キク

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キク
分類
界: 植物界 Plantae
門: 被子植物門 Magnoliophyta
綱: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱:キク亜綱 Asteridae
目: キク目 Asterales
科: キク科 Asteraceae
属: キク属 Chrysanthemum
種: キク C. morifolium
学名
Chrysanthemum morifolium
和名
キク(菊)
英名
Chrysanthemum

キク(菊)はキク科キク属の植物。通常、キクといえばイエギク(栽培ギク)を指す。

目次

[編集] 概説

菊花紋章(十六弁八重表菊紋)

一般的に、キクといえば栽培されているものを指すが、これは和名をキク(またはイエギク Dendranthema grandiflorum (Ramatuelle) Kitam.)という。野生品は存在せず、中国で1500年ほど前に交配によって生まれたとされている。交配親はチョウセンノギクとハイシマカンギクとされる。秋に咲く花であるが、短日性植物として有名で、電照等を用いた作型の分化により、周年供給されている。食用にする「もってのほか」などの品種もある(食用菊を参照)。

  • 旧暦9月9日重陽の節句は「菊の節句」とも呼ばれる。
  • 天皇家の紋章は菊をかたどったもので「菊の御紋」と呼ばれる。この紋の菊の花弁は16枚である。

なお花言葉「高貴」である。

西洋において菊は墓参に用いられる。日本でもこの影響を受けて葬儀の際の献花には菊が用いられる事が多い。この習慣の影響で、病気見舞いに菊の花を贈る事はタブーとされる事がある。

[編集] キクの歴史

五十円硬貨の表には、菊がデザインされている。

日本にも350種ほど野菊(下記参照)が自生しているが、ヨモギのように食用とされ、観賞の習慣は平安時代頃、中国から秋の重陽の節句とともにもたらされる。万葉集には全く現われないが、古今集あたりから盛んに歌にも詠まれるようになった。

心あてに折らばやをらむ初霜のおき惑わせる白菊の花(凡河内躬恒 - 小倉百人一首 第29番)

春のサクラに対して日本の秋を象徴するとなるが、それが決定的になったのは、鎌倉時代の初め後鳥羽上皇が菊の花の意匠を好み、「菊花」を天皇家家紋とした頃からである。又、九州の豪族菊池氏も家紋に「菊花」もしくは「菊葉」を使用している。

江戸時代前期から栽培熱が高まり、育種が進んで多数の品種が生み出され、正徳頃からは「菊合わせ」と呼ばれる新花の品評がしばしば行なわれた。又、江戸伊勢京都熊本などでそれぞれ独自の品種群、系統が生じた。「三段仕立て」などの仕立ての様式やその丹精の仕方なども発達し、菊花壇、菊人形など様々に観賞された。これらは江戸時代から明治、大正時代にかけて日本独自の発展をした古典園芸植物の1つとして、現在では「古典菊」と呼ばれている。全般に花型の変化が極めて顕著であるのが特徴で、「江戸菊」には咲き初めから咲き終りまでの間に、花弁が様々に動いて形を変化させるものすらある。このように発展した日本の菊は幕末には本家の中国に逆輸入され、中国の菊事情を一変させた。明治時代になると、花型の変化よりも大輪を求める傾向が強まり、次第に「大菊」が盛んになった。花型としては厚物、管物、大掴み、一文字などに収束し、花の直径が30センチメートルに達する品種も現れた。この傾向は菊を日本の象徴として見る思想と関係していると思われ、戦後にまで続いている。

ヨーロッパへは18世紀後半に中国からもたらされたが、人気がなかった。その後幕末の日本から様々な品種がもたらされると、これが大変な人気を呼び、人気が出て、以後イギリスを中心にヨーロッパでも菊の育種が盛んになった。特にイギリスでは最後のフローリスツ・フラワーの一つとなった。このように、日本美術が西欧美術に多大な影響を与えたのと同じく、菊をはじめとする日本の園芸植物もまた西欧の園芸育種に大きな影響を与えたと言われている。その後西欧では切り花用や修景用など生産園芸分野での育種が進み、スプレーギクなどが生まれている。

一般に日本で観賞用多年草植物として発展した系統、品種群を和菊、西欧に渡り育種されて生まれた系統、品種群を洋菊と呼ぶ。一般に洋菊のほうが丈夫である。鑑賞園芸的には和菊、生産園芸的には洋菊が中心に栽培されている。

現在では各地に愛好会が出来る一方で、秋にはそれらが主催の品評会が開かれている。

日本で菊の栽培が盛んになったのは、栽培のプロセスが冬に芽をとり、春に植え、夏に成長させ、秋に観賞するといった具合で、イネの栽培と類似している事が影響しているとの説がある。

又、切花としてはグラスハウスでの電照栽培で周年出荷されている。バラカーネーションとともに生産高の多い花卉である。

[編集] キクの品種

[編集] 大菊(一輪菊)

大菊 厚物
大菊 管物

花の直径は10cm前後。中央の一輪だけ残して周りのつぼみを摘蕾する。 古来から、観賞用として好事家に栽培され、各地で独自の品種も作られてきた。「三段仕立て」、「ダルマづくり」「福助づくり」などにして楽しむ。

  • 厚物
多数の花弁が中心に向かってこんもりと盛り上がったもの。花弁が起伏がなく整然と並んだものが良い。
  • 厚走り
厚物の花弁の下に長い花弁が走るように垂れさがったもの。
  • 管物
花弁が管状になり、直線的に放射状にのびる。外側の花弁はしだれて先が丸まっている(玉巻という)。

管弁の太さで、太管、細管、針管に区分される。

  • 一文字
「御紋章菊」ともいう。その名の通り、天皇の「菊のご紋」のように、平たい花弁が一重で並ぶ。花弁の数は14から16枚程になるが、16枚が理想とされる。
  • 大つかみ
花の上部が手でつかんだように見える。走り弁が下部につく。

[編集] 中菊

「仏花」などに使用される一般的な実用花や、洋菊(ポットマム)などが含まれる。 ほか、江戸時代から続く「古典菊」もこの区分に入れられる。

洋菊

[編集] クッションマム(ポットマム)

いわゆる西洋キクで、鉢植えで秋頃に出回る。「矮化剤」で成長が抑制され、背丈がそろえられている。

[編集] 古典菊

  • 嵯峨菊
  • 伊勢菊
  • 美濃菊
  • 肥後菊
  • 江戸菊

[編集] 小菊

小菊

花の直径が1-3cm。つぼみは摘蕾(てきらい)しない 「懸崖仕立て」や「菊人形」などにする。

[編集] スプレー菊

花の直径が6cmから3cmくらい。つぼみは摘蕾(てきらい)しない。 ハウス栽培切り花として生産され、「仏花」などの用途で周年供給される。

[編集] 食用菊

花を食用にするもので「もってのほか」が有名。 この花は花びらのみを食用とする独特の甘みがあり、茹でてお浸しにしたり、酢の物や胡桃合え、天ぷら吸い物に用いられる。また干して加工品がつくられる。 山形産でのものが有名であるが、山形県内各地、青森県八戸市など東北地方新潟県の中越から下越などで栽培されている。旬はでこの頃に収穫される。

[編集] 菊の仕立て

菊には大菊中菊小菊の三つの区分があるが、仕立てに使用するのは主に大菊である。

[編集] 三段仕立て盆養

一般的な仕立て方の一つ。

芽の先を摘心して一本の苗から3本の側枝を伸ばし支柱でそれを支える。 直立させた3本の枝に一輪ずつ花をつける。 一番高い枝が「天」といい、3本の真ん中後ろの枝をそれにする。 残りの2本が「地」、「人」という。 背の高さは「天」>「地」>「人」である。

鉢は8から9号のものを使用するのが一般的。

[編集] ダルマづくり

「三段仕立て」の小さい物で、鉢は7号鉢。 「天」の高さを60cm以下に収まるのが条件。 矮化剤を使用する。

[編集] 福助づくり

鉢の直径より葉の幅を大きくし、一輪咲かせる。 5号鉢に植え、矮化剤を使用する。

[編集] 懸崖づくり

懸崖用の小菊を、前年秋のさし芽したものを、摘心を繰り返し、形を作る。かまぼこ状に隙間なく花をつけるのには技術が必要。

[編集] 千輪咲き

秋にさし芽をしたものをひたすら摘心し、半球状に花が隙間なくかつ規則正しくならべ咲かせる。一鉢で直径3から4mほどになり、育てる根気と技術など労力のほか栽培場所の確保などが大変である。

[編集] その他の仕立て

[編集] キクと名のつく植物

[編集] キク科のもの

キク科の植物は被子植物のなかでは最も繁栄しているものの一つで、世界中に2万種以上が自生している。多くが○○ギクといった名を持つ。

日本には350種ほどが自生し帰化植物は150種がある。そのうち、単に「キク」、「野菊」と呼ばれるものは、以下のものがある。

[編集] 野菊

  • キク科キク属
リュウノウギク・キクタニギク・シマカンギク
  • キク科シオン属の野菊
ノコンギク・サワシロギク・シラヤマギク・ヒロハホウキギク
  • キク科ハマベノギク属
ハマベノギク、ヤマベノギクほか
  • キク科ヨメナ属
ヨメナほか
セイヨウタンポポシロバナタンポポほか

[編集] 外国のキク科の植物

キク科 セントウレア属の秋蒔き一年草。ヨーロッパ原産。

ほか

[編集] キク科ではないもの

キンポウゲ科アネモネ属の耐寒性宿根草。半日陰を好む。(en:Japanese Anemone)
  • ダンギク(段菊)
クマツヅラ科の亜灌木、庭などに植えられる園芸植物。
ツルナ科の常緑多年草。半耐寒性で暖地の庭先や路傍などに植えられている。
  • ちゃんばぎく
ケシ科の雑草。「たけにぐさ」の別名。

[編集] 関連項目

ことばこって?

「ことばこ」は、歴史の人物から最先端テクノロジーまで、なんでも調べられるオンライン百科事典です。ウィキペディア財団が運営を行なっているwikipedia.orgから引用をしています。

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