オセロ (遊戯)
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オセロ (Othello) は2人用のボードゲーム。プレイヤーは互いに盤面へ石を打ち、相手の石を挟んで自分の色の石に返す。最終的に石の多い側が勝者となる。単純なルールながらゲーム性は奥深い、とされており、“A minute to learn, a life time to master”(覚えるのに1分、極めるのに一生)をキャッチフレーズとする。1945年秋頃に日本の茨城県水戸市で考案されたボードゲーム(ただし、それ以前にほぼ同種のゲームが存在した。#オセロとリバーシを参照)。
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[編集] 遊び方・ルール
8×8の升目で構成された盤面を用いる。石は両面が白と黒になっており、黒のプレイヤーは黒い面で、白のプレイヤーは白い面で石を打つ。
まず中央の4升に白と黒の石をそれぞれ2個ずつ互い違いに置き、黒が先手となる。石を打つとき、縦・横・ななめ方向に相手色の石を自色で挟み、挟まれた石を自色に返す。石を打つときは、1枚でも返せる升にしか打てない。打てる升がない場合はパスとなり、パスの回数に制限はない。打つ場所が両者ともなくなった時点でゲーム終了となる。
オセロでは横の座標をa~hの小文字のアルファベットで、縦の座標を1~8の数字で表す。h1からa8までの対角線をブラックライン、a1からh8までの対角線をホワイトラインと呼ぶ。
[編集] オセロとリバーシ
全世界的には「リバーシ (Reversi) 」として知られている。リバーシはオセロとほとんど同一のゲームで、その発祥は19世紀のイギリスである。諸説あるが、ウォーターマン(Lewis Waterman)とモレット(W. Mollett)の2人が先人争いをしている(モレットは、「リバーシは自分の発明したゲーム『アネクセイション』の改良に過ぎない」と主張している)。ちなみにハナヤマから発売されている「逆転リバーシ」や「マグネチック キングリバーシ」等のパッケージの裏面には1888年頃にイギリス人によって考案されたと記載されている。
現在では、リバーシという言葉に2つの意味がある。1つは「19世紀のイギリス発祥の8×8のリバーシ」であり、もう1つは「駒(石)を挟んで裏返すゲームの総称」である。
19世紀のイギリスのリバーシは、8×8の升目の盤と、表と裏のある円形の駒を使用するといった点でオセロと共通する部分がある。ルール上の違いとして、一方のプレイヤーが持っている駒がなくなったらその時点で終了だった(参考:世界遊戯法大全)。
駒(石)を挟んで裏返すゲームという意味でのリバーシについては、オセロが8×8=64個の升目で濃緑色の盤面に黒い罫線、駒は白と黒に限定されているのに対し、リバーシにおいてはそのような制限はない。また、最初の駒の置き方も、オセロでは白黒を必ず互い違いに置くが、リバーシでは白黒を同じ列に置いたり、最初の4手を中央の4升に交互に自由に置いたりしてもよいし、先手が黒でなく白であってもよい。盤面も8×8の正方形に限らず、色々な大きさ・形がある。そして、リバーシでは「駒」、「(駒を)置く」と呼ぶところを、オセロではそのベースになったとされる囲碁と同じように「石」、「(石を)打つ(最初に4枚の石を置くときを除く)」と呼んでいる。そういった意味では、リバーシの特別な形がオセロということになる。
なお、オセロの初期配置は前節の「#遊び方・ルール」で示した図のように石を白黒互い違いに置くのが公式ルールであるが、リバーシでは下図のように置いてもよい。
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日本においては「リバーシ」という名称であってもオセロのルールで行われるのが普通である。ただし、知的財産権の関係かオセロの配色(濃緑色の盤面に黒い罫線)を意図的に避け、淡緑色の盤面に白い罫線などにしていることが多い。両面に白黒を配した石(駒)はそのまま用いられている。また、初期配置もオセロではd4とe5に白石が置かれることがルールで定められているが、リバーシでは逆にd4とe5に黒駒が置かれることもある(ハナヤマのリバーシの説明書ではd4とe5に黒駒が置かれている)。
[編集] オセロの歴史
リバーシは明治期に日本にも輸入され、「源平碁」(赤と白の駒を使う)および「レヴァルシー」「裏がへし」という名前で広まったが、長く楽しまれることはなく廃れた。
その後、1973年に日本の長谷川五郎が独自に現在のオセロのルール及びパッケージを発表した後は、リバーシとオセロは同一のゲームであると認識されている。最初に発売されたオセロの石のサイズ(35mm)は牛乳瓶の紙蓋とほぼ同じ大きさである(これは長谷川が商品化に向けてオセロを試作した際牛乳瓶の紙蓋を用いて石を製作したためである。現在も公式試合ではこのサイズを用いる)。名称の由来はシェイクスピアの戯曲「オセロ」のストーリーが黒人の将軍「オセロ」(=黒石)と白人の妻「デスデモーナ」(=白石)の関係がめまぐるしく変わる展開であることから取ったという。このネーミングは長谷川の父親で英文学者の長谷川四郎によるものである。また、オセロの盤の緑色は、将軍オセロが緑の平原の上で勇敢に戦うというイメージを持たせたものとのことだ。
さて、オセロは前節の「#オセロとリバーシ」で述べたとおり、囲碁をベースにして生まれたゲームだが、長谷川が旧制水戸中学校(現水戸一高)時代(当時は第二次世界大戦が終わって間もない頃だった)に思いついた、囲碁の黒石、あるいは白石を挟んだらその度に挟んだ相手の石を自分の色の石に取り替えるというルールのゲーム、いわゆる「挟み碁」が発端だという。それに加えて、石を取り替える手間を省くために白と黒の面を持つボール紙製の石を使用し始めたのがオセロの歴史の始まりである。学校の10分間の休憩時間内に決着がつき、しかも囲碁よりも覚えやすいルールであることから、戦災で校舎が全焼して青空授業が行われていた同校の生徒の間に徐々に広がっていったという。その後間もなく、牛乳瓶の紙蓋の片面をフェルトペンで黒く塗りつぶした石が作られ、前述したように、オセロ商品化の際の試作にも用いられた。
現在は長谷川のオセロは、ゲーム製品として「オセロ(Othello)」という商品名で各国にライセンスされ発売されている。日本では玩具メーカーのツクダが商標登録を行い1973年4月に発売した。これが今までに一度もモデルチェンジをせず、公式試合にも用いられている「オフィシャルオセロ」である。石がマグネット式で石ズレ防止になり、かつ盤が折り畳み可能なもの(「マグネットオセロ」)や、盤に石ケースが内蔵されたもの(「NEWスーパーオセロ」、「ナイスオセロ」等)をはじめ、オセロの製品バリエーションはその後徐々に充実していった。後にオセロに関する権利は子会社のツクダオリジナルに移され、ツクダオリジナルは2003年3月にワクイコーポレーションと合併してパルボックスとなり、2005年4月にメガハウスのパルボックス事業部、翌5月に同社の第4事業部となっている。商品名や商標に厳しいNHKニュースでは、オセロは「白と黒の石を取り合うゲーム」と表現された。
2004年7月に「オセロ極(-きわめ)」が発売されている。これはオセロ盤の各升の内部に石が打たれていない状態・黒石が打たれた状態・白石が打たれた状態の3つの状態を持った回転体が内蔵されており、石を紛失することがなく、石の反転もスムーズにできるといった利点がある。翌2005年2月にこれを小型化し、持ち運びに便利にした「オセロ極Jr(ジュニア)」も発売された。
[編集] 競技人口
21世紀初頭の日本におけるオセロの競技人口は9000万人と言われる [要出典]。 この競技人口にはルールを知っている人全てが含まれていると考えられる。 それにしても、オセロの競技人口は将棋やチェス、囲碁などに比べるとはるかに多いことは間違いないはずである。それは、手軽さと覚えやすさ、連続する逆転スリルの楽しみなどが理由として挙げられる。
[編集] ニップ・グランドオセロ・88オセロなど
オセロやリバーシと類似したゲームにニップ(Nip)があり、ハナヤマから(リバーシを含む 10 種類のゲームのセット「ダブルクインテット NEO」、同じく 12 種類のゲームで持ち運び可能なセット「ゲーム 12(トエルブ)」等の中のひとつとして)発売されている。円形のボードとオセロやリバーシと同様の両面が白と黒の駒を使用する。基本的なルールはオセロやリバーシと変わらないが、隅が存在しないので全ての方向(縦、横、ななめに加えて円周も)の駒を返すことができる。そのため終盤でも展開が非常に読みにくい。
交点の数はオセロやリバーシの升目より少ない 52 個である。初期配置はリバーシと同じく d4 と e5 に黒駒を置く。外周を円形にしているため、図の a3 ~ b3 や c1 ~ c2 などの交点が接近している場所は駒が置きにくいという欠点がある。
このニップは登場時期は不詳だが、「ニップゲーム」として太平洋戦争以前から存在していた(1933年実用新案登録 187845 号、考案者は松本彌助) 。当初は白黒ではなく白赤の駒で遊ばれており、また盤も円形ではなく、通常のオセロ盤の a1, b1. a2. g1, h1, h2, a7, a8, b8, g8, h7, h8 の升目を除いた八角形状の形のものが用いられていた。また、外周全体を一直線のように扱うルールはなく、8つの隅を持つ88オセロ(後述)に近いものであったと考えられる。
かつてはハナヤマがニップ単品で販売していたが、1996年発売の「ゲーム11(イレブン)」(もちろん「ゲーム12」の前身)から順次、前述したように他のゲームとのセット商品となり、単品販売がなくなった。ちなみにニップとは、英語で「挟む」を意味する。
また、近年登場したゲームの中には、オセロの盤面を 8x8 から 10x10 に拡大したグランドオセロ、そこから隅を切り落とし、八角形状にして8つの隅を持つ88オセロ(エイティエイトオセロ)などがある。グランドオセロはメガハウスからボードゲームとして発売された他(現在、製造中止)、2005年から毎年秋に川越市で大会が開催されている(第1回、第2回)。グランドオセロはグランドオセロ盤の上に別の盤(オセロ・88オセロ)をかぶせることによって1つの盤でオセロ・グランドオセロ・88オセロの3種類が楽しめるようになっていた。
他のバリエーションについての詳細は、「#関連文献・資料」中の「派生ゲーム」参照。
[編集] 研究対象としてのオセロ
オセロはルール上偶然の要素はない。ゲーム理論では、オセロは将棋、囲碁、囲連星などと同じく二人零和有限確定完全情報ゲームに分類される。
将棋やチェス、囲碁、囲連星などと違い、オセロはコンピュータが簡単に人間を打ち負かすことのできるボードゲームのひとつである。オセロはルールが単純であるため、古くからプログラミングの教材として、あるいは実際の製品としてコンピュータ上で開発されてきた。1980年には、家庭用ゲーム機である Atari 2600用のオセロが発売されている。当初はコンピュータの性能が低かったため人間でもコンピュータに勝つことができたが、現在の最高性能のオセロプログラムには、人間はまず勝つことができない。
数学的にみると、オセロはまだ完全には計算されていないゲームのひとつである。オセロの盤を n×n に一般化した場合、ある与えられた盤の状態においてプレイヤーが必ず勝つことができるかを判定する問題はPSPACE完全であることがわかっている。盤の大きさが 4×4 あるいは 6×6 のケースはすべて計算されており、例えば 6×6 のケースについて双方が最善の手順を取った場合、16対20で後手が必勝となる事がその手順とともに解明されている<ref>"Perfect play in 6x6 Othello from two alternative starting positions"</ref>。しかし 8×8 の場合は局面が膨大な数になるため、現時点ではスーパーコンピュータを駆使してなお双方最善手順は発見されていない。
[編集] 大会
全日本オセロ選手権大会(1973年~)や世界オセロ選手権大会(1977年~)など、幅広く大会が行われている。ちなみに2006年に行われた第30回世界オセロ選手権大会は、三十(みと)と、オセロの発祥地である水戸をかけて、同市で行われた。
[編集] 関連文献・資料
[編集] 入門書
- 日本オセロ連盟(編纂) 『図解 オセロ入門』 (虹有社、1983/01) ISBN 4770900058
- 谷田邦彦 『図解 早わかりオセロ ― これが必勝のコツだ!!』 (日東書院、1986/12) ISBN 4528004933
- 谷田邦彦 『絵でわかるオセロ入門』 (日東書院、1988/05) ISBN 4528008440
[編集] 中級~上級者向け
- 丸岡秀範 『ぼくたちオセロエイジ』 (C・D企画: 大和学芸図書、1979/03)
- 井上博 『逆転の発見 ― オセロの定石と必勝戦術 (改訂新版版)』 (ネコパブリッシング、1992/12) ISBN 4873660882
- 長谷川五郎 『オセロの勝ち方 [改訂新版]』 (河出書房新社、2006/7) ISBN 4309269087
- 長谷川五郎 『オセロ大観〈1〉』 (近代文芸社、1995/09) ISBN 477334718X
- 長谷川五郎 『オセロ大観〈2〉』 (近代文芸社、1995/09) ISBN 4773347198
[編集] 歴史
- 長谷川五郎 『オセロ百人物語 オセロ史を飾った名選手たち』 (河出書房新社、2005/12) ISBN 4309906559
[編集] 派生ゲーム
- 長谷川五郎 『ソクラテスの打ち方』(ソラリス、1994年) ISBN 4795203806
- 佐藤周二 『オセロ盤でもできる知的ゲーム 4・7』 (創栄出版、2006/08) ISBN 4434081616
[編集] プログラミングなどとの関係
- 森田和郎 『思考ゲームプログラミング ― オセロゲームのアルゴリズムと作成法』 (アスキー、1986/02) ISBN 4871481867
- 池原吉彦 『オセロで学ぶ BASIC 入門 ― 手作りプログラムで学ぶコンピュータ基礎講座』 (技術評論社、1990/07) ISBN 487408365X
- Seal Software 『リバーシのアルゴリズム C++ & Java 対応 ―「探索アルゴリズム」「評価関数」の設計と実装』 (工学社、2003/06) ISBN 4875934289
[編集] 学習用ソフトウェア
[編集] 関連項目
- ツクダオリジナル
- パルボックス
- オセロマルチビジョン
- パネルクイズ アタック25 -- 4 色で行うオセロのようなボード形式に則るクイズ番組
[編集] 脚注
<references/>
[編集] 外部リンク
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