イチゴ
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イチゴ(苺、Fragaria)はバラ科の多年草。
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[編集] 概要
栽培種の茎は短縮茎であり、葉の縁には卵形で粗い鋸歯がある3枚の小葉が集まって複葉を成している。花期は春から夏で、花弁は白く5-8枚。
現在の栽培種はオランダイチゴであり標準和名となっている。一般にストロベリーといえばオランダイチゴを指す。オランダイチゴはオランダの農園でバージニアイチゴとチリイチゴの交雑によってつくられた。一方で栽培種と区別するために、野生種をヘビイチゴやワイルドストロベリーと呼ぶこともある。
可食部は花托の発達したものであり、表面に分布する粒粒がそれぞれ果実である。このような形態をとるものをイチゴ状果という。独特の良い香りがあり、属名の由来にもなっている。属名の Fragaria はラテン語で「香る」の意。ビタミンCが豊富である他、抗酸化物質として知られるポリフェノールの一種であるアントシアニンを含む。生食の他、ジャムに加工されることも多い。受精すると花托の肥大が始まるが、一部受精していない雌しべがあるとその部位の肥大が弱くなる。したがって形の整った果実をつくるためには、全ての雌しべが受粉するようにすることが大切である。最近の受粉の作業はビニールハウス内にミツバチを放して行わせる。流通しているイチゴの多くはハウス栽培によるものである。
また、粒の大きさを揃えるなどの見た目や収穫時期を考慮しなければ家庭菜園でも比較的に容易に栽培できる。地方によっては、自家用に畦道の脇に栽培していることもある。
日本での生産量は年間約20万トンであり、そのほとんどは11~6月に生産される。7~10月の生産量は1万トン以下であって、5%にすぎない。冬から春に実をつける一季成りイチゴに対し、夏から秋にも実の成る品種は四季成りイチゴと呼ばれ、夏イチゴとも呼ばれている。
[編集] Fragaria属の種(しゅ)
日本の市場において「イチゴ」とは栽培種である「オランダイチゴ」を意味する。一方、オランダイチゴを含むFragaria属には20を超える種(しゅ)が知られている。染色体の倍数性は、二倍体から十倍体まで様々である。
- 二倍体の種
- Fragaria daltoniana
- Fragaria iinumae (ノウゴウイチゴ)
- Fragaria nilgerrensis
- Fragaria nipponica (シロバナノヘビイチゴ)
- Fragaria nipponica f. rosea (ベニバナヘビイチゴ)
- Fragaria nipponica var. yakusimensis (ヤクシマシロバナヘビイチゴ)
- Fragaria nubicola
- Fragaria vesca (エゾヘビイチゴ)
- Fragaria viridis
- Fragaria yezoensis (エゾクサイチゴ)
- 四倍体の種
- Fragaria moupinensis
- Fragaria orientalis
- 六倍体の種
- Fragaria moschata
- 八倍体の種と交雑種
- Fragaria × ananassa DUCHESNE (オランダイチゴ )
- Fragaria chiloensis (チリイチゴ )
- Fragaria iturupensis Staudt
- Fragaria virginiana (バージニアイチゴ )
- 十倍体の交雑種
- Fragaria × Potentilla (属間雑種)
- Fragaria × vescana
[編集] 日本における商業栽培品種
- とよのか
- 九州を中心に広く栽培される。酸味が少なく大粒で甘い。(粒が大きいほうが甘い)
- 女峰(にょほう)
- 主に東日本で栽培される、甘酸っぱい味が特徴。うどんこ病に弱い。栃木県農業試験場が育成したが、育成者権は2000年に満了した。
- とちおとめ
- 栃木県農業試験場が育成し、1996年に品種登録された。女峰より粒が大きく甘さも強い、日持ちが良い品種。
- 章姫(あきひめ)
- 萩原章弘(静岡市)が、女峰と久能早生を交配して開発。女峰の酸味、病害抵抗性などの問題点を解決するため育成された。女峰より大きい。休眠が浅く、暖地での施設栽培に向く。
- アスカウェイブ
- 久留米促成3号、宝交早生、ダナー、神戸1号を素材として育成された系統を両親とする品種。奈良県農業試験場が開発し、アスカルビーが開発されるまで、同県での主力品種。赤みが強く、甘みと酸味のバランスがよい。
- アスカルビー
- アスカウェイブと女峰を掛け合わせて奈良県農業試験場が育成し、2000年に登録された品種。果実は円錐形で赤く艶があり甘みも強い。宝石のように見えることからこの名が付いた。登録前の名称は「奈良7号」。奈良県内の他、近年は全国各地での生産も多いが、別のブランド名になっているものが多い。
- アイベリー
- 普通のイチゴの2・3倍の大きさがある。愛知県で育成されたことから、この名前が付いた。
- とちひめ
- 中まで色が赤く甘さが強い、果実が軟らかいため観光イチゴ狩り用。
- レッドパール
- とよのかとアイベリーの交配種。両者の特徴に加えとちひめ同様中まで赤い。生産量が少ない種。ケーキ、高級菓子用。
- さちのか
- とよのかとアイベリーの交配種。糖度、ビタミンC含量が高く、果実は硬めで日持ちがよい新品種。
- あまおう
- 「あ」かい、「ま」るい、「お」おきい、「う」まいの頭文字をとって名づけられた新品種。福岡では栽培品種がとよのかから急速にあまおうに置き換わっている。一粒40gにもなる。
- 宝交早生
- 休眠打破のための低温要求量が多く、寒冷地の露地栽培に向く。甘みが強く、果実が柔らかい。果実が柔らかいため、輸送性・棚もちが悪いため、現在ではほとんど流通していないが、一部の観光いちご園では栽培されている。うどんこ病に強いが萎黄病に弱い。
- 紅ほっぺ(べにほっぺ)
- 章姫とさちのかの交配種。章姫と比較、果心の色が淡赤・花房当たりの花数が少ない。さちのかと比較して、小葉が大きい・果実が大きい・花柄長が長い。
- ももいちご
- 徳島県佐那河内村の30数軒の農家のみで栽培される品種。徳島と大阪でしか手に入れることができず、ネット通販などで人気である。大粒で桃の形に似ていることから名前が付いた。なお、正式な品種名は「あかねっ娘」で、「ももいちご」は徳島県の商標登録である。
- 咲みいちご
- 東北地区を中心に夏イチゴをブランド化し、組織を拡大中 {咲みいちご}は商標登録である。
- 夏実
- 実肉が硬く暑さに強い、日持ち性・輸送性に優れる夏イチゴ。
- サマープリンセス
- 色や光沢のよい夏イチゴ。しかし、実が柔らかくて輸送に向かない。
- ペチカ
- 甘みが控えめで見栄えのよい四季成りイチゴ。夏イチゴとして早く市場に出た。
- 夏娘(カレイニャ)
- 糖度は高いが、表皮の色が斑で光沢が少なく軟らかい夏イチゴ。
- ほほえみ家族
- 糖度が高く、形、色まわりも良い夏イチゴ。生食にも向く。
- 越後姫(えちごひめ)
- ベルルージュ、女峰、とよのかを掛け合わせて1996年に新潟県で登録された品種。糖度が高く、種子が果肉に埋もれることから美しい外観を持つ反面、果肉が柔らかいため輸送性に劣り、その大半が県内で消費される。新潟県内で生産される生食向けいちごの大半は越後姫である。
[編集] 雑学
- 英名のStrawberry(ストロベリー)の語源は「Straw(麦わら)を敷いて育てた」や「散らかす、一面を覆う、を意味するstrew(strawの古語)」などいろいろな説がある。
- 本来は夏の果物であるが、出荷量が最も多くなるのはクリスマスケーキの材料としての需要が高まる12月である。逆に、5月を過ぎると生産量が減る。
- 日本において、秋口は露地物とハウス物の端境期になるので、生食用のイチゴはほぼ全量を輸入に頼ることとなる。この時期、ケーキの材料には乾燥物や冷凍物のイチゴが用いられるため、味が極端に落ちる傾向がある。生鮮イチゴの主な輸入元はアメリカで、ついで韓国、ニュージーランド、オーストラリアである。冷凍イチゴの主な輸入元は中国で、ついで韓国、その他タイ、メキシコ、オランダ、チリなどから輸入されている。
- 作物として栽培されるようになったのは200年前ごろからである。
- 日本には江戸時代の終わりごろにオランダから輸入された。本格的に栽培されたのは明治5年からである。
- いちごにはキシリトールが豊富に含まれている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク

