グリーン車

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グリーン車(グリーンしゃ、Green Car)とは、旧・日本国有鉄道(国鉄)又はJRグループ旅客列車の車両のうち、普通車に比して乗客1人当たりの占有面積が広く、設備が豪華であるなどの理由で別途の料金がかかる特別車両の名称である。

目次

[編集] 概要

淡緑6号(慣用色名称「若葉色」)
2等級制時の一等車窓下の帯
 
16進表記 #97BC94
RGB (151, 188, 148)
CMYK (, , , )
HSV (°, %, %)
マンセル値 10GY 7.3/4
黄緑7号(慣用色名称「黄緑色」)
「グリーンマーク」の色
 
16進表記 #57B544
RGB (87, 181, 68)
CMYK (, , , )
HSV (°, %, %)
マンセル値 9GY 6.6/10.5

1969年運賃改定時に従来の等級制を廃止し、運賃及び特急急行料金にモノクラス制が採用された時に従来の1等座席車(3等級制時代の2等座席車)がグリーン車となり、運賃及び特急・急行料金の他にグリーン料金を支払ってグリーン券を購入する事により乗車できる事となった。

3等級制時の二等車及び2等級制時の一等車の名残りであり、車体の等級記号はイロハの「ロ」である。車体にはグリーン車を表わすマークが表記される。寝台車は「グリーン寝台」という区分はないが、「A寝台」「B寝台」で区分される中では、「A寝台」がこれにあたるとされる。

[編集] 名称

名称の「グリーン」の由来は、2等級制時の一等車時代から側面窓下に表示されていた淡緑色(淡緑6号)の帯の色及び硬券の色を基にしたとされる。同時に"四つ葉のクローバー"を模した黄緑色(黄緑7号)の「グリーンマーク」も制定された。しかし、塗装規程の改定により淡緑色の帯を入れる事は廃止され、JR分社後の現在ではグリーンマークのみとなっている。

英語の案内などでは下記にある通り等級不詳となる「Green Car」ではなく一等車という意味合いで「First Class」と表記する場合もある。

[編集] 車両設備

基本的には、座席間隔が普通車のそれに比べ広い、ないしは座席が広い物を用いている事が多い。また、腰掛け自体もジョイフルトレイン個室の類を除いて、一般にリクライニング機構を装備した回転式クロスシートを用いている。グリーン車の設備には特別二等車を源流に持つ特急急行用と、並ロ、並二と呼ばれた一般の二等車を源流に持つ普通列車用の2系統があり、普通列車用の設備は特急・急行用に比べて簡素で、利用料金もそれぞれ別個に設定されている。

なお、特別席という観点から本席を先頭車に設定し、運転席後ろの仕切りをガラス張りにして「パノラマ型」にしたものや2階建て車両の上部に設定する場合もある。先頭車に設定する理由としては、車内を通り抜けるだけの乗客がむやみに入らないようにする目的もある。他方、編成の長い東海道・山陽新幹線では、乗客が乗降時に駅ホームの端まで歩かなくてすむ(なるべく駅の階段やエレベーターが近くなる)よう、グリーン車車両を編成中央に連結している。

[編集] 特急・急行用

グリーン車(185系サロ185)のリクライニングシート

特急・急行用グリーン車の源流となるのは、1950年に製造された初の特別二等車「スロ60形」である。翌1951年に製造された「スロ53形」では、後の特急・急行用グリーン車の標準様式となる座席間隔1,160mm、20m級全室車の場合定員48人が確立された。この様式は、1986年の国鉄最末期に製造されたキロハ186形にまで踏襲されている。

1987年国鉄分割民営化後は、標準化を旨とした国鉄時代と異なり、国鉄を引き継いだJR旅客鉄道会社が線区や列車の事情に応じた設備のグリーン車を製造し、或いは既存車を改造した事により、その設備は一気に多様化した。従来は2+2人掛けの4列配置が一般的であった座席配置も、観光需要の多い路線、列車を中心に1+2人掛けの3列配置が採用され、中には個室を設置する列車も現れた。

座席についても、従来からの標準であったリクライニング機構やフットレストのみならず、レッグレストを設置したり、各席にテレビを設置したり音楽を配信するオーディオ・ヴィジュアルサービスを提供するものまでが出現した。サービス面でもフリードリンクや雑誌の提供や旅客機のキャビン・アテンダント乗務を真似た女性客室乗務員の乗務など、内容の向上が見られる。

[編集] 普通列車用

113系サロ110形1200番台とサロ124形
E231系サロE231形1000番台(後方にサロE230形1000番台もある)

普通列車用グリーン車については、通勤輸送に使用されるという性格上、座席定員の確保も重要な条件であり、特急・急行用のものとは、また異なった発展を遂げた。設備としては、特急用の普通車レベルが標準であり、定員は60人前後である。また、座席は、特急用普通車の設備向上に伴って変遷して来た。中には特急・急行用のグリーン車を転用したり、それら並みの設備を持って新製されたものもあるが、あくまで例外的なものであり、早期に淘汰の対象となっている。

1950年代以前の二等車には、転換クロスシートのものと座席間隔を大きくとったボックスシートのものがあったが、1960年代以降には回転クロスシートが一般的となった。1973年には、グリーン車の設備向上を狙って急行形並みの設備を持ったサロ113形が新製されたが、定員の減少のため乗客の評判が悪く、早期の転出を余儀なくされている。その反省から、定員を60人に増やし簡易リクライニングシートを装備したサロ110形1200番台1976年から製造され、以後の標準形となった。

なお、1980年代以降連結されている東海道本線横須賀線では、通勤ラッシュ時を中心に乗車定員を上回る乗車が見られる事もあり、さらなる定員増加を狙って国鉄分割民営化後には2階建て構造で製造されている。この素地を作った車両としては、サロ212・213形及びサロ124・125形とされている。これにより、座席定員は実に1.5倍の90人に増加され、これ以降製造される車両の標準形となっている。

[編集] その他のグリーン車

上記の他、1970年代から1980年代にかけて国鉄・JRに登場したお座敷列車、欧風列車等のいわゆるジョイフルトレインも大半がグリーン車として設定されていた。また、一般用の列車に於いても、和風改造車が「だんらん」と称して、1985年から1989年までエル特急「雷鳥」に連結された事がある。

また、新幹線E954形電車500系900番台「WIN350」等、試験用新幹線電車にも営業列車として使われないにも関わらず、グリーン車が設定されていた。

[編集] 運行状況

[編集] 特急・急行列車

特急列車の場合、新幹線九州新幹線を除く)を含めて比較的利用度の高い列車には1両は連結されているが、利用度の少ない特急ではグリーン車を省いたり、1車両の半分程度しか用意しない列車も増えて来ている。

また、急行列車については2003年までは昼行列車にも連結されていたが、2006年現行では定期列車としては夜行列車の「きたぐに」と「能登」の2列車のみとなっている。

なお、座席指定制が原則であった特急列車もそうであるが、急行列車の場合は特別二等車以来の伝統から座席指定席制となっているが、1996年まで急行列車であった「東海」など一部の急行列車には座席指定を行わない自由席を連結する事例も見られた。

[編集] デラックスグリーン席

2005年10月1日からは、九州旅客鉄道(JR九州)が運行する特急列車のうち、主に787系で運行される「リレーつばめ」・「有明」・「きらめき」・「かいおう」の一部に「デラックスグリーン席」と称する座席が設定された。但し、クモロ787形を組み込む編成に対して順次設置中であるため、一部付いていない編成もある。

このデラックスグリーン席は、名称上はグリーン席よりさらに上の座席という理由で接頭語として「DX(Deluxe)」を付けたものである。マークは、一般のグリーン席のマークの上に「DX」と書かれている。

クモロ787形に設けられていたトップキャビン(6人個室)を廃止し、その部屋に2人掛け座席と1人掛け座席を1列のみ配置した3席となっている。なお、他の同社内特急車両の885系783系などには設置されていない。

座席寸法は従来の787系のグリーン席に比べ横幅が540mm(50mm拡大)、奥行きが510mm(10mm拡大)、高さが430mm(30mm拡大)に拡大されている。またシートピッチも元々6人分のスペースを3人分で使う事から従来のグリーン席より格段に広くなっており、居住性が大幅に向上している。

座席のリクライニングは電動で、最大角度は3列シートの夜行バスの座席並み(最大141°)となっており、座ったままでもリクライニングできる様に、リクライニング角度に合わせて座面が動く様になっていて、フットレストも電動で上下できる。また、141°までリクライニングした場合は座面と背もたれが一直線に近い形になり、ほとんどベッドで寝る様な姿勢をとる事ができる。

パソコン用コンセントや木のハンガーが設置されている他、持ち帰りが可能な使い捨てスリッパ、クッキー、ドリンクのサービス、キャンディーのサービスがある。

[編集] 普通列車

かつての二等車の名残であるが、元々普通列車のグリーン車=旧二等車の連結は主要幹線では多くみられた。しかし、いわゆる急行列車の末端区間や間合い運用を除くと乗客が少なく、採算が取れないとの理由で大都市圏に連結される事例が多かった。

しかし、京阪神地区東海道山陽本線快速・普通列車(21世紀現在の琵琶湖JR京都神戸線での近郊形電車を主に用いる「快速」で、通勤形電車を主に使用する普通電車京阪神緩行線とも>とは異なる。)にも組み込まれていたが、当時は競合私鉄に対して劣勢であり、加えて京阪間では競合私鉄に特急料金不要の転換クロスシート車を使用した電車特急群(こちらを参照されたい)が運行されていることもさらに不利な条件となっていた。そのため、利用率が低かったことやグリーン料金を払わずグリーン車を利用するような不正乗車が絶えなかったため、1980年に廃止された。だが、関西地区の乗客の増加や関東地区でのグリーン車の拡大、新快速の運転区間拡大などによって、関西地区においても再度グリーン車の連結が検討されている。

また、東日本旅客鉄道(JR東日本)が首都圏で連結している普通列車グリーン車は多くが自由席であり、座席定員を超えてもグリーン券が発売されるため、確実に座れる保証はない。グリーン車乗車に際して「デッキ部分であってもグリーン券が必要」(ただしこのルールは首都圏の普通列車に限らず、全てのグリーン車に適用される規則)という旨の注意書きが車内にある。

ただし、グリーン車で座れなかった場合は乗務員に申し出て、証明書を発行してもらい、駅の窓口でグリーン券とともに提出すると、払い戻しを受けられる。なお、証明書をもらった(払い戻す予定の)場合、即座に普通車に移る必要があるが、ラッシュ時は普通車との間の扉は封鎖されている為、次の駅に到着後、一旦ホームに降りて移動することになる(乗務員の判断で一時的に扉を開放する時もある)。

しかし、 払い戻せること自体を知らない、手順を知らず証明書なしで直接駅窓口に行く、または混雑のため下車まで乗務員に会えなかった(探しにも行けなかった)等で、払い戻しできないケースもあり、座れないなら発券しないで欲しいという声も新聞などで取り上げられている。

一方でラッシュ時において、普通車よりも幾分混雑が少ないグリーン車に立席で料金を払っても乗りたいという声もあり、現実にグリーン料金値下げ以前からラッシュ時には立ち客が見られた。座席には立ち客用の手すりもついている。

2007年3月現在、恒常的に快速列車を含む普通列車でグリーン車が連結されるのは以下の通り。

自由席

なお、首都圏では2004年10月16日のダイヤ改正よりグリーン車Suicaシステムの導入および日本レストランエンタプライズによるグリーンアテンダントの乗務も開始された。

その他、特急用車両を使用して運転される一部の通勤ライナーや、早朝・夜間の間合い運用により一部のローカル線でも連結される。

座席指定席

[編集] 私鉄のグリーン車

私鉄に於いても、JR(旧国鉄)との相互乗り入れ列車を運行する際に自社でグリーン車を保有し、連結するケースがある。また、自社車両を保有していなくても、JRからの乗り入れ列車がグリーン車を連結しているため、自社線内のグリーン料金を設定しているケースもある。

このほか、JRから伊勢鉄道線に乗り入れる特急南紀」が多客期にグリーン車を連結する事があるが、グリーン料金は不要となっている。但し、伊勢鉄道線内のみのグリーン車利用はできない。

また、グリーン車に準ずるものとして、特別席を連結・設定している私鉄もある。

[編集] 塗色としての「グリーン車」

[編集] 船舶のグリーン席

船舶のグリーン席の設定としては、1988年まで国鉄・JRが運航していた鉄道連絡船のうち、青函航路及び宇高航路にはグリーン船室が設けられていた。そのうち、青函航路については、座席指定席自由席とで腰掛け自体も若干仕様が異なり、指定席は一人がけリクライニングの豪華なものであった。宇高航路については、航行時間が短い事もあり、自由席のみであった。

これらは、鉄道連絡船の使命でもある「鉄道輸送と一体となって鉄道運輸体系の延長」であり、鉄道運賃のそれの体系を踏襲する形であった。

また、2006年夏よりJR九州高速船の運行する国際航路ビートル号の一部にグリーン席が導入された。これは特別席の名称であり、同様に上級船室の名称でグリーン席を用いる事例もまま見られる。

[編集] 関連項目

ことばこって?

「ことばこ」は、歴史の人物から最先端テクノロジーまで、なんでも調べられるオンライン百科事典です。ウィキペディア財団が運営を行なっているwikipedia.orgから引用をしています。

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