺」でデビューしたパンキッシュロック歌手。腕に包帯を巻いたパンクスタイルやゴスロリファッションを特徴の一つとする。
  • 椎名林檎(現東京事変Vo担当)
    • 歌手。旧字体を多用した歌詞に独特に言い回しを多用し歌唱が特徴の歌手。セカンドアルバム「勝訴ストリップ」発売、初の全国ホールツアー「下剋上エクスタシー」を開催した2000年はロリータ・ファッションを好む大勢のファンがライブ会場にも来場していた。また椎名林檎自身も収録曲「闇に降る雨」のPVや「勝訴ストリップ」のジャケット写真でなどゴスロリを着用していた。現在は2000年の頃より人気は落ち着いているが今でもその人気は高い。
  • 大槻ケンヂ(ロックバンド筋肉少女帯及び特撮Vo担当)
    • 歌手・作家・タレント。ゴシック・アンド・ロリータを愛好しており、自身のバンド特撮ではゴシック・アンド・ロリータを題材にした楽曲を製作している。また雑誌「ゴシック&ロリータバイブル」では「ゴスロリ幻想劇場」と言うゴシック・アンド・ロリータを題材にした短編小説を連載しており、2005年には初期の連載をまとめた単行本を発行している。また最近発行の小説の登場人物にもゴシック・アンド・ロリータを着た人物を作中に登場させている。また過去にManaと対談した際には「ゴスロリを着ている子を見ると応援したくなる」と述べた。なお、香奈とは友人で過去にお互いの作品にゲスト参加している。本人はゴスロリ・ファッションよりもゴスロリを着た女の子の方が好きだと言っている。

[編集] 外部リンク

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「ことばこ」は、歴史の人物から最先端テクノロジーまで、なんでも調べられるオンライン百科事典です。ウィキペディア財団が運営を行なっているwikipedia.orgから引用をしています。

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